- 2017年9月17日
学力は高いけど、成績がもう1歩
算数に限る話ではありませんが、学力を高めることと成績を上げることは異なります。
前者をしっかり取り組んでいて、徐々に成績が上がることもありますし、後者をしっかり取り組んでいて、徐々に学力が高まることもありますので、全く違うものではありませんが、どちらか一方だけという子も少なくはないと思います。
学力は高いけど、成績はもう1歩という場合はイメージしやすいと思います。
- 問題演習が足りない
- 良い解法を知らない
- 手を抜いて解く
主にこのような理由で、得点力が低い状況です。
いわゆる、やればできるという子です。
その「やる」のも能力のうちですので、やればできるというのを深読みすれば、やる能力が無いといわれているようなものです。
2番目の「良い解法を知らない」は、ちょっと学習スタイルを工夫することで劇的に変わると思います。
成績は高いけど、学力がもう1歩
成績は高いけど、学力はもう1歩という場合は理解が伴っていない状況です。
覚える算数になっていて、条件が増えてきたりすると、対応できなくなるケースです。
今回のブログは、この「成績は高いけど、学力はもう1歩」という場合、どうしたら学力が高まるかを考えていきたいと思います。
しっかり丁寧に深く理解すれば良いだけのことですが、こんな抽象的な言葉は、いままで耳にタコができるくらい聞いていると思いますし、抽象的なアドバイスでは解決に繋がりません。
具体的にどういう行動をするかのヒントがないと学力向上のきっかけにはなりません。
スカイプ指導で虚しいとき
スカイプ指導で虚しくなるときが多いです。
どの子も、できなかった問題はしっかり説明を聞きます。
ほとんどの子は、こちらで書いた書き方を真似してくれます。
どこが虚しいかというと、ちょっとしたイージーミスをした場合です。
「どこが間違えているか分かる?」と聞く場合と、こちらで指摘する場合があります。
イージーミスならば、すぐに間違えに気がつき、すぐに答えを求めていきます。
そのときの心構えが虚しくなります。
多くの子は、ミスした箇所を消す、隠すなどして、早くその問題を終えたいという意識が強いようです。
こちらから「どうしてミスをしたか」「どう心がけたらミスをしなくなるか」など伝えようとしても、一切、聴く体勢に入らず、答えを出す一心で、答えを出したら、すぐにその該当箇所のノートを閉じてしまいます。
ミスは汚いものと思っているのか、完全に消去して、スッキリしているようです。
お分かりだと思いますが、自分のどこが間違えているか、どうしてミスが起きたか、何を糸口にどういうアプローチをすれば良かったか、どういう配慮が足りなかったか、そういうことを考えて、だんだん初見の問題に対するアプローチが正確になります。
こちらではそれを伝える準備はできているのですが、吸収するのを放棄している子を見ると、何も変わらないなと思ってしまいます。
精神的なことが絡んでいるので、無理矢理、説明しても、ほとんど吸収しません。
ときどき、このような間違えた後の大切さの話をして、長い目で見て少しずつ改善を目指しているのが現状です。
学力が高い子の場合
それに対して、学力が高い子は、なぜ、正解にできなかったに拘ります。
以前、塾講師時代、マンスリーテストで135点以上(9割以上)取りたいという子に「やりやすい問題から解いたら?」と抽象的にアドバイスしたら、テストごとに「今回のテストは、先生だったらどういう順番で解きますか?」としばらく毎回のように聞かれました。
いまなら、1番からどんどん解いていく力をつけようというアドバイスになるかもしれませんが、自分の考えと他人の考えの相違を知り、良い方向を目指していこうという姿勢に、さすがだと思いました。
上記のように、「どうしてミスをしたか」「どう心がけたらミスをしなくなるか」などの話をしようものなら、必ず、双方向の会話になるというか、自分の意見を言ってくれます。
双方向の会話ができるかできていないかが勝負の分かれ目といって良いと思います。
テスト直しについて
どこが間違えているか、何がベストか、そういうことに拘りますと、間違えた後というのは、絶好の機会です。
その美味しいチャンスをみすみす逃していくか、学力の成長に生かせるかです。
「テスト後に、間違えた問題は解き直して正解になりました!」
これでは、恐らく、足りません。
1回のテストを徹底的に研究して、1回1時間で、2回に分けるくらいがちょうど良いのではないでしょうか?
自分自身で解決できない場合は、保護者、塾の担当講師、あるいは家庭教師などを利用すると、効果が増します。
ここ数年、学力が高まったと思う生徒さんの7割以上は、このような姿勢でテスト後に取り組んでいます。
逆に、こういう姿勢の生徒さんで、学力が高まっていないと思う子は思い当たりません。
大切なことは、解き方を覚えること以上に、正しく問題を捉えて、自分の身に付いている型に持って行けるかです。
上手く捉えて型に落とし込んでいくことが、正しいテストの間違い直しでできると思います。