サピックスと四谷大塚の算数の欠点

スカイプ指導の生徒さんは、毎年、9割は通塾生、1割は自宅のみです。

生徒さんの学習状況や、保護者様からお話を伺いますと、学習塾の様子が分かります。

「これは酷い!」と思うことが多々あります。

 

大手塾としては、退塾が出ず、合格実績が上がり、クレームがなければ、それで十分なわけです。

どんなにご家庭が「酷い!」と悲鳴を上げても、その3点が問題なければ、改善する必要がありません。

 

今回は、主に4・5年生向けに、「サピックス」と「四谷大塚&早稲田アカデミー」の算数の欠点を書いていきます。

いますぐ辞めた方がいいとか転塾した方がいいと煽っているわけではありません。

欠点を理解することで、その対処法を考えてくださることを願っております。

 

まず、サピックスですが、5年生までは基本重視で簡単です。

サピックスの保護者は、とてもレベルが高いことをやっていると思われている可能性もありますが、四谷大塚の予習シリーズ、応用演習問題集、週例テストのS・Cの問題を閲覧してくださると、サピックスがいかに基本しかやっていないかが分かると思います。

 

では、どうしてサピックスは難関中学の合格実績が優れているかと言いますと、6年生の夏期講習からいきなり難しくなるからです。

上位クラスは新6年生の頃から、難しめの問題を授業中に解説無しで解かせて、出来なかった問題は家で身につけてきなさいという横柄なことをするサピックス文化も難関校合格に一役買っていると思います。

 

6年生1学期までマンスリーテストで点数を取れていたけど、突然成績が下がり始める生徒さんが急増します。

そこで脱落しないためには、基本を学習するときに、応用力まで身につく質の高い学習をしているか、6年夏以降に備えて、応用力を養う訓練をサピックス以外でしているかです。

想像に難くなく、後者の生徒さんが多いです。

上記のサピックス文化もそれに当てはまります。

サピックス側としては、基本をしっかりやっていれば、応用力がつくと勘違いしているかもしれません。

一を聞けば十まで分かる一部の優秀生しか見えていないのかもしれません。

保護者会で、親は教えない方が良い、サピックスを信じてついてくれば大丈夫と連呼しますが、それを真に受けたら危険です。

 

スカイプ指導では、サピックス生で力のあるお子様ならば、可能な限り、先取りさせています。

予習という意味ではありません。

割合、速さ、平面図形の5年生の3本柱を、一足先に取り組み、優位に授業を受けてもらい、できるだけ消化不良にならないように5年生を過ごし、新6年生の段階で、デイリーサピックスよりも一回りレベルの高い問題をやってもらうようにします。

家庭教師云々関係なく、ポイントはサピックスと関係なく応用問題に取り組むことです。

 

それに対し、四谷大塚&早稲田アカデミーは逆です。

問題のレベルが高いため、授業で基礎がおろそかになりがちです。

上位クラスは「これは家で予習しているから大丈夫だよね?」という姿勢で、応用中心になる傾向があります。

 

生徒さんを見ていますと、「こんなことも教わらないの?塾で何やってきたの?」という印象を受けがちです。

その割に、式だけは身につけて、問題だけは解けるという恐ろしい状況にもよく出くわします。

難問にはどっぷり浸かっていますが、場合の数や思考系の問題が不足しているような印象もあります。

 

サピックス生の保護者様からは「サピックスは合わないのでしょうか?」というご相談を受け、四谷大塚&早稲田アカデミー生の保護者様からは「サピックスの方がいいのでしょうか?」というご相談を受けますが、どちらも問題ありなので、とても回答が難しいです。

 

力量のある講師は、教え方を研究し、分かりやすく教えていると思います。

塾発行の解説とは異なる教え方をしているのが普通です。

予習シリーズを自宅学習生が購入し、塾ではこういう教わり方をしているんだと理解されている方もいらっしゃると思いますが、そうではありません。

 

例えば、サピックスの倍数変化算の解説では線分図で表し伸ばす方法が書かれていますが、多くの講師はそうは説明していないと思います。

塾発行の解説は、分かりやすさを目指したものではなく、綺麗に紙面に収めることが目的と言ってもいいです。

どうして分かりやすい解説にしないかというと、塾なので、教える講師が工夫すればいいという風潮と、いまの状況で問題なしだと判断しているからです。

その解説を理解して、教えこもうとしている保護者の存在に気づいていないかのようです。

力量のある講師に教わっていない場合や、授業を吸収できない場合は、とても苦しい状況が待っています。

 

結局のところ、どこの塾でもどこのクラスにいても、お子様の能力が高い場合を除いては、塾に期待できず、各ご家庭で作戦を立てて、実行するのみです。

季節柄、当教材をお勧めして終わりにしたいと思います。

四谷大塚&早稲田アカデミー生へのお勧め教材は、予習シリーズを見ても、式だけしか身につけられない場合は、対話式算数をお勧めします。

2019年度は、対話式算数を編集し直して、予習シリーズ完全対応版を用意しようと検討中です。

場合の数が手薄なので、小4集中場合の数や小5集中場合の数もお勧めです。

また、上位生は、思考系の練習として、小4グランプリ算数と小5グランプリ算数がお勧めです。

算数塾に行くくらいの効果が見込めます。

 

サピックス生へのお勧め教材は、応用力をつけるために、小4グランプリ算数と小5グランプリ算数をお勧めします。

 

難関中学の入試問題は、年々難しくなっています。

それはなぜかと言いますと、以前より、動画授業、良い市販の教材、ネット商材、家庭教師など、自宅での学習が充実するからだと思います。

言い換えますと、塾だけに任せていたら、よほどの優秀なお子様以外は以前と同じようにはいかないのではないでしょうか。

学習の作戦をしっかり練ることをお勧めいたします。

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