書籍化目指して比と割合の教材を執筆しました

夏休みのスカイプ指導では、5年生は比と割合を中心に学習した子が多かったですが、こんなにできるようになるのかと思うことが多かったです。

書き方を確立して、それを少し加工していろいろな問題を解いていくというスタイルですが、それが確実に効果が上がっているようです。

比と割合の問題を解くのに線分図は不要です。

子供が納得できないときに、指導者が描いてあげて、だからこれをたすことになるよね?というくらいの補助的なツールとして考えた方が良いです。

「これは線分図」「これは比例式」「これは連比」「これは立式して並べる」「これは面積図」と問題ごとに解き方を身につけようとするから、比と割合の分野は壮大で、なかなかマスターできないという印象になります。

比と割合の書き方を確立して、それを少し加工していくというスタイルは、比と割合をマスターするのに必要という認識でしたが、実は、それだけではなく、他の単元にも活用ができます。

売買損益算や仕事算や過不足算などの文章題は当然ですが、それ以外にも、速さ、さらには規則性、平面図形の面積、立体図形などにも活用できます。

つまり、比と割合の書き方が良くなったと思う子は、上記の単元も見違えるように吸収力が高くなります。

こんなに効果のある解法ならば、書籍化して一般販売したらどうだろう?と思うようになりました。

そして原稿を作成しました。

全80問で、解法パターンは2つで、80問でいろいろな活用をしています。

この活用例だけで100%完璧ということではありませんが、活用の仕方が身につくと、あとは比と割合の他の問題、あるいは他の分野にもそういう姿勢で取り組み、大きく学力向上します。

以下は、本を出版するなら、前書きは必要だと思い、即席で書いたものです。

ここから修正するかもしれませんが、こんなような教材です。

中学受験勉強をしている小学5年生向けの「比と割合」の教材です。

難しい問題まで解けるような解き方を構築することを目的とした教材です。

一般的な中学受験塾では、比と割合は「線分図」で教わることが多いと思いますが、「線分図」は状況がつかみやすく、見て納得するためのツールです。解くためには必要ありませんし、それを書いたら解きやすくなるわけではありません。「見るもの」と「書くもの」を分けた方が良いです。

例えば、プロの料理人ならば、様々な調味料を駆使して、また下ごしらえは様々な具材を入れて、料理を完成させて客に提供しますが、一般人はそれと同じことをしなくても簡単に手っ取り早く食べることができます。自分の食事が目的ならば、簡単に調理する方法があるわけです。算数も同じことで、自分自身が比と割合の問題の答えを出すことが目的ならば、線分図をかかないで、簡単に書けて簡単に考えられて簡単に解ける方法があります。

ここでさらっと本書の中身を見てください。線分図が多い教材と見くらべますと、わかりやすさで劣っているかもしれません。前述の通り、線分図は見て納得するためのツールですので説得力があります。本書はわかりやすさや説得力ではなく、書きやすく、書いた後に考えやすい解法を目指しています。数問、真似をして書いて解いてくださいますと、本書の特色が見えてきます。

本書は主に2パターンの解き方を載せていますが、この2パターンが「比と割合」の問題の解法の基盤になり、それを少し加工していくとどんな問題でも解けます。少しの加工というのが肝になりますが、本書の80問の問題で、「こういう加工をすればいいんだ」と加工の仕方が十分に身につきます。その後は、自分でも積極的に加工して、楽しく算数の問題を解くことができます。加工することは能動的で楽しいことだと思います。

常々、暗記の算数(解き方を覚えて解くスタイル)はよくないと思っていますが、解法の基盤となるものを身につけて、それを少し加工して解いていくというのは、暗記の算数ではありません。暗記の算数を否定しますと、全く知らない問題を解けるわけがないと思われる方もいますが、解法の基盤をベースにして、工夫して加工して解くスタイルを目指すことを標榜しています。長い目で見ると、将来、社会人になってから、基本を押さえて、それを少し応用(加工)してアイデアを出していくことはとても優れたスキルになると思います。本書で身につけた学習が、一生通用するというわけです。逆に言いますと、暗記の算数で問題ごとに解き方を覚える勉強をしていくと、将来が心配でなりません。

本書は中学受験算数の1つの分野である「比と割合」の教材ですが、こういう書き方をすればできると自信がつきますと、他の単元にも流用することができたり、もっと大きな視点に立って、算数の問題を解くためには書き方が大切という最も重要な姿勢が身につきますので、相乗効果で他の分野にも良い影響を与えます。その意味では冒頭に小学5年生用と書きましたが、小学6年生で、解き方が定まっていなくて算数で苦戦中という子にもぜひ活用して欲しいです。本書を活用してくださった方が、算数の解法の質が上がり、時間帯効果の高い学習になることを確信しています。

 

前書きで書きましたが、決して見栄えのするわかりやすそうな教材ではありません。

以前は、私も教材には、わかりやすさを重視しましたが、最近は、わかりやすさではなく、真似をしやすいかどうかを重視しています。

「書いてから考えやすいものを、実際に自分の手で書けるか」を解法の基準としています。

それを伝えられるものが最良の教材だと考えています。

この一冊でお子様の人生が変わるくらいの気持ちで執筆しました。

ご期待ください。

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