受験算数で困っている人は、必ずお読みください
受験算数で困っている人はとても多いです。
それは、受験算数が難しいからです。
どうしたら良いか?
簡単に答えられます。
学習する時期を子どもの思考の成熟度に合わせれば良いのです。
子どもたちに学習能力の差はもちろんありますが、それよりも、発育の速度の差がずっと大きいです。
発育のペースがゆっくりな子が、まだ学習に向いていない時期に無理に学ぶと、どうしても受験算数では苦戦します。
それを見て「うちの子は能力が低いのでは…」と誤解して悩んでしまうケースは、本当に多いのです。
適した時期に、適した難度で、良い解説に触れ、良い解き方で、必要な演習問題に取り組めば、いま困っている人の9割は、必ず状況を変えられます。
何かを変えなければ、何も変わりません。
まずは「学ぶ時期」に目を向けて、学習を見つめ直すしてみてください。
中学受験勉強を早くから始める弊害
「受験勉強は、早く始めれば有利になる」
これは、多くのご家庭が信じている常識かもしれません。
しかし、私はプロ講師として、はっきりと申し上げます。
早く始めることは、むしろ不利になるのです。
スポーツに例えると分かりやすいでしょう。
野球でもサッカーでも、子どもがいきなり大人用のボールを使うことはありません。
筋力が足りないからです。
勉強も同じです。
ところが勉強の場合は「負担が分散されるから安心」と錯覚してしまい、早く始めるほど順調だと思い込みやすいのです。
では、実際にはどうなるのでしょうか。
まだ算数的思考力(見方を変えて考える力や、他のものに置き換える力)が育ちきっていない状態で学習を無理に進めると――
理解できず、丸暗記に頼る勉強 になってしまうのです。
「ここに数字を当てはめれば答えが出るから!」
つい、そんな教え方をしてしまった経験がある保護者の方も多いはずです。
しかしこれは、とても危険な道です。
なぜなら、算数は「考え方を理解する教科」だからです。
高校生になって数学が苦手になる子の多くは、中学生の数学の導入段階で「覚える勉強」をしてしまった子です。
それと同じように、6年生の受験期になって算数が苦手になる子の多くは、4~5年生の解法の導入段階で「覚える勉強」をしてしまった子です。
初めはパターンが一致すれば点数は取れます。
しかし覚える勉強では、解法の概念 が育ちません。
概念を理解していなければ、6年生の受験期で必ず壁にぶつかります。
お子様が、覚えては忘れてをくり返して、不安になっていませんか?
塾に相談すると、「そうやって定着していくんです!」と言われますが、反復回数が増えれば暗記できるだけで、理解できたわけではないので、定着とは言い難いものです。
応用問題とは、すでに身につけた考え方を使いこなす問題です。
「覚えた解き方」しか引き出しに入っていない子は、この応用に対応できず、難関校合格はほぼ不可能になります。
「うちは難関校を目指していないから、暗記算数でもいい」――そう考える方もいるかもしれません。
けれど、その学習法で得られるのは 入試を乗り切るためだけの得点力 です。
中学生以降に本当に役立つ力にはなりません。
私は、保護者様とお子様の時間を「その場しのぎの学習」で浪費させたくありません。
だからこそ断言します。
覚える学習はできるだけ避けるべきです。
理解を伴う学習こそが、お子様の未来を支える土台になります。
中学受験勉強の適性開始時期を考える
前の章でお伝えした通り、4年生から受験勉強を始めると「覚える算数」に陥る危険が大きいのは事実です。
正確に言えば、内容が難しく、まだそれに対応できない子を走らせると、暗記に頼らざるを得なくなるのです。
小学生は成長のスピードに個人差があります。
「うちの子は能力が低いのでは…」と悩む保護者の方もいらっしゃいますが、実際にはそうではなく、ただ成長が少し遅いだけというケースを、私は何度も見てきました。
やがて学力が追いつき、追い抜いていく子も珍しくありません。
ですから、受験勉強の適性開始時期は「親が決めるもの」でも「子どもが決めるもの」でもありません。
一人ひとりにとって、もともと決まっているものなのです。
中学受験勉強の歴史
少し歴史を振り返ってみましょう。
四谷大塚――中学受験の老舗ですが、かつては受験勉強の開始は5年生からでした。
4年生開始に切り替わったのは2010年頃のことです。
しかしその理由は、決して「5年生開始では受験に間に合わないから」ではありません。
一方で、SAPIX(前身はTAP)は1980年代の創業時から4年生開始を打ち出していました。
とはいえ、当時のSAPIXはわずか500人規模の精鋭集団。
つまり、4年生開始は「特別に優秀な子どもたちだからこそ可能だった」のです。
今の中学受験を取り巻く現実を見れば、4年生開始が合う子は全体の2割程度ではないでしょうか。
残りの8割の子にとっては、4年生からの受験勉強は無理を強いられるスタートになりがちです。
5年生開始ですべて解決
