難関中を目指す学習とは(5年生編)

4年生のページとはかなり内容が異なります。

5年生の中盤くらいから難しい問題に徐々に対応できるので、難しい問題に取り組む機会が増えますが、そのときに、覚える算数から理解する算数に切り替わっていないと、難関校合格ラインは厳しくなります。

まず、覚える算数にならない学習について書いていきます。

覚える算数にならない学習というのは次のような勉強です

  • 書き出していく(作業する)
  • どうしてこの計算で求められるか理解する
  • この計算で何を求めたか把握する
  • どのように考え進めていくか作戦を立てる

難度を上げすぎると、計算の答えが何を意味するのか分からなくなりがちです。

難しい問題は解説を見る頻度が高くなりますので、覚える算数に繋がりやすく、リスクがあることを認識すると良いと思います。

 

各単元について書いてみます。

数の性質 高度なので覚える算数になりやすく、しっかり学習するのは6年生からで良い
規則性 テーマによっては覚える算数になりやすいが、多くのテーマは5年生で取り組んでも良い
場合の数 学習の仕方によっては覚える算数になるので、気をつけながら5年生の間に仕上げるつもりでがんばる
角度 作戦を立てる要素が強く、しっかり学習しても良いが、志望校で出題されるか調べることが先
面積 計算練習・整えて書く練習になる
平面図形と比 典型題と発想力の問題に分けられ、典型題を解く解法の型を作ることが大切
図形の移動 作業する要素が強いので、覚える算数になっても、他の単元にくらべ問題はない
立体図形 図形の移動と同様に、作業する要素が強いので、覚える算数になっても、他の単元にくらべ問題はない
和と差の問題 長い目で見ると、しっかり取り組んでも、メリットもデメリットもあまりない(難関校を目指す子の場合)
割合と比に関する問題 受験算数の文章題の基礎にあたるので、1問1問解けるように身につけるのではなく、解法の型をつくることが大切
速さと比に関する問題 図を描く問題は解ける図を描くことと、問題ごとに、その問題にふさわしい解き方を選択できるかがポイント
点の移動 速さと比と平面図形と比の融合問題なので、上記を参照

 

難しい問題に取り組めば、難問に強い子に成長するわけではありません。

学習の質が高くなりやすいものを重点的に取り組んだ方が、負担も軽くでき、学習効果が大きいです。

もう少し具体的に書きますと、例えば、食塩水や売買損益算や仕事算の難問は、他の単元との融合問題になるか条件が増えることになります。

融合問題を5年生の間にやっても得るものが少ないと思います。

割合と比の難問は、特にしっかり頑張る時期がなくても、いつの間にか、できるようになります(嘘のような話ですが、割合と比に限っては本当です)。

流水算や通過算や時計算の難問は、速さと比のスキルをもっと上げてから取り組んだ方が効果的です。

数の性質の難問は、構造や仕組みを理解できていない時期に解いても、覚える算数になってしまいます。

 

このように、難問は取り組むべき時期がありますので、それよりも前倒しになると、労力は大きいけど、リターンはないとなります。

5年生からお勧めしている学習順は、場合の数(4・5年)→平面図形と比(5年生8~12月)→速さ(5年生12~3月)、ここから6年生に入り、立体図形(6年生4~7月)→数の性質(6年生8月~)という流れをスタンダードとして、あとは、個々の特性に合わせて、アレンジしていくと、最高のパフォーマンスが発揮されると思います。

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