5年生の夏までの学習で重要な単元とは

この記事は約 9 分で読めます

受験算数OSは、新5年生の2月開始のカリキュラムです。

中学受験の算数というと、4年生から塾に通い、4年生のうちから多くの単元を学習していくのが一般的です。もちろん、その流れにも意味はあります。

しかし、受験算数OSでは、新5年生の2月から本格的に始める形をとっています。

その理由は、5年生の7月に「比」を学習するからです。

受験算数において、比は非常に重要な単元です。

比を学習すると、算数の解き方は大きく変わります。

文章題でも、図形でも、速さでも、割合でも、比を使うことで一気に整理しやすくなります。

逆に言えば、比を学習する前にやっておきたいことがあります。

比を使う前に、どの単元をどの順番で扱うべきか。

何を身につけてから比に入るべきか。

どのような感覚を育てておけば、比の学習がスムーズになるか。

そう考えて、比の前にやっておきたい内容を並べていくと、5年生で換算して、およそ5か月分くらいになります。

だから、受験算数OSは新5年生の2月開始にしています。

新5年生の2月から始めて、比の前に学習したいことを5か月扱ってから、7月に比に入る。

これが、受験算数OSの大きな設計です。

では、その5か月で最も重要な単元は何でしょうか。

受験算数OSでは、重要順に並べると、

①場合の数
②規則性
③角度

だと考えています。

もちろん、この5か月で学習するのは、それだけではありません。

  • 三角形の面積
  • 四角形の面積
  • 円やおうぎ形の面積
  • 多角形
  • 約数と倍数
  • 計算
  • 和差算
  • つるかめ算
  • 平均算
  • 消去算

こういった単元も扱います。

どれも大切です。

中学受験算数の土台として、避けて通ることはできません。

しかし、比の前の5か月で、特に重視したい単元をあげるなら、やはり場合の数、規則性、角度です。

なぜなら、この3つの単元では、「解く作戦を立てる」感覚を身につけやすいからです。

算数は、ただ計算する教科ではありません。

問題を読んだときに、

「何から始めるか」
「何を書けばよいか」
「どの方針で進めるか」
「この解き方で大変にならないか」
「別の見方をした方が楽ではないか」

こういうことを考える必要があります。

つまり、算数では、解く前に作戦を立てることが大切です。

もちろん、すべての問題でじっくり作戦会議をするわけではありません。

基本の型が身についていれば、自然に手が動く問題もあります。

しかし、受験算数で伸びていくためには、ただ習った解き方を当てはめるだけでは足りません。

  • 解き方の方針がいくつかある
  • その中から、この問題のベストを探す
  • 場合によっては、途中で方針を少し変える
  • 負担が大きい解き方を避ける
  • より整理しやすい方法を選ぶ

この感覚が必要になります。

その感覚を養うのに向いているのが、場合の数、規則性、角度です。

場合の数では、書き出すのか、計算で求めるのか、場合分け(整理)をするのかを考えます。

すべてを書き出せばよいわけではありません。

最初から式だけで処理すればよいわけでもありません。

  • どう分ける(整理する)か
  • どこから計算するか
  • スタンダードに進むか、逆から進めてみるか

この判断が必要になります。

場合の数では、解き方の選択がそのまま負担の差になります。

うまく分ければ、すっきり解けます。

分け方が悪ければ、途中でごちゃごちゃになります。

書き出し方が悪ければ、もれや重なりが出ます。

だから、場合の数は、作戦を立てる練習として非常に優れています。

規則性も同じです。

規則性では、まず何を見るかが大切です。

  • 数の変化だけを考えれば良いか
  • 一般化するために立式するか
  • 図形の特性を活かすか
  • 表を書いた方が整理しやすいか

問題によって、見るべき場所が変わります。

ただ数を並べているだけでは、規則が見えないこともあります。

逆に、表にした瞬間に見えることもあります。

図を少し加工すると、急に分かりやすくなることもあります。

規則性では、「どこに注目するか」がとても重要です。

これも、解く作戦を立てる力につながります。

角度もまた、作戦を立てる単元です。

角度の問題では、すぐに計算に入れるとは限りません。

  • 補助線を引くか
  • 錯角や同位角を使うのか
  • どの三角形に注目するか
  • 三角形の外角の定理を使うのか
  • 二等辺三角形を探すのか
  • 図形の向きを変えるか

いくつかの方針が考えられます。

そして、その中から、問題に合った方針を選ぶ必要があります。

角度の問題は、解き方が見えると一気に進みます。

しかし、方針が見えないと、どこから手をつけてよいか分からなくなります。

だからこそ、角度も「解く作戦を立てる」練習に向いています。

このように、場合の数、規則性、角度は、単に知識を覚えるだけの単元ではありません。

問

算数の基本姿勢を育てやすい単元です。

受験算数OSでは、比の前に、この感覚をしっかり体験してほしいと考えています。

比に入る前に、「算数は、解く作戦を立てるものだ」という感覚を身につける。

これがとても重要です。

そして、その後に比を学習します。

比を学習すると、多くの問題が型に落としやすくなります。

たとえば、割合の問題でも、比を使えば整理しやすくなります。

速さの問題でも、比を使うことで関係が見えやすくなります。

図形でも、相似や面積比につながっていきます。

文章題でも、比を使うことで、複雑な条件をすっきり表せるようになります。

比は、受験算数の解法を一気に整理するための強力な道具です。

だからこそ、比を学ぶ前に、ただ解き方を覚えるだけの姿勢ではなく、

「この問題は、どう解くのがよいか」
「何を書けば、関係が見えるか」
「どの方針を選べば、負担が少ないか」

という感覚を持っておきたいのです。

比の前に、算数は作戦を立てるものだと体験する。

比に入ったら、解法を型に落として、一気に整理する。

この二軸で、受験算数の土台をしっかり作る。

これが、受験算数OSのカリキュラム設計です。

受験算数では、知識を増やすことも大切です。

問題を解く量も大切です。

計算力ももちろん必要です。

しかし、それだけでは不十分です。

  • 問題を見たときに、何から始めるか
  • どの方針で進めるか
  • どう書けば考えやすくなるか
  • どこで型を使うか
  • どこで工夫するか

このような「解くための頭の使い方」を身につけることが大切です。

新5年生の2月から7月までの5か月は、そのための大切な期間です。

場合の数で、分け方と数え方を学ぶ。

規則性で、注目する場所と整理の仕方を学ぶ。

角度で、方針を選ぶ感覚を学ぶ。

そのうえで、比に入って、受験算数の解法を大きく整理していく。

この流れを作ることで、ただ単元をこなすだけではなく、受験算数を解くための土台が育っていきます。

TOP