対話式算数第57話:割合と比の基礎

昨年までタイトルを「割合と比①」としていましたが、番号はできれば避けたいので「割合と比の基礎」に変更いたしました。

先週まで比を5週連続で扱い、一段落したので、今回から割合に入ります。

この6週間の流れで、実際に指導をしていても、教材を書いていても、繋がりが良く、この流れがベストだと思っています。

いつか時代はかわり、塾でもこういう流れになると、受験生も負担が軽くなると思います。

 

タイサンでは割合の三用法は軽視していますが、割合分数をかけていく計算は必要ですので、この単元も必要です。

1より小さい数をかけるという未知の世界が、割合の肝ですが、分数を上手く絡めて工夫して説明しています。

 

興味のある方はこちらにどうぞ

 

第57話:割合と比の基礎

 

57・1

2021年版までも導入からの繋がりが良く、良い解説だと思っていましたが、このテーマは大がかりに書き換えました。

まず、分数で、逆数も絡めて自然な流れで真分数をかける展開にしました。

ついでに、分数のわり算は、逆数にしてかけ算ということも証明しています。

百分率は分数で理解するような流れにしています。

2021年版までは百分率や歩合を小数にする傾向でしたが、日本語で学習すると、割合は、小数よりも分数の方がイメージしやすいと思い、書き換えることにしました。

教養として、%の形の由来、パーミルの話も入れています。

歩合の話のときに、塵劫記や「割」があとからやってきた話も入れています。

 

57・2

割合の三用法で解ける問題です。

割合の三用法のうち、[基準量]×[割合]=[比較量]だけで解くことを勧めています。

他の2つは逆算で求める方針です。

割合に慣れるまでは「の」の前、「対する」の前が基準量で良いと思います。

慣れてきたら、自然と、割合を何にかけたくなるかで判断できると思います。

「くもわ」で教える算数の講師もいますが、すぐに慣れるので、その必要はないと考えています。

 

57・3

比の値です。

比の値の求め方だけを説明して進めていくことも可能ですが、しっかり意味を説明しました。

比はわり算を計算していない形で、比の値はわり算をすることというように身につけて欲しいです。

 

57・4

内項の積と外項の積は等しいことを使って比を解く問題です。

ついでに、分数のたすき掛けの積が等しくなることも説明しています。

 

57・5

割合の文章題です。

基準量に割合をかける感覚が必要な問題を扱いました。

問題文を式にすることがポイントです。

条件を式にしたものは、縦に並べるようにします。

 

練習問題

 

番号 講評
1 A 慣れるまでは、百分率を見たら、分母を100にした分数を書きましょう。
2 A 小数にしてから百分率にすると良いと思います。
3 A まず、小数にしましょう。
4 A 割合の三用法です。かけ算の「基準量×割合=比較量」の式に当てはめましょう。
5 A 「1割」が10分の1や0.1になることから小数か分数にします。
6 A 「基準量×割合=比較量」の式に当てはめた方が良いですが、慣れてきたら、すぐに分母75、分子51にできると思います。
7 B 「対する」の前が基準量です。「もとにする」は、基準量とするという意味です。
8 B 「対する」の前が後項になります。比の値は、前項÷後項です。
9 C 比の値からわり算の式をつくり、比を求めます。合併するときは、適当に数字を決めてイメージします。
10 A 「外項の積と内項の積は等しい」を使います。まず、簡単な整数比にすることから始めます。
11 A 10番の類題です。まず、分数の比を整数比に直します。
12 A 連比は「外項の積と内項の積は等しい」は使えません。何倍になっているかを考えます。
13 A 理科を求める式を2つ書けば求めやすいと思います。
14 B 兄の35%の式と、弟の80%より150円少ない式を縦に並べることをお勧めします。数学になると「=」で横に繋げることが一般ですが、式変形をあまり学習していない小学生にはその方針は向いていないと思います。
15 B 本の値段の式、クレヨンセットの値段の式を書きましょう。

「難」は難度は以下の基準です。
A:確実に解けるようにしたい問題
B:サピックス偏差値50以上を目指す人向けの問題
C:サピックス偏差値60以上を目指す人向けの問題
D:特に難しい問題

※「要」は重要度で以下の基準です(B・C・Dのみ表記)。
ゼ:絶対に解けるようにしたい重要な問題
テ:よく出る典型題
ヒ:捻りのある問題
サ:地道な作業が必要な問題

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