「4年生から始めないと間に合わない」と信じている方は少なくありません。
しかし、私は30年間以上、現場で数えきれないほどの子どもたちを指導してきましたが、5年生から始めて間に合わなかった子を、記憶の中から探しても出てこないのです。
では、なぜ「4年生スタート」が常識のように扱われるのでしょうか。
理由は単純です。
業界の都合です。
4年生からカリキュラムを組めば、塾に通う期間が長くなり、塾にとっては利益が増えます。
そして、5年生から入塾した子は、塾の「4年生開始の枠組み」に組み込まれるため、追いつくまでに苦労します。
これを経験した保護者が「やっぱり5年生からでは遅いのね」と誤解してしまうのです。
しかし、それは誤りです。
5年生スタート専用の理にかなったカリキュラムで学べば、何の問題もありません。
4年生から「覚える算数」に走らせて苦しむよりも、5年生から「理解する算数」で一気に伸ばす方が、ずっと健全で、将来にもつながります。
私は業界の常識に流されず、受験生と保護者の味方でいたいと思っています。
中学入試算数リスタートの活用
私はずっと願ってきました。
「なんとか5年生から受験勉強を始め、健全なスタイルで走り抜けてほしい」と。
そのために必要だったのは、5年生開始専用のカリキュラムと教材です。
大手塾の4年生教材を、5年生から使い始めてもいいでしょう。
しかし、せっかく5年生から始めるなら、年齢と発達に合わせて調整した方が、ずっとスマートで効果的なのです。
ここで誤解していただきたくないのは――これは「ゆる受験」の話ではありません。
ゆる受験とは、ゆるい受験のことで、難関中学を目指さない代わりに、難しい単元や問題をカットして負担を減らす方法です。
確かに楽かもしれませんが、それでは学力は大きくは伸びません。
簡単な問題ばかりでは「解き方を覚える勉強」で済んでしまい、理解が深まりません。
私が目指してほしいのは違います。
難しい問題にも、難しい単元にも挑む。けれど5年生から始める。
その形が、5年生開始専用カリキュラムと教材――「中学入試算数リスタート」です。
これが「健全で将来につながる受験勉強」だと確信しています。
「そんなこと、本当に可能なのか?」――そう不安に思う保護者の方もいるでしょう。
実際に、5年生からスタートして、塾に行かず、私の家庭教師指導だけで、6年生秋に四谷大塚の偏差値65に到達した子を何人も見てきました。
それができたのは、5年生開始に合わせて調整したカリキュラムを歩んだからです。
そして、家庭教師で伝えていることのほとんどは「中学入試算数リスタート」に載せています。
子どもだけの自力でも、大人のフォローがあってもいいですが、この教材を熟読すれば、プロ家庭教師に教わるのに比べて、勝るとも劣らない結果が出ます。
書物の強みです。
これを、多くの受験生に届けたいのです。
その形が、5年生開始専用カリキュラムと教材――「中学入試算数リスタート」です。
どうか、受験生と保護者の皆さまに、この教材を活用していただきたい。
それが私の心からの願いです。
――「5年生からでも間に合う。いや、5年生からだからこそ伸びる」
未来につながる学力を、一緒に育てましょう。
中学入試算数リスタートの概要
対象となるお子さま
「中学入試算数リスタート」は、次のようなお子さまを対象にしています。
- 5年生開始専用カリキュラムで受験勉強を始めたい5年生(または6年生)
- 4年生で塾に通ったが、一からやり直したい5年生
- 5年生で塾に通ったが、一からやり直したい6年生
本来は①の「5年生開始で健全に受験勉強を始めたい子」に向けて作った教材です。
しかし実際には、②や③のお子さまにも相性が良く、だからこそこのタイトルを付けました。
特長(長所)
「中学入試算数リスタート」には、現場のプロ講師としての工夫を惜しみなく盛り込みました。
- 表の積極的活用
 「表」を解法に組み込み、初見問題や応用問題に強くなる思考力を育成。
- PDF教材の利点を最大化
 フルカラー・余白多め・図を描く手順を段階的に掲載。紙教材ではできない“見やすさ”を実現。
- ストレスフリーの解法
 線分図を描く、割合の問題を分数で処理するといった「過去の入試では通用した方法」を排除。難関校合格や苦手克服に必要十分な解法だけに絞ったスリムな教材。少ない解法を広く活用するスタイルは、いまの難関校の出題傾向に合致。
- プロ家庭教師レベルの細かい指示
 暗算すべきことと書くべきこと、図や表の位置・大きさ・書き入れる内容まで具体的に指導。
これは、難関校対応の中学受験塾で、算数科主任として1人でオリジナルテキストをつくり、改善ポイントが見つかるごとに改訂してきた経験があるからこその教材です。
また、生徒さんに、表を書くように指示した後、いきなり偏差値がアップした事例も多数あります。中学入試算数リスタートを使うことで、それが再現されると思われます。
拘りポイント
