受験算数OSは、4年生で算数が苦しくなった子、5年生から中学受験算数を本格的に始めたい子、塾の算数を一度立て直したい子に向けて作っています。
そのため、もしかすると、
「基礎固めの教材ですか?」
「中堅校向けですか?」
「偏差値65以上の学校を目指す子には物足りないのでは?」
と思われるかもしれません。
しかし、私の考えは違います。
受験算数OSは、単なる救済教材ではありません。
むしろ、偏差値65以上の学校を目指す子にこそ、早い段階から身につけてほしい考え方を入れています。
なぜなら、偏差値65以上の学校で必要になるのは、解法パターンをたくさん覚えることだけではないからです。
初見の問題を見たときに、
「どこを着眼点にするのか」
「何を書くのか」
「書いたものから何を求められるのか」
「求めたものを使って、次に何を求められるのか」
この流れで動き出せることが必要です。
受験算数OSは、そのための教材です。
偏差値65以上を目指すなら、準備は3年生から始めてもよい
私は、全単元が網羅された受験算数のカリキュラムは、5年生からで十分だと考えています。
ただし、偏差値65以上の学校を目指す場合、3年生・4年生で何もしなくてよいという意味ではありません。
むしろ、3年生・4年生の時期には、全単元を広く進めるよりも、あとで大きな差になる分野を重点的に鍛えた方が良いと思っています。
3年生で特に重視したいのは、次の3つです。
書き出し。
特に、場合の数につながる書き出しです。
2桁どうしのかけ算の暗算。
50以下どうしのかけ算を、スムーズに処理できる力です。
3桁どうしのたし算・ひき算の暗算。
紙に書かなくても、必要な計算を正確に処理できる力です。
ここで言う暗算は、ただ頭の中だけで処理することではありません。
暗算した結果を、使いやすい場所に残すことまで含めます。
受験算数では、すべての式を丁寧に書けば良いわけではありません。
暗算で処理できるところは、暗算した方が流れがよくなることがあります。
ただし、暗算した結果を残さなければ、頭の中に抱え込むことになります。
だから、受験算数OSでは、暗算を禁止するのではなく、表や図の中に結果を残し、次に使えるようにすることを重視します。
4年生で重視したいのは、角度・面積・場合の数
4年生では、全単元を広く進めるよりも、角度・面積・場合の数を重点的に学習した方が良いと考えています。
この3つは、受験算数の土台として非常に重要です。
角度は、別解がたくさんある単元です。
どの方法で解くのが最も簡単か。
隣接する図形の角度を考えていくか、錯角や同位角で、飛び道具のように移すか。
二等辺三角形を常に意識できるか。
地道に行くか、工夫するか。
そういう「図形の見方」が鍛えられます。
面積も同じです。
ひくか、くぎるか、形を変えるか。
作問者の意図通り、簡単に変えられるか。
計算を工夫できるか。
図をただ眺めるのではなく、図の中にある関係を見つける力が育ちます。
そして、場合の数。
偏差値65以上を目指すなら、4年生のうちに場合の数をしっかり鍛える価値は非常に大きいです。
特に重視したいのは、並べる問題と積の法則です。
場合の数は、ただ公式を使えばよい単元ではありません。
- いきなり積の法則を使えるか、場合分けするか
- 普通に求めるか、余事象を求めるか
- 主語を代えられるか
- 上手く場合分けして整えて考えられるか
- 1つをしっかり求めて、それを何倍かする感覚で捉えられるか
これは、受験算数全体に通じる力です。
場合の数で鍛えた「整理する力」「書き出す力」「規則を見つける力」は、他の単元にもつながります。
全単元のカリキュラムは5年生からで十分
一方で、速さ、割合、過不足算、数の性質などを、4年生のうちから無理に広く扱う必要はないと考えています。
もちろん、大手塾のカリキュラムに乗って、4年生から全単元を進めていく方法もあります。
それで順調に伸びる子もいます。
しかし、そのカリキュラムだからこそ、順調に進んだかどうかはわかりません。
私の経験上、5年生から本格的な受験算数カリキュラムに入っても、まるでハンディキャップがなかった子はいます。
4年生のうちに無理に広く進めず、角度・面積・計算で土台を作り、そして、場合の数や論理系のパズルなどで、頭を使って鍛えた子の方が、5年生以降にスムーズに伸びることがあります。
