点数で煽るのは害が大きい

いよいよ梅雨に入る時期になりました。

最近の梅雨は昔と違い、梅雨入り2日目で早くも梅雨の中休みということになったり、梅雨明けしたかどうかも分からなかったり、季節感がなくなりました。

 

新学年がスタートして、2・3月はペースに戸惑い、4・5月あたりでようやくどうやって勉強をしていけばいいかつかめ、6月は力をつけるのに最適の時期です。

「梅雨前線と秋雨前線のころに力をつける」というようなフレーズは聞いたことがありませんが、そう思ってくださっても問題はありません。

 

力をつけているかどうかは点数がバロメーターとなります。

受験勉強をすると、点数から逃れるわけにはいきません。

ゆとり教育と揶揄される象徴の運動会で1位を決めないなんていう甘い世界ではありません。

 

私は家庭学習は成果主義が良いと思っていますので、点数は最大に重視します。

「頑張ったけどダメだった」というのは、頑張っていないか、頑張り方が間違っているからダメと考えています。

成果主義を前面に打ち出していなかったとしても、「○点以上を目指せ!」というように点数を目標にしていることでしょう。

せっかく点数が出ているのに、それを利用しない手はないからです。

 

しかし、塾講師は、普段の様子を見ているので、だいたいの学力を把握しています。

少々の点数の上下動に関してはあまり気にしていません。

あまり大きな声では言えませんが、保護者様から点数についての相談があるとき、保護者様ほど、しっかり点数を把握していません。

「あっ、そうでしたっけ?」とつい言ってしまうことがよくあります。

これは不勉強だからではなく、点数はそこまで細かく分析するツールだと考えていないからです。

  • どの単元が強い・弱い
  • 初見の問題は強い・弱い
  • 復習は強い・弱い
  • しばらくたったあとの復習は強い・弱い
  • 難問に強い・弱い

このくらいが大まかに分かっていれば点数を十分に活用したことになると思います。

 

点数でだいたいの力を知り、普段の学習の様子で一人一人の生徒さんの学力を測っていきますので、テストの成績で波があってもあまり気にならないといったところです。

これは6年生の模試でも同じことが言えます。

 

と書きましたが、講師によっては一喜一憂する講師もいます。

保護者に「一喜一憂するな」と言っておいて、自ら一喜一憂する講師を見ると、呆れてしまいます。

 

テストについては、悪い点数が続くとスランプになったりするので、その意味では悪い成績のときは心配です。

悪い点数を取ることが問題なわけではなくて、その影響が出ることが問題というわけです。

例えばプロ野球で1試合の成績が4打数0安打でも何にも心配することはありませんが、それが数試合続くとプレッシャーが大きくなり、スランプからなかなか抜け出せなくなる選手もいます。

好不調の波の大きい選手と呼ばれます。

月並みですが、スポーツ選手も受験生もメンタルが大切です。

 

しかし、点数や偏差値やクラス名などの数値や記号は、真面目な保護者にとってとても刺激があります。

気にしないでくださいと言っても、それを実行するのは困難だと思います。

点数を上げたり、偏差値を上げたり、クラスを上げるために、現在の点数を気にしても意味がないと考えるしかありません。

 

保護者様が点数を気にすると、既に点数でストレスをためているお子様が「ヤル気をなくす」、「あきらめる」、「カンニングをする」等がありえます。

私の経験上、入試問題の過去問演習を始めて、イメージ以上の点数を取れる子の8割以上の子はしっかり点数を付けられない子でした。

事情を鑑みて、それは不正だと咎めるのも気が引けますが、それくらい簡単に点数の操作ができるというわけです。

 

少しカンニングの話を書きます。

カンニングは不正というイメージがありますが、他人に迷惑をかけるものではありません。

自分で解かずに人の答案を見て答えを写すのは、考えることを放棄しているのでマイナスです。

解いたあと、解説を見て答えを書いて○をつけたり、誤答でも強引に○をつけて粉飾決算で良い点数に見せかけるのは、お子様がその後の処理をしっかりやればマイナスはありません。

まわりの大人が粉飾決算に左右されて正しい判断ができなくなるというマイナスはあります。

カンニングはいけないと一言で片付けるのではなく、この行為はどのようなマイナスがあるのかをきちんと伝えるべきだと思います。

 

そろそろまとめに入ります。

塾では点数で煽られます。

通塾していたら、それを避けたいといっても無理でしょう。

以前は塾の教室で順位表を貼るのが当たり前でしたが、個人情報云々でそれは消滅の方向に進んでいると思います。

消滅したとしても点数のプレッシャーが軽減されることはあまりありません。

 

そうしましたら、家では点数は不問にするのが最善の策です。

ご主人様が、奥様から、年収が低いと言われたら嫌な気がするのと似ている話です。

 

点数が低いことに対して、「猛反省してそれを糧に次回頑張れ」というのは、各問題の正答率が出たり、同レベルの受験生の正答率が出たり、あと何点で偏差値いくつになるといういまどきの情報化社会において、古くさい考え方です。

水を飲まずに走れ!という昭和を思わせる声かけです。

 

せっかくテストを受けたのなら、しばらく時間をおいて、今度は親からのアプローチで、再テストをしてみるのはどうでしょうか?

実際に再度解くというよりも、一工夫して、単語を書く問題だったら意味を言わせたり、算数の問題なら解き方を説明させたりといろいろなことが考えられます。

その準備のために、お子様が終わったテストからいろいろなことを学習します。

それが学力向上に繋がります。

 

私の行っているスカイプ指導では、テストの間違い直しにも力を入れています。

「これはどう考えたの?」

「現時点ではどう解くか分かる?」

「これに気がついた?」

「どうしてできないか分かる?」

このような言葉が多発します。

 

もちろんテストを受けただけで終わらないで、間違い直しをしたことで、力がグンとつくはずです。

このテストで学力が伸びたと考えれば、点数なんてどうでもいいということになります。

 

点数を取らせるための準備はテスト前に終わらせて、テスト後は結果ではなく、そのテストでさらに学力を伸ばすことを考える。

こういったとらえ方をしていくことが健全な受験勉強だといえます。

保護者様の点数についての発言は、次回の目標点数を伝えることや、それを取るために必要なことを具体的に伝えることまでだと思います。

塾講師が点数で煽るというのも、「○点以上取れるようにしっかり身につけてきなさい」というところまでで、結果が出た後は、良かった人だけ称えることがスタンダードです。

悪い点数だと怒るという行為は通常ではやらないことです。

点数・偏差値・クラスの取り扱い方には要注意だという意識が大切です。

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