子どもの学力を本当に上げるためには、次の「3つの流れ」を磨くしかありません。
- 問題文から、どこを着眼点にすべきか分かること
- 着眼点がわかった後、まず何をすべきか分かること
- 何のためにそれをしているのか理解していること
私は家庭教師の経験の中で、この3つを徹底的に意識してから、生徒の学力が大きく伸びるのを実感するようになりました。
その知見を教材に落とし込み、「一流のプロ家庭教師に習う以上の成果が出る」教材を形にしたのが「中学入試算数リスタート」です。
使い方
- 原則はカリキュラム通りに進めること
 得手不得手に応じて調整も可能です。ご相談も承っています。
- 学習目安
 300テーマ修了で四谷大塚偏差値55、429テーマ修了で偏差値65まで対応可能。
 5年生4月から始めて、6年生10月まで19か月で完成させたい。
 難関校を目指すなら週5テーマ(約10時間)、中堅校なら週3テーマ(約5時間)が基本です。
 長期休暇はその倍のペースで進めればスムーズに終わります。
- 導入を熟読し、解法を真似ること
 「何を書くか」「なぜそう書くか」を丁寧に説明しています。推奨どおり進めれば効果的です。
- 反復練習は不可欠
 5年生開始に絞っている分、無駄は大幅に減らしていますが、「楽に難関校合格」とは言いません。繰り返しが力になります。
- 大人のフォローがあると安心
 自学自習用教材ですが、集中が切れたり重要箇所を飛ばしたりする可能性があります。保護者や家庭教師が確認役になれば安心です。理系の専門知識は不要です。
テストについて
最後に、よくあるご心配に答えます。
「テストはないのですか?」
はい、この教材にテストはありません。
私は、テストは勉強の質を下げる最大の要因だと考えています。
多くの子にとって、テストは「ジャンクフード」のようなもの――その場しのぎの満足感はあっても、学力を育てる栄養にはならないのです。
たとえば、クラス分けテストが近づいてきたとき、その単元が根本的に理解できていなかったらどうするでしょうか。
ほとんどのご家庭は、苦渋の選択で、付け焼き刃的に「テストで点を取るためだけの対策」をして、テスト後に「あとでしっかり学び直そう」と考えるはずです。
ところが、いざテストが終わると開放感に浸ってしまい、その単元を根本から学び直すことは、ほとんどありません。
これがテストの現実です。
学習の質が下がり、実力がつかないのは明白なのです。
代わりにこの教材では、導入を熟読 → 解法を真似る → 定期的に反復する、このサイクルを大切にします。
それこそが、本当に力をつける学習です。
終わりに
中学入試算数リスタートは、受験生と保護者にとって「安心して歩める道」を示すために作りました。
一人でも多くのお子さまが、健全に、そして力強く受験期を乗り越えられることを願っています。
――「5年生からでも間に合う。5年生からだからこそ伸びる」
よくあるご質問(Q&A)
Q1. 5年生から始めても、本当に難関校に間に合いますか?
A. はい、間に合います。実際に5年生から始めて難関校に合格した子を何人も指導してきました。大切なのは、無理に早く始めることではなく、発達に合わせて「理解する学習」を積み上げることです。
Q2. 塾に通わず、この教材だけで大丈夫でしょうか?
A. 可能です。実際に塾に行かず、家庭教師と、この類似教材だけで偏差値65以上に到達した子もいます。ただし、自学だけだと集中が途切れやすいため、大人が確認役としてサポートしていただくのが理想です。
Q3. 難関校を目指さない場合、この教材は必要ですか?
A. 必要です。難関校を目指さなくても、「覚える勉強」ではなく「理解する勉強」で育った学力は、その後の中学・高校・大学で必ず生きてきます。入試だけにとどまらない“将来の財産”になります。
Q4. テストがないと学力の定着が不安です。
A. ご安心ください。この教材では「導入を読む → 解法を真似る → 反復する」という流れを徹底することで、テスト以上に学力が定着します。テストの点で一喜一憂するより、理解の質を積み重ねることが何より大切です。
Q5. 費用について心配です。
A. 「リスタート」は塾に通う代わりに使える教材です。家庭教師を併用しても、塾に比べて費用は抑えられるケースがほとんどです。教材自体もPDF形式ですので、必要以上の出費をかけずに学習を進められます。
Q6. 忙しい週が続いた場合、どうすれば良いですか?
A. 無理に進めなくても大丈夫です。基本は週3〜5テーマですが、長期休暇にペースを上げることで調整できます。19か月の学習期間を想定していますので、多少の遅れは十分に取り戻せます。
Q7. 保護者が理系でないとフォローできませんか?
A. まったく問題ありません。必要なのは専門的な知識ではなく、お子さまが教材を読んで理解しているかを確認する役割です。理系でなくても「一緒に確認する」だけで十分なサポートになります。教材の構成も大人がヒントを伝えやすいものにしています。