反復学習は、本当に絶対正義なのか

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SNSを見ていると、定期的にこういう言葉が流れてきます。

「反復学習が足りないから、定着しない」
「結局、大切なのは反復です」
「忘れないように、何度も復習しましょう」

保護者の方からも、受験関係者からも、よく聞く言葉です。

たしかに、反復には効果があります。

一度やっただけで何でも身につくほど、勉強は簡単ではありません。

ただ、私はこの言葉が出るたびに、少し引っかかります。

反復学習は、いつの間にか「絶対正義」のように語られていないでしょうか。

反復すれば定着する。
反復しないから忘れる。
忘れるなら、もっと反復すればよい。

この考え方は、とても分かりやすいです。

しかし、分かりやすいからこそ、少し慎重に見た方がよいとも思っています。

反復学習を否定しているわけではありません

最初に書いておくと、私は反復学習を否定しているわけではありません。

今日習ったことを、その日のうちに自力で解けるようにする。

少し時間を置いて、翌日にもう一度確認する。

数字や条件を少し変えた問題で、同じ考え方が使えるか試す。

こういう学習は、とても大切です。

「分かった」で終わらせず、実際に自分の手で解けるか確認する。

これは、反復というより、学習を完成させるための確認だと思っています。

問題は、その先です。

忘れないように、翌日も復習。

2日後も復習。

4日後も復習。

1週間後も復習。

さらに、他の単元も同じように復習。

このように、全単元を忘れないように回し続ける学習が、本当に現実的なのか。

そこに、私は疑問があります。

中学受験算数は、単元が多すぎる

中学受験算数は、単元がとても多いです。

割合、比、速さ、場合の数、規則性、数の性質、平面図形、立体図形、点の移動、水量、仕事算、売買損益、食塩水、旅人算、時計算、通過算……

これらをすべて、忘れないように定期的に復習していく。

言葉で言うのは簡単です。

でも、実際にやろうとすると、かなり大変です。

「これも復習した方がいい」
「あれも忘れていないか確認した方がいい」
「前にやった単元も回した方がいい」

そうやって積み上げていくと、やるべきことがどんどん増えていきます。

昔、テレビで「これを食べると体にいい」という話がよくありました。

でも、それを全部食べようとしたら、いったい1日に何食食べるのか分かりません。

勉強も、少し似ていると思います。

一つひとつは正しい。

でも、全部やろうとすると現実的ではない。

反復学習も、そこに近いものを感じることがあります。

反復できていない焦りが生まれる

「反復は大切」と言われると、保護者の方はまじめに受け止めます。

そして、こう考えます。

「うちは復習が足りないのではないか」
「前の単元を忘れているのではないか」
「もっと反復させないといけないのではないか」

もちろん、そういう場合もあります。

ただ、中学受験では、毎週のように新しい内容が進みます。

塾の宿題もあります。

テスト直しもあります。

計算や漢字もあります。

その中で、過去単元を全部忘れないように反復するのは、簡単ではありません。

すると、できていないものばかりが気になってきます。

復習できていない。

反復できていない。

だから定着していない。

もっとやらなければいけない。

このような焦りが生まれます。

しかし、その焦りが強くなりすぎると、今やるべき学習にも集中しにくくなります。

子どもも、常に追われているような感覚になります。

それならば、いっそ考え方を変えてもよいのではないか。

私はそう思っています。

忘れないことより、戻れることを大切にする

勉強したことは、時間がたてば忘れます。

これは、ある程度仕方のないことです。

反復していても、3か月後、半年後にすべて鮮明に覚えているとは限りません。

反復していなければ、もちろん忘れることもあります。

では、忘れたら終わりなのか。

私は、そうは思いません。

一度しっかり学んだ内容は、もう一度戻したときに、初めて学ぶときよりも短い時間で吸収できます。

「ああ、そうだった」
「前にこういう表を書いた」
「まずここを見るんだった」
「この場合は、ここから動くんだった」

このように、戻り方が速くなります。

だから大切なのは、ずっと忘れないことではなく、忘れても戻れる学び方をしておくことではないでしょうか。

そのためには、1回目の学習が大切です。

1回目の学習を、軽く通過しない

私は、反復でいつか身につけるという考え方より、1回目の学習でできるだけ深く身につけることを重視したいと思っています。

もちろん、1回で完璧になるという意味ではありません。

ただ、少なくともその日の学習で、

何を見るのか。
何を書くのか。
何を求めるのか。
なぜそれを求めるのか。
書いたものを、次にどう使うのか。

ここをできるだけはっきりさせる。

そして、その場で何度か自分の手で解いてみる。

少し条件を変えた問題でも、同じ考え方が使えるか確認する。

ここまでやって、初めて「学習した」と言えるのではないかと思います。

逆に、その日に身についていないものを、翌日、2日後、4日後と反復しても、苦しさが増えるだけのことがあります。

その場合、必要なのは反復ではなく、最初の説明や書き方、問題の段階を見直すことかもしれません。

同じレベルを回すより、少し先で使う

反復学習にも、いろいろあります。

同じ問題、同じレベルの問題を、忘れないように何度も回す。

これは、安心感はあります。

一方で、算数では、少し先の問題の中で以前の考え方を使うことも大切です。

たとえば、表の書き方を学んだら、別の単元でも表を使ってみる。

比を学んだら、速さや図形の中で比を使う。

場合の数の基本を学んだら、少し条件が複雑な問題で使ってみる。

このように、発展した問題や別の単元の中で使い直す方が、受験算数には合っているように感じます。

忘れないように守る学習だけではなく、新しい場面で使って、思い出す学習です。

この方が、初見の問題にもつながりやすいと思います。

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