夏はみんな頑張っているから、成績が変わらなくても頑張っている?

6年生は夏期講習の拘束時間が恐ろしく長いです。

1/3くらい削っても効果は変わらないのでは?と思わないでもないですが、とにかく夏期講習に行って長い時間、塾にいることを前提としてみます。

 

夏休みの40日間で成績が変わる子もいます。

上がる子はいますし、下がる子もいます。

順位が変わらない子の方が多いです。

 

この40日間で、順位が大幅に入れ替わることはありません。

こういう現象を見ると、「みんな頑張っているから、成績が上がらなくても、みんなといっしょに学力がついている」という講師が出てきます。

初めて、それを言う講師を見たときは、不真面目な講師だなと思いましたが、いまは、そう言う塾講師が増えてきたような気がします。

時代なのでしょうか。

 

私は、その言葉が嫌いです。

6年生の夏休みといえば、多くの子が競争の場にいます。

競争において、みんなといっしょに学力がついているというのは、悲しい言葉ではないでしょうか?

頑張るのが偉いとか立派という問題ではなくて、そういう選択をしたわけなので、成績が上がる行動をとらないのは、少なくとも勝ちとは言えません。

みんなといっしょに学力がついたという言葉は競争の世界においては何の意味も無い言葉です。

例えば、マラソンのレースで、集団の後方で遅れないように頑張って走っても勝てません。

 

そもそも、みんな最大限の頑張りをしているのでしょうか?

塾に通って、時間に余裕がない生活はしますが、最大限、学力が上がる行動を取っているとは思えません。

みんなよりも頑張ろうと言うつもりはありません。

工夫して、みんながやっていない盲点を突くような作戦を立てて実行できれば、順位は上がります。

 

やや話が変わりますが、成績が上がる子も下がる子もいると書きましたので、それについて触れていきます。

上がる子というのは、いままでと学習ペースが変わることで、本来の能力を発揮できている子です。

言いかえると、いままでは学習が合っていなかったと言えます。

みんなよりも頑張ったからではなく、本領発揮といったところです。

 

逆に下がる子というのは、いままでの学習では通用しなくなった子です。

頑張りが足りない子ではありません。

覚える算数で頑張ってきた子が、このあたりで厳しくなってきます。

下がり始めの兆候がありましたら、頑張りが足りないとか、何故だろうと考える前に、基礎に戻って覚える算数からの脱却を目指した方が良いです。

覚える算数からの脱却は、このブログでも数回書いていますが、次元を下げて、そのかわり条件の多い長文を解くことが1番だと思っています。

具体的には、比や割合を使わない、長文の難問です。

整理して書いて、自分の書いたものを見て考えていくというスタイルをつくります。

比や割合が入ってくると、当てはめたり、数の性質を使ったり、強引に分配の法則を使ったりと技が増えるので、答えまで辿り着くのが大変です。

比や割合無しの問題で訓練した方が良いと思います。

 

成績が上がる子もみんなより頑張ったわけではないし、成績が下がる子もみんなよりも頑張りが足りなかったわけではなく、学習の質が反映されただけです。

頑張って目標を目指そうではなく、学習の質を変えて、目指す体制を整えると良いと思います。

 

いままで封印されていたものが、開放されて成績が上がり始めた子は、その勢いで行くと良いと思います。

下がり始めた子は、塾の復習どころではないと、個人的には思います。

そういう場合に、適切な作戦を立てて勉強していくことができたら、学力が上がり、成績も維持できるか、上がると思います。

成績が上がりも下がりもしない大多数の子は、みんなと同じことをしていたら、みんなと同じように変わりません。

それほど能力に違いはありませんので、同じように授業を受けて、同じように解き直していたら、同じような結果になります。

 

これで、みんなも頑張っているから上がりませんでしたで片付けたら、競争にはなかなか勝てません。

どこかで、みんなと違うことをしないと競争に勝つことは難しいです。

夏に限らず、成績を上げていくことは難しいですが、みんなと違うタイムリーなことができるかがポイントだと思います。

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