過去問をやる意味

過去問は本当にやるべきか?

過去問を解くのは当たり前という風潮です。

塾によっては第一志望校は10年分、第二志望校は5年分、第三志望校は3年分などのようにガイドラインが決められているところもあるようです。

塾によっては夏休みから始めるように指導したり、11月から始めるようにしたりバラバラで、いったいいつから始めるのがベストなんだろうと思われているご家庭もあると思います。

そもそも論として、過去問をやったら確かに学力が上がり、入試に受かりやすくなるのでしょうか?

以前、過去問を12月末くらいまでまったくやらずに、学力がどんどん高まり、余裕で第一志望校に受かった生徒さんもいます。

もちろん、過去問をしっかりやって、第一志望校に受かる受験生が圧倒的に多いです。

昔、朝ご飯を食べる子は学力が高いというデータが公開され、結構インパクトがあったと思います。

朝ご飯を食べるから学力を高いのか、学力が高い子が朝ご飯を食べるのかが問題です。

過去問と入試結果の関係もそれを疑う必要があります。

その最も重要なことを考えること無しに、固定観念で過去問をやっていくことが正しい姿ではないと思います。

過去問をやると学力が下がります

まず、大前提として、過去問をやればやるほど、算数の学力は下がります。

それは、時間がかかり、バランスが偏り、良質の問題を解く時間が減るからです。

食事で、肉ばかり食べたら健康に悪いというのと共通している話です。

プロ野球選手がオフに、水泳などをやったり、右投げや右打ちの選手が、練習で左投げや左打ちを取り入れているのと共通している話です。

しかし、過去問で良い点数が取れる場合は「いままでの学習で大丈夫」という自信が芽生え、それが全体的に学習の質を一層高める可能性があります。

良い点数が取れるのなら、総合して学力が上がると考えても良いと思います。

入試に慣れる

過去問をやればやるほど、その学校の入試問題に慣れていくことができます。

最近、新しい歌手をあまり知りませんので、ちょっと古く、コブクロやBackNumberの曲を聴いたとします。

どれも似ています。

これぞコブクロ!と唸ることもあります。

アーティストの曲は作品です。

入試問題も曲と同じく作品です。

作問者の個性が出ます。

普通の典型題の問題集に載るようなスタンダードな問題の作問では個性の出しようがありませんが、難関校になり、典型題縛りがなければ、その学校の教師の腕の見せ所と言わんばかりの作問になります。

入試問題を解くと、「これぞ駒東!」とか「これぞ豊島岡女子!」と感じる訳です。

そのような個性を発揮している学校の入試問題ならば、その作風に慣れていくために過去問演習が必要です。

しかし、その分、算数の純粋の学力は下がる恐れがあります。

特定の学校に特化しているので仕方がないと考えるべきですが、正解率が高くならなければ、学力は上がっていない勉強と思った方がいいと思います。

個性を発揮している学校の入試問題でも、とても良質な問題や、時代の最先端をいくような問題ならば、多くの学校の入試問題対策という意味で、学力を高めると言ってもいいですが、そういう問題が多いという訳ではありません。

本当に慣れないと通用しない入試問題なのか、その学校の過去問演習で学力は上がるのか、下がるのか、バランスの悪い分を補うことができるのか、などを考える必要があります。

慣れるためには

個性のある入試問題でも、作風に慣れるだけでは得点力が増しません。

基礎学力が高くないといけません。

慣れていくことと、基礎学力を高めていくことの両立が大切です。

慣れていくことは、過去問演習でいいです。

作風が同じならば、可能な限りたくさんやった方が慣れていきます。

問題が解けなかったときは「結局、こう考えれば良いんだね」と作問者の狙いを理解するところまで行きたいです。

入試は心理戦と言ってもいいです。

その問題の解き方を身につけて、解けるだけでは不十分で、この問題のテーマは何かをつかむことが大切です。

基礎学力を高めるには

基礎学力を高めるためには、シンプルな問題を単元別で学習することが最も効果的です。

似たような問題を解き続けながら、「こういうタイプはこうする」と微妙な判断をしていくと、理解が深まります。

1問1問異なる単元を勉強すると、微妙な味わいができないです。

例えば、マグロの大トロと、神戸牛を続けて食べたら、どちらも「感動的に美味しい」で終わりです。

しかし、マグロづくしで、黒鮪や南鮪の大トロ、中トロ、赤身、メバチ、ビンナガを食べ比べたら、繊細さ、ちょっとくどい部分がはっきり分かります。

食事なら、一品一品異なるものを食べてバラエティに富んでいた方が嬉しいですが、算数の問題もそうだと思います。

しかし、嬉しいかどうかではなく、鍛えていくという姿勢ならば、同じような問題を解いた方が判断力が増し、解法力が上がります。

過去問の取り組み方

勉強はバランスが大切です。

慣れないと得点が上がらないような個性的な入試問題でしたら、たくさんやった方が良いですが、そうでないならば、過去問はときどきやる程度で、基礎学力を高めることに意識を向けた方が良いです。

過去問演習といっても、1年分を通しでやる方法と、部分的に扱う方法があります。

単元別に分けて、部分的に扱う方法の方が、問題の質によりますが、上記のように単元別の学習となりますので、学力が上がります。

あるいは、過去問演習の時間短縮として、部分的にだけ解くという方法もあります。

最初に、これは出来るからやらない、これは今回は避けておこうというように決めておきます。

3~5割の時間で、決めた問題だけ解きます。

サッカーでいうところのミニサッカーのようなイメージです。

十分な練習になります。

それが、入試本番での捨て問や簡単な問題から解くという姿勢に繋がると思います。

過去問は義務ではなく、入試の得点力を高めるためのもので、ベストの扱い方は、学校や個々の学力特性によって大きく異なります。

一律に○月から、第一志望校は○年分を通しでと決められるようなものではありません。

扱い方によっては基礎学力が下がるというデメリットもあると捉えて、学習計画を組み立てるといいと思います。

 

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