難関中を目指す学習とは(4年生編)

学習スタイルは3つ

難関中学を目指す学習スタイルは3つあると考えています。

すべて取り入れるのはオ-バーワークになってしまいますので、このうち1つを選んで実行する方針が良いと思います。

  1. 難しい問題を解く
  2. 数系に力を入れる
  3. 先取り学習

どれを選んでも効果はありますが、子供によって向き不向きがあります。

当然のことですが、向いているものをしっかり取り組むと、効果が大きくなります。

 

難しい問題を解く

難しい問題が解ければ学力はつきますが、解けない問題に当たることも出てきます。

そのときの対処法次第で、学習効果が異なります。

  • 少しずつ小出しにヒントを伝える
  • 解説を見て、何かを吸収する

この2点のいずれか、あるいは両方できれば良いのですが、両方とも簡単ではありません。

学力向上に繋がるヒントを小出しで伝える人とは、保護者か家庭教師になります。

子供が納得できるように教え込むよりも、学力向上に繋がるヒントを伝えることは難しいです。

容易に想像がつくと思います。

解説を見て何かを吸収するというのは、良い解説にこしたことはありませんが、お子様の資質によるところが大きいです。

その問題の解説を見て、その問題の解き方を理解するに留まらず、もう少し幅の広い見方ができるかです。

木だけではなく、森も見られるかです。

それが可能な子であれば、難しい問題を提供するだけなら簡単なので、サポートすることは容易です。

もちろんそれが可能な子というのは、極一部の優秀児です。

一言つけ加えますと、解説を見ると、覚える算数になるケースが多いので、リスクはあります。

 

数系に力を入れる

「難関中を目指すならばサピックス」という広告をよく見ましたが、それは正しくはありませんが、「難関中を目指すならば場合の数」は正しいと思います。

場合の数ならば、正しく学習すれば覚える算数になりません。

正しい学習とは、書き出しから始めて、できるだけ作業を重視して、自然と計算で解けることを身につけていく学習です。

段階を踏んで行けばかなりの難問まで挑戦しても問題ありません。

ポイントは「道順」「選ぶ問題(コンビネーション)」「色を塗る問題」は覚える算数になりやすく、せっかく基礎の土台を固めたところを、黒船のようにズカズカと侵攻する恐れがありますので、これらの問題は時期尚早として避けた方が良いと思います。

積の法則は覚える算数になりやすいですが、これは間違えるごとに、書き出して「だから、かけ算だね!」と確認していくと、計算の意味がつかめ、学習の質が上がります。

たし算で解けなかったときに、「これは積の法則でかけ算!」ではダメです。

4年生にふさわしい場合の数をしっかり学習し、また、角度や面積などの平面図形、また、もう1歩進んで立体図形などを難問の領域まで学習していくスタイルが、学習の質の低下というデメリットが無く、負担も軽くでき、スケールの大きい子に育てていく方法だと思います。

通塾していても通塾していなくても、場合の数に取り組むのは、1週間で60分程度で十分です。

塾の勉強が大変で時間が作れないというのなら、勉強の仕方が間違っていると思います。

当教材の小4長期「場合の数」は全20回です。

重要な問題はくり返し出てきますので、反復不要とすれば、毎週60分で1回が終わり、20週間で終了します。

反復をしても1年はかかりません。

「それさえやれば覚える算数にならない」とまではいえませんが、覚える算数になるリスクはかなり軽減され、学習効果のみを期待できます。

 

先取り学習について

通塾していても、通塾していなくても先取り学習は可能です。

先取り学習をするというのは、学力の高い子限定の話になりますので、通塾していても、4年生の間は簡単で、かなりの余裕があると思います。

ぐいぐい先取り学習を進めていけば、学習効果は大きいですが、3年生のページでも書きましたが、浅く早くでは、ほとんど効果がありません。

1つ上の学年の上位生がやる内容に準じたもの取り組む必要があります。

それは大変というのならば、先取り学習の作戦は採らない方が良いと思います。

先取り学習は、3年生から計画的にスタートしないと厳しいですが、半年先や3か月先のプチ先取り学習ならば、4年生からでも実行可能です。

教材は、プチ先取り学習なら当教材の小4対話式算数を少し早めに取り組み、本格的な先取り学習なら小5対話式算数をガッツリ取り組むことをお勧めします。

小学3年生が4年生の学習内容の先取り学習をするのとは異なり、小学4年生が、5年生の学習内容の先取り学習をするときは、小5対話式算数に限る話ではありませんが、割合と比が登場します。

割合と比は抽象的な分野ですので、ここで躓く可能性も高いです。

その場合は、先取り学習は終わりにして、「4年生の考える応用問題」「4・5年生の場合の数」「4・5年生の平面図形(比が出てこない面積)」「5年生の考える応用問題」「和と差の問題」からいくつかを選んで、それをしっかり学習する計画に変更した方が良いと思います。

3か月スパンで考え、例えば4年生の4月に小5対話式算数で苦戦したら、そこで一旦停止して、上記のような学習に切り替え、次に7月に小5対話式算数を再開してみるといったようにすると、リスク無く、良い体制で進められます。

4年生の間に先取り学習をできなくても、早熟ではなかったというだけで、難関中合格に黄色信号というわけではありません。

 

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