ひらめきより、粘り。小3模試の最後に出る思考力問題のねらい

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小学3年生の算数で、「少し考える問題」に向き合う意味

中学受験を意識した低学年の家庭学習では、「思考力をどう育てるか」が、よく話題になります。

世の中には、楽しさを前面に出した算数パズルや、4年生の内容を前倒しする先取りドリルがたくさんあります。そのどれもが工夫された教材で、お子様が算数を好きになるきっかけや、計算への習熟につながることは確かです。

ただ、それだけでは届きにくい力もあります。高学年になって難関校の問題に向き合ったとき、最後にものを言うのは、一瞬のひらめきよりも、地道な作業を集中して続けられる力だからです。誰もが面倒に感じる書き出しを、10分、15分と粘れるかどうか——その差が、高学年で効いてきます。

『小3模試の最後に出る思考力問題』は、その力を、小3のうちに少しずつ育てるための教材です。進学塾の3年生模試で、最後のほうに置かれるような問題——知識ではなく「考える力」を問う一問に、自分の手で向かっていきます。

この教材の考え方

この教材は、ひらめき頼みのパズル集ではありません。

求められるのは、パッとひらめくことではなく、書く・調べる・数える・試すこと。手を動かして調べていくなかで、少しずつ答えに近づいていきます。

だからこの教材には、当て勘でたまたま丸が付くような問題はほとんどありません。大切にしているのは、作業の意識で解いていく問題です。その答えにたどり着いたのかが、本人の手の跡として残る——その経験を積んでほしいと考えています。

特殊算をどんどん先取りする教材でもありません。難しい解法を覚える前に、まず手を動かして考える体力をつけておく。それが、この教材のねらいです。

「作業力」とは何か

ここで言う「作業力」は、ただ手を動かす量のことではありません。

  • 地道に書き出す力
  • 図形をていねいに調べる力
  • 条件に合うものを探し出す力
  • うまくいかなくても、試し方を変えて挑む試行錯誤の力
  • 途中で投げ出さずに、考え続ける力

これらは、解説を読んで身につくものではなく、自分で手を動かすなかでしか育たない力です。そして、受験算数では高学年になるほど、この地道に調べ切る力がものを言います。

小3の段階で必要なのは、その完成形ではありません。少し歯ごたえのある問題に、自分の手で向き合った経験です。この教材は、その経験を無理のない形で積むために作っています。

全12回のカリキュラム

第1回:導入
育てたい力:図形の書き出しから規則性の発見まで、手を動かして考える姿勢。やさしめの設定で、無理なく入れます。
家庭で見るポイント:難度の高い5番は、解けなければ飛ばして構いません。まずは手を動かせていれば十分です。

第2回:試行錯誤
育てたい力:大人には難しく見えても、子どもは意外に進める——その面白さの中で養う、数の感覚と図形の見方。
家庭で見るポイント:考えるとっかかりになる「コツ」は、解き終わるまで言わずに待ってあげてください。

第3回:達成感
育てたい力:重い問題はあえて外し、「できた」という成功体験の中で育てる、頭の中で操作する力。
家庭で見るポイント:紙を実際に折るのではなく、頭の中だけで考えること自体が、いちばんの練習になります。

第4回:場合の数の感覚
育てたい力:向きをそろえて見比べるなど、場合の数につながる見方を、試行錯誤しながらつかむ力。
家庭で見るポイント:1番は割り箸などを使って、実際に試させてあげると考えやすくなります。

第5回:推理
育てたい力:複数の条件を整理し、規則を見つける推理の力。場合の数を「全部書き出す」意識も育てます。
家庭で見るポイント:「どこから考えるか」を教えるのはまだ早い段階です。まずは試行錯誤を楽しませてください。

第6回:ルールを見抜く
育てたい力:独自の記号やルールの意味を、与えられた条件から自力で読み解く力。
家庭で見るポイント:4番は「かけ算かな?」と早合点しやすい問題です。ヒントなしで粘れたら、十分に力があります。

第7回:後半戦・粘り
育てたい力:ここから後半。投げ出さずに粘る力と、「決めやすいところから探す」という機転。
家庭で見るポイント:長方形を区切る問題で、角など手がかりになる場所から探せているかを見てあげてください。

第8回:考え抜く
育てたい力:骨のある問題に、最後まで自力で向き合い切る力。
家庭で見るポイント:5番はこの教材の中でも歯ごたえのある一問です。解説はぐっと堪えて、自力で解けるのを待ってあげてください。

第9回:重厚
育てたい力:3年生前半より明らかに手応えが増す題材を通して、知的好奇心と書き出す力を伸ばす。
家庭で見るポイント:天秤や書き出しの問題に、算数の面白さを感じられる回です。時間に追われず取り組ませてください。

第10回:地道
育てたい力:スマートな解法に頼らず、一つずつ見つけていく地道さ。
家庭で見るポイント:効率を求める大人の視点ではなく、「一つ見つかった」という素直な喜びを大切にしてあげてください。

第11回:充実
育てたい力:たくさんの条件を、根気よく自力で見つけ出す粘り。解けたときの充実感が大きい回です。
家庭で見るポイント:4番は条件が多く、根気が要ります。一つずつ見つけていく過程を見守ってあげてください。

第12回:完結
育てたい力:入試レベルを含む問題で、これまで培った力を総動員する経験。締めくくりの回です。
家庭で見るポイント:難しい4番・5番は、解き切れなくても構いません。最後まで向き合えたことを認めてあげてください。

6. 家庭での使い方

保護者の方が、難しい解き方を教える必要はありません。お願いしたいのは、次のことです。

  • 問題の意味が分からず止まっているとき、言葉をかみ砕く
  • 時間を見て区切る
  • 必要なら、小さなヒントを一つだけ出す
  • 丸付けをする

進め方の目安

  • 5問を一度にやり切る必要はありません。1回に1〜2問で構いません
  • 1問あたり、目安は3〜6分程度
  • 手がまったく動かないまま2分ほど経ったら、意味をかみ砕くか、小さなヒントを出してあげてください
  • できない問題は飛ばして構いません
  • 解き方を覚えるべき問題ではないので、飛ばした問題や教えた問題は、そのまま何もしなくても良いです
  • 長時間むやみに粘らせないでください

考える体力をつける教材ですが、根性論ではありません。集中して頭と手を使えた時間が作れていれば、その回の役割は果たされています。

まとめ

この教材がお渡しするのは、派手なひらめきの公式ではありません。
小3のこの時期に、少し歯ごたえのある問題へ、自分の手で向き合った経験です。書いて、試して、条件を整理して、自力でたどり着く——その手応えが、高学年の受験算数を支える土台になります。

なお、この教材は受験算数OS本編の代わりではなく、小3段階の発展教材です。三部作の中心である『書き出し算数』にも思考力問題は毎回入っており、本教材はそれと同系統で、もう少しだけレベルを上げたもの。書き出し算数で手応えを感じたお子様の、次の一歩にも向いています。

まずは第1回を、問題・解答そろえて1回分まるごと無料サンプルとして公開しています。印刷して、お子様に鉛筆を持たせてみてください。

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