対話式算数第56話:比5

今回は逆比がテーマです。

中学受験で方程式を使うことについては賛否両論があります。

方程式否定派でも、分配の法則や、比の消去算は方程式のような解き方にしています。

優秀な生徒さんは、方程式をしっかり教えなくても、そういう単元を通じて自然と方程式を身につけ、使っていく傾向があります。

方程式は算数より上の次元だと思いますが、算数らしい考えの逆比は、方程式の上位だと思います。

逆比を使いこなすと解法の洗練さが増します。

鮮やかになるので、解説を聴いても、自分で使っても、喜びを感じる生徒さんが多いです。

逆比を使いこなすことが、算数を制することと言っても過言ではありません。

 

興味のある方はこちらにどうぞ

 

第56話:比⑤

 

56・1

シンプルな逆比を学習します。

逆比は逆数の比ということを丁寧に解説しています。

例題2は消去算の代入法でも解けますが、「同じ」とか「等しい」のキーワードがあったら逆比を使うと考えて欲しいです。

比を単価として、合計金額を求めていく問題です。

 

56・2

3数の逆比です。

逆比とは逆さの順に比を書くことではありません。

ここでそれをしっかり身につけましょう。

最小公倍数を利用して解きます。

 

56・3

差集め算に分類されるような問題です。

逆比が使えると気がつきにくいので、最小公倍数を利用して、自然と逆比を使っているという形が望ましいと思います。

 

56・4

等しいをキーワードにして、表か式にしてならべ、見くらべて、逆比に持っていきます。

仕事算でもよく使う解法です。

等しいとあったら、それを突破口に、工夫して書くという姿勢が大切です。

 

56・5

天秤の問題です。

載せかえて、おもりを2種類にすれば、逆比が使えます。

重さが具体的に書いてあっても、その条件を使うのは最後にすることがポイントです。

 

練習問題

 

番号 講評
1 A 逆比を使わなくてもできますが、解法パターンを増やせるように、できるだけ使いましょう。
2 A 1番の類題です。
3 B 逆比を利用してそれぞれの比を求めてから連比にします。
4 A 最小公倍数を利用して逆比を求めます。
5 B 4番をやや発展した問題です。
6 B 5番とは異なりますが、これも4番をやや発展した問題です。
7 A 人数と食べられる肉は逆比とするよりも、肉の全体量を決めた方が分かりやすいと思います。
8 B 7番と同様に逆比を意識せずにまわりの長さを決めます。まわりなので、植木算を意識しなくても良いですが、一応、間の数で考えていることを少し意識して欲しいです。
9 B 部屋の使用料を最小公倍数で決めます。人数が増えるほど、料金が安くなるというところから、この解法に結びつけて欲しいです。
10 B 消去算でもできますが、代金が同じところから、鉛筆○本とボールペン△本が等しいかを考え、逆比を利用します。消去算では解きにくい数字設定にしました。
11 B 代金が同じところから、リンゴ○個とミカン△個が等しいかを考え、逆比を利用します。問題に載っている520円は後回しです。
12 C やや複雑ですが、A○個とB△個が等しいかが分かります。条件を表にしてならべて書くことが大切だと思える問題です。
13 B 3つの条件をそれぞれ2つずつ見くらべると、逆比で重さの比を求められます。連比にします。
14 C 代入をする問題です。代入の形を目指していきます。代入ができると、3枚のうち、2枚の面積比が求められます。それを使って3枚の面積比を求めます。
15 C B1個をAとCにかえて、AとCだけの2種類にします。そうすると逆比で重さの比が分かり、それを使って3種類の重さの比が分かります。360gを使うのはその後です。

「難」は難度は以下の基準です。
A:確実に解けるようにしたい問題
B:サピックス偏差値50以上を目指す人向けの問題
C:サピックス偏差値60以上を目指す人向けの問題
D:特に難しい問題

※「要」は重要度で以下の基準です(B・C・Dのみ表記)。
ゼ:絶対に解けるようにしたい重要な問題
テ:よく出る典型題
ヒ:捻りのある問題
サ:地道な作業が必要な問題

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