途中式のかわりに書くもの

私は途中式を書かない派ですが、そうなったのは2014年からです。

スカイプ指導を始めてからです。

生徒さんの解いている姿を塾講師のとき以上にじっくり見ることになりました。

そして、式を書くメリットを考えても、何もなかったからです。

もちろん、途中式を書かないとは言っても、すべて暗算ではなく、「表を書いて数字を書き入れる」「図を描いて数字を書き入れる」ことは重視します。

問題によって、表か図となりますが、表にもいろいろ種類があり、図にもいろいろ種類があり、それを使い分けていくことができれば、算数が得意になると考えています。

表や図に数字を書き入れる際は、できるだけ暗算で、暗算ができなければ筆算です。

通常の式はほぼ不要です。

中学入試で途中式を求められる場合は、表の近くにでも書いておきますが、それは入試の戦略で、学力向上には関係がありません。

途中式を書かないとはどういうことかを書いてみます。

例えば、半径3㎝、高さ5㎝の円柱の表面積を求めます。

途中式派
3×3×3.14×2+3×2×3.14×5
=(18+30)×3.14
=48×3.14
=150.72㎠

私の推奨しているのは、途中式を書かないで表を書く方法です。

下のようなものです。

項目結果
底面2個18円3 3 2
側面30円6 5
合計48円 

立派な表にしましたが、1段目はいりませんし、罫線もいりませんし、底面2個は「て2」、側面は「そ」で十分で、合計は不要です。

式は、底面積は「半径・半径・2個分」を並べたもので、側面積は「直径・高さ」を並べたもので、間違えない自信があったら省いても良いです。

「円」は3.14を先に計算しないように数学のπのかわりに円周率を表す記号です。

これならミスにも気がつきやすいし、暗算を多用して早く解けます。

すっきりすることで、ストレスを感じず混乱せずに考えやすくなります。

そして最大の利点は、解く前に、自分はこれから何を求めるのかを左の項目に書くと、求め忘れることがなくなります

人間は不思議なもので、大変な計算をやると、その達成感からか、そのあと求めるものを忘れがちになります。

あらかじめ項目名を書いておけば忘れにくいです。

今回書きました表を書く解き方は私の好むスタイルなのですが、表ではなくてもいいです。

しかし、あきらかに、一般的な途中式と比べてデメリットはなくメリットが大きいです。

この表に劣らない書き方ならば良いですが、なかなかそれを小学生が考えて実行するのは難しいです。

結局は、良い書き方を真似することが楽で安全です。

良い書き方をすると、解く負担が減るので、その分、問題をじっくり考えることができます。

自分の持っているエネルギーを、途中式に使わずに、問題を考えることに使うというイメージです。

算数は暗記の算数になってはいけませんが、解き方を覚えて、それを使って解くという側面ももちろんあります。

いままで経験したことがあって解き方が分かる問題は、その解法で答えを求めて良いですが、そうでない場合は、まず表で整理すると考えやすいです。

速さは図でイメージすることがありますが、それ以外の文章題は表が良いと思います。

つまり、表を書くスキルを上げていくと、パッと見て解き方の分からない文章題に強くなります。

規則性や数の性質などにも有効だと思います。

表の書き方を真似して、表を書く姿勢をつくることが、とても重要だと思っています。

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