大切なのは、早く全単元に触れることではありません。
必要な時期に、必要な単元を、理解しやすい順番で学ぶことです。
受験算数OSは、この考え方でカリキュラムを作っています。
5年生前半は、場合の数を夏までに仕上げる
偏差値65以上を目指すなら、5年生前半で大切にしたい単元の1つが、場合の数です。
受験算数OSでは、5年生の前半に場合の数をしっかり扱います。
目標は、夏までに、難度の高すぎる問題を除いて、場合の数をかなり扱える状態にすることです。
場合の数は、上位校で差がつきやすい単元です。
しかし、詰め込みすぎると混乱します。
- 並べる
- 書き出す
- 積の法則を使う
- 和分解で考える
- 場合分けする
- 条件を固定する
- 同じものを含む並べ方を考える
これらを一度に大量に入れると、子どもはパニックになりやすいです。
だからこそ、順番が大切です。
まず、並べる問題で整理の仕方を身につける。
次に、積の法則で数え方の見通しを作る。
そして、書き出しと計算を行き来できるようにする。
この段階を丁寧に踏むことで、場合の数は得意単元に変えられます。
夏以降は、平面図形と比で差をつける
5年生の夏以降、大きな山場になるのが、平面図形と比です。
ここは、偏差値65以上を目指すなら絶対に強くしたい単元です。
平面図形と比は、いろいろな種類の問題があり、つかみどころが無い単元という印象になりやすいですが、「底辺と高さを決めて公式通りに求めるか、底辺比と面積比は等しい関係を使うか」のどちらかとなります。
この2つを、マイルールを作り、使いこなすことができれば、得意単元にできます。
受験算数OSでは、平面図形と比について、その考え方ができるような方針で伝えていきます。
偏差値65以上の学校では、図形問題で「見えた子」と「見えなかった子」の差が大きく出ます。
ただし、その「見える」は、才能だけではありません。
見えるようになるための手順があります。
書き方があります。
考え方があります。
それを受験算数OSで身につけていきます。
冬以降は、速さと比を5パターンで整理する
冬以降に重要になるのが、速さと比です。
速さは、苦手にする子が多い単元です。
理由は、問題の状況が見えにくいからです。
- 旅人算
- 流水算
- 通過算
- 時計算
- ダイヤグラム
- 点の移動
それぞれの問題で状況が違います。
しかし、速さと比の問題には、整理できる型があります。
まず、速さの問題は条件が多くなりがちで、問題文が長いという特徴があります。
長い文章は読みながら、求められるものを求めていき、短い文章は読んでから考えます。
いずれも求めた数字などを記入できるものが必要で、それが図だったり表だったりします。
そして、受験算数OSでは、速さと比の解き方を5パターンに整理して伝えていきます。
速さは、感覚で解こうとすると崩れやすい単元です。
5つの解法に分類し、それにふさわしい書き方を身につければ、一気に安定する単元でもあります。
偏差値65以上を目指すなら、速さと比を避けて通ることはできません。
だからこそ、受験算数OSでは、速さと比を重要単元として丁寧に扱います。
6年生から塾に入る選択もある
偏差値65以上を目指す場合、6年生から塾に入る選択もあります。
- 5年生までは受験算数OSを中心に、家庭で土台を作る
- 6年生から塾に入り、上位生と切磋琢磨する
- 模試や志望校対策を活用する
この形も十分に考えられます。
もちろん、最初から大手塾で順調に進んでいる子は、そのまま進めば良いと思います。
しかし、4年生から大手塾に入らなければ、偏差値65以上は無理というわけではありません。
5年生までに、場合の数、平面図形と比、速さと比の土台をしっかり作る。
そのうえで、6年生から必要に応じて塾を使う。
この方が合っている子もいます。
塾を使うかどうかではなく、どの時期に、何のために使うかが大切です。
6年生夏前までは、立体図形・速さと比・場合の数を軸に難問まで
6年生の夏前までは、立体図形、速さと比、場合の数を軸に、難問まで学習していきます。
この3つは、上位校で大きく差がつきやすい単元です。
立体図形は、断面を考える力、1段ごとに考えていく力、体積や表面積を整理する力が必要です。
