算数が苦手な子は、誰が教えたらいいか

今回のブログは、お役に立つブログにならないような気がします。

書き終わってみないと分かりません。

ときどき、算数の得意な人は「苦手な人がどこで躓くのか分からないから教えられない」「苦手な人の気持ちが分からないから教えられない」という文面を見ますので、それに対する見解を書いていきます。

 

子供のとき、算数が苦手で、苦手な人の気持ちが分かり、どこで躓くのかも認識し、苦労したけどそれを克服して得意にまでなった大人が教えるのがベストだと思っている人もいるかもしれません。

そういう人がいたら、その人が教えるのがベストかと思ってしまうかもしれませんが、他の業種に当てはめて考えてみます。

医者、弁護士、政治家、警察などで、それを当てはめたらどうでしょう。

大病を患った人が良い医者になるとか、犯罪者で少年院に入っていた人が良い警察官になるとか、そういう話になります。

貧困層で学校に行くのも大変だったけど、苦労して勉強して政治家になったという人は、政治家にピッタリかもしれませんが、案外、昔の気持ちはなくなり、成金者みたいになりそうです。

そういう経験を積んでも良いと思いますが、その経験が業務に必要かというと、そういうことはありません。

算数を教えるのも同じです。

いま教えるテクニック、粘り強さがあれば十分です。

 

算数を教えるときに、できない子の気持ちを完全に理解する必要はありません。

困っているんだろうなというように、相手の心情を察することができればそれで十分です。

サボっていると判断するか、頑張っているけど空回りしていると判断するかは難しいところで、そこは間違えない方が良いですが、元算数苦手な人が、判断力が優れているとはいえません。

 

余談ですが、可愛らしい子は、塾講師から一生懸命頑張っていると判断されがちですが、実はサボっているというケースが多いと思います。

私が集団塾で働いているときは、まず、可愛らしい子に手抜きの癖があるかないかを真っ先に見るようにしていました。

とても高い確率で「他の人よりも取り組み方が甘いから算数ができないんだよ!」と言っていました。

それを見抜けない塾講師は、純情というか、情けないといえばいいか分かりませんが、小学生に手玉にとられているわけです。

 

話を戻します。

算数が苦手な子を教えるのは難しくありません。

スモールステップで端折らないで丁寧に教えれば良いだけです。

筋道をきちんと立てることが重要です。

例えが悪いですが、手足が不自由な人や、けが人を誘導するような感覚になります。

ニュートン算くらいなら、どのレベルの5年生でも、解けるように仕立てることは可能です。

 

ところが問題なのは、少し前に、マスターしたといえるくらいできるようになった問題が、しばらくしたら、できなくなってしまったときです。

「あのときできたよね?」「どうしていまできないの?」「なんで?」というように教える方もパニックになります。

算数が得意だった教え手の感覚では、これはすでにクリアーしたという問題が、苦手な子は解けなくなってしまうのです。

想定外でゾンビのように復活するところが恐ろしく感じ、パニックになるというわけです。

倒したと思った敵がまた表れる恐怖は、映画やドラマやアニメの世界でもゾッとします。

要するに、教え手が、そういうことを想定内にしておけばいいだけのことです。

 

解けなくなってしまうようなレベルの高い問題はやらなければいいと考える塾や講師はいますが、私はそれは生徒の意識が足りないということにし、ハードルはあまり下げません。

マスターしたはずなのに、しばらくして忘れたというのは、表面上の理解しかしていなかったということで仕方のないことと捉えます。

次に説明するときは、もう少し深く理解できるように努めます。

それを数回繰り返すことになります。

しかし、何回も繰り返していたら、キリがありません。

身につける意識が足りないということで叱責する場合もあります。

できないからといって、諦めたり、すぐに怒ったりするのは、効果がありませんが、忘れるごとに説明していき、それを何回か繰り返したとき、伝家の宝刀で「もういい加減に身につけてくれ」と叱るのは、案外効果があります。

 

どうしてこうするのか、どういうときにこうするのかを省略しないで順を追って説明していけば、とりあえず教えた直後はできます。

教え手が算数が苦手だと、筋道をきちんと立てて説明していくことは難しいと思います。

冒頭で書きましたような「算数が得意な人は、苦手な子がどこで躓くか分からないから教えられない」ではなく、「算数が苦手な人は、苦手な子が納得できる筋道を立てられないから教えられない」というのが私の持論です。

算数が苦手な子を改善するために、家庭教師をつけたり、個別指導に行ったり、親が教えたりしますが、大切なことは、筋道を立てて丁寧に教えていき、その場では解けるように教えられるか、忘れても根気よく教え続けることができるか、教える回数が増えてきたら、厳しい言葉で意識改革につなげることができるかです。

親が教えられない場合は、大学生でそういうことができる講師を探すのがコスト的にはいいと思います。

 

案外、お役に立つブログになったような気がします。

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