場合の数は、コンビネーションを急がない方がいい

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場合の数の学習順序

場合の数の学習順序は、かなり難しいです。

単元名としては「場合の数」とひとまとめにされますが、実際には、いくつもの技が絡み合っています。

受験算数OSでは、場合の数を次の順序で学習していく構成を考えています。

①ならべる
②数える
③道順
④コンビネーション
⑤和分解

一見すると、普通の並びに見えるかもしれません。

しかし、この順序にはかなり大きな意味があります。

特に重要なのは、コンビネーションをどこに置くかです。

コンビネーションは、場合の数の核になる

場合の数では、コンビネーションが大きな核になります。

コンビネーションを使えるようになると、解ける問題の幅が一気に広がります。

「何個かを選ぶ」
「選んでから並べる」
「選んでから、さらに別のものを決める」
「同じものを含む並べ方を型として処理する」

こういった問題に対応できるようになります。

ただし、ここで気をつけたいことがあります。

コンビネーションは、とても便利な反面、かなり抽象度が高いのです。

「順番を考えない」
「同じものを何回も数えている」
「だから、その重なりを消す」
「選ぶだけなのか、選んでから何かするのか」

このあたりを理解していないと、コンビネーションは武器になりません。

むしろ、場合の数全体を崩す原因になります。

コンビネーションは、比と少し似た扱いが必要

コンビネーションと比が同じという意味ではありません。

ただ、扱い方には似た面があります。

比も、知っていると飛躍的に解ける問題が増えます。

しかし、早く入れすぎると、子どもは「①とは何か」「実際の数とどうつながるのか」が曖昧なまま、形だけを真似することになります。

コンビネーションも同じです。

早く教えれば、一部の典型題は解けるようになります。

たとえば、

「男子5人、女子6人から、男子2人、女子3人を選ぶ」

このような問題なら、「男子の選び方 × 女子の選び方」と手が動くかもしれません。

しかし、それは本当にコンビネーションを使えているとは限りません。

問題文がすでに「男子から2人」「女子から3人」と分け方を教えてくれているからです。

これだけできても、少し問題が変わると止まってしまいます。

「女子を少なくとも2人含む」
「この2人は仲が悪いから、一緒に選べない」
「途中で“選ぶ場面”が出てくる」

こうなったときに、自分でコンビネーションの出番に気づけるか。

そこが本当の勝負です。

コンビネーション前に何を学ぶかが大切

だからこそ、コンビネーションの前に何を学ぶかが重要になります。

受験算数OSでは、コンビネーションの前に、

①ならべる
②数える
③道順

を置きます。

ここでは、コンビネーションを使いません。

まず、順番があるものを順番に決める。
小さい場合を全部書いてみる。
もれなく、重ならないように数える。
道順では、図に数を書き入れて、前の結果を使って進める。

こういう土台を作ります。

ここで大切なのは、場合の数をいきなり公式の単元にしないことです。

場合の数の基本は、

「何を先に決めるか」
「順番は関係あるか」
「同じものを何度も数えていないか」
「分けるならたすのか」
「続けて決めるならかけるのか」

という判断です。

この判断が育っていない段階でコンビネーションを入れると、子どもは混乱します。

本来なら素直に並べればいい問題でも、

「これはCを使うのかな」
「割るのかな」
「選ぶ問題なのかな」

と迷ってしまう。

便利なはずのコンビネーションが、他の解き方の邪魔をしてしまうのです。

コンビネーションの到達目標

コンビネーションで目指すのは、単に計算できることではありません。

受験算数OSでは、次の段階で使えるようにしていきます。

まずは、選ぶ

順番を考えずに、いくつかを選ぶ。
これがコンビネーションの基本です。

次に、選んでから積の法則

男子を選ぶ。女子を選ぶ。
使うものを選ぶ。そのあと並べる。
条件に合うものを選ぶ。そのあと別のものを決める。