速さと比は、状況を整理し、一定のものを見つけ、比で関係をつなげる力が必要です。
場合の数は、条件を整理し、もれなく重なりなく数える力が必要です。
どれも、ただ公式を覚えるだけでは対応できません。
だからこそ、受験算数OSでは、流れ式で論理的に説明します。
- 問題を見たときに、最初に何をするのか
- 何を書けば、次に進めるのか
- どの情報が使えるのか
- 書いたものから何を求められるのか
この最初の一歩を明確にすることで、難問にも向かえる状態を作っていきます。
6年生夏からは、数の性質を本格化させる
数の性質は、早い時期に難しい問題まで進めると、解き方の暗記になりやすい単元です。
もちろん、約数、倍数、最大公約数、最小公倍数などの基本は早めに扱います。
しかし、偏差値65以上の学校で出るような数の性質の難問は、かなり思考力が必要です。
そこで受験算数OSでは、6年生夏以降に数の性質を本格化させる設計を考えています。
6年生夏以降は、受験生としての経験値も上がっています。
- 条件を整理する力もついています
- 書いたものを見て考える習慣もできています
- 場合分けや試行錯誤にも慣れてきています
その状態で数の性質に取り組む方が、単なる暗記になりにくく、深く学べます。
早くやれば良いのではありません。
その単元を理解しやすい時期に扱うことが大切です。
対話型の思考系問題も用意します
偏差値65以上を目指すなら、典型題だけでは足りません。
- 比をどのように使ったら、典型題の型を利用できるのか
- 何を書いたら、条件をすべて書き表せるか
- 仕組みを見抜く作業をした方が良いのか
こういう作席の立て方も必要になります。
そのため、受験算数OSでは、対話型の思考系問題も用意していきます。
一方的に解法を提示するのではなく、
「まず何が分かる?」
「この条件から何を求められる?」
「今求めたものを、次にどう使う?」
「別の場合はない?」
「このまま進めるか、方針を変えるか?」
という形で、考えを進めていく問題です。
このような問題は、最難関校の初見問題に向かうための練習になります。
ただ解法を覚えるのではなく、考えながら進む経験を積む。
それが、上位校対策では非常に大切です。
「解けないときは何をする?」に答える教材
偏差値65以上の学校を目指す子に必要なのは、難しい問題をたくさん解くことだけではありません。
むしろ大事なのは、解けないときに何をするかです。
問題を見て、すぐに解法が浮かばない。
そのときに、
- 何を読むのか
- どこを見るのか
- 何を書くのか
- 何を試すのか
- 何が分かっていて、何が分かっていないのか
- 今ある情報から、何を求められるのか
この最初の一歩を持っているかどうかで、大きな差が出ます。
受験算数OSの解説は、この最初の一歩を大切にしています。
解ける子が頭の中で自然にやっていることを、流れ式で論理的に説明する。
だから、算数が苦しくなった子の立て直しにも使えます。
そして同時に、偏差値65以上を目指す子が、初見問題に向かうための武器にもなります。
受験算数OSは、救済だけの教材ではありません
受験算数OSは、4年生で算数が苦しくなった子の立て直しにも使えます。
しかし、それだけの教材ではありません。
3年生から準備を始め、4年生で角度・面積・場合の数を鍛え、5年生から本格的な受験算数カリキュラムに入る。
- 5年生前半に場合の数を仕上げる
- 夏以降に平面図形と比を本格化させる
- 冬以降に速さと比を整理する
- 6年生夏前までに、立体図形・速さと比・場合の数を軸に難問まで進む
- 6年生夏以降に、数の性質や思考系問題を深める
この流れで進めれば、偏差値65以上の学校を目指す学習にもつながります。
大切なのは、早くから何でもやることではありません。
必要な時期に、必要な単元を、正しい順番で深く学ぶことです。
受験算数OSは、そのための教材です。
5年生から始めても、到達点は低くありません。
正しい学び方を身につければ、そこから上位校へ向かうこともできます。
受験算数OSは、算数を立て直す教材であり、同時に、偏差値65以上を目指すための土台を作る教材でもあります。
-
4年生の算数が順調ではなかった
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