このように、コンビネーションを積の法則の一部として使えるようにします。

そして最後に、

たとえば、

AABC型は12通り。
AABB型は6通り。

このような、同じものを含む並べ方です。

この型は、あとで和分解などでもテクニックとして使います。

ただ暗記するのではなく、

「どの文字が重なるのか」
「どの場所を選ぶのか」
「選んだあと、どう並べるのか」

という見方で扱います。

ここまで来ると、コンビネーションはかなり使える状態になります。

「選ぶ」
「選んでから積の法則」
「型として使う」

この3つがしっくり来れば、場合の数の大きな山は越えたと言えます。

和分解まで終われば、ひとまず修了

その後に、⑤和分解へ進みます。

和分解は、見た目以上に難しいテーマです。

どういう順番で考えたら簡単か。
0を含めるのか。
同じ数を使ってよいのか。
型で処理できるのか。

こういった判断が必要になります。

地道に解くと、かなり難しくなる場合もありますし、テクニックで簡単に解ける場合もあります。

いつテクニックを使えるのか、判断する力が無いと、テクニックが逆効果となります。

そのため、和分解は、コンビネーションや型の理解がある程度できてから扱う方が自然です。

①ならべる
②数える
③道順
④コンビネーション
⑤和分解

ここまで終われば、場合の数の基礎体系はひとまず修了です。

ただし、ここで完全にマスターしたという意味ではありません。

ここからが本当の演習です。

「忘れないための反復」ではなく、「気づく率」を上げる

一般的な受験勉強では、

一度学習する
忘れないように反復する
間隔を空けて復習する
定着させる

という考え方がよく使われます。

もちろん、暗記分野では有効な面もあります。

しかし、受験算数、とくに場合の数では、それだけでは足りません。

コンビネーションで大切なのは、忘れないことではありません。

問題を解きながら、

「あれ? これはコンビネーションでは?」
「ここは選ぶ場面では?」
「順番は関係なさそうだな」
「まず選んで、そのあと並べればよさそうだな」

と気づけるようになることです。

最初は気づかなくてもいいのです。

解説を見て、

「ああ、ここでコンビネーションを使うのか」

と思う。

次の問題でもまた気づかない。
でも、解説を見て、

「ああ、やっぱりこういう場面で使うのか」

と思う。

それを繰り返しているうちに、だんだん気づく率が上がっていきます。

これが理想です。

「きちんと解けるようになったから、忘れないように反復する」

ではありません。

「最初は気づけないが、だんだんコンビネーションの気配に気づけるようになる」

これが、場合の数の本当の成長です。

場合の数のマスター法

受験算数OSにおける場合の数のマスター法は、次のようになります。

まず、コンビネーションを急がない。

その前に、

ならべる。
数える。
道順を図に書いて処理する。

ここで、場合の数の足腰を作ります。

そのうえで、コンビネーションを導入します。

コンビネーションでは、

選ぶ。
選んでから積の法則を使う。
AABC型、AABB型のような型で使う。

ここまで扱います。

その後、和分解まで進めば、場合の数の基礎体系は一通り完成です。

そこから先は、豊富な演習です。

ただし、単なる反復ではありません。

いろいろな問題の中で、

ならべるのか。
数えるのか。
道順なのか。
コンビネーションなのか。
和分解なのか。
場合分けするのか。
たすのか、かけるのか。

こういった技法を選び、使いこなす練習をしていきます。

そして、その中で新しい技も少しずつ増やしていきます。

これが、受験算数OSにおける場合の数のマスター法です。

場合の数は、公式を覚えて反復すれば完成する単元ではありません。

問題の中で、技の気配に気づく。
必要な技を選ぶ。
選んだ技をつなげる。

その感覚を少しずつ育てていく単元です。

コンビネーションは、その中心にあります。

だからこそ、急いで扱わない。

十分に準備してから出会わせる。

その方が、結果的に強くなります。

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