模試の結果が不本意なときは最大のチャンス!

以前は模試と言えば6年生9月からのものでしたが、すっかり様変わりし、6年生の1学期から毎月のように行われるようになりました。

受けなければいけないか、受けなくてもいいかというのは今回は割愛いたします。

せっかく受けたのならばそれを最大限に生かそうというブログになります。

いままでも似たようなブログを書いていると思いますが、ご了承願います。

 

模試は、誰でも良い結果を目指して取り組んでいると思います。

いつも偏差値55の人ならば、60の大台を目指し、願わくば65近くまでを行くことを夢見ていると思います。

55で終わると、そんなもんかとやや肩を落とし、50だったり40台になったりすると、絶望感に近いものを感じるのではないでしょうか?

いわゆる一喜一憂の状態になりやすいです。

 

1回の模試で費用は5000円かかるとします。

これを、テストが5000円と考えずに、テスト代500円、志望校全般などの情報代500円くらいの感覚でいいと思います。

桁を間違えたわけではなく、8割を占める残りの4000円は、お子様のデータ代です。

自分で残した答案や問題用紙に書いた解き方もそれに含まれます。

つまり、テストそのものに価値はあまりなく、テストを受けることで取得できたお子様のデータに大いに価値があるということです。

 

これは「模試に出てきた問題を完璧にすることが大切!」という意見ではありません。

1回しっかり復習しても「完璧」という言葉は易々とは使えません。

いまの模試は正答率が出ますので「正答率の高い問題でできていないものがあれば、それは弱点単元なので、しっかり克服すれば弱点がなくなり、得点力が上がる!」

これは、私もときどき言葉にしておりまして、間違ってはいないと思いますが、今回のブログはもう少し突っ込んだ内容にしていきたいと考えております。

 

現在スカイプ指導をしておりますが、指導が難しいです。

一般的に言われる「どのように教えればいいか分からない」とか「出来ない子がどこで躓いているのか分からない」というような次元ではありません。

 

よく、プロ野球では新人や新外国人のフォームを矯正するなと言われます。

有名な話ではイチローの振り子打法は故仰木監督になって認められ、それから一気にスターダムにのし上がっています。

仰木監督ではなく、「そんな理に適わないフォームはとっとと矯正しろ!」という指導を受けていたら、いまのイチローはいないでしょう。

3冠王が期待される横浜の筒香も打撃フォームは重心が後ろに残りすぎて良くないようです。

それを矯正していたら、一流半くらいの選手で終わるかもしれません。

このように書くと、矯正しなければ良いと思われがちですが、矯正して伸びた選手の方が圧倒的に多いはずです。

イチローにしても筒香にしても放任してたらいつの間にスターになったわけではなく、細かいところの矯正はいくらでもしていると思います。

野球に詳しくはありませんが、矯正は奥が深いものということくらいは分かります。

 

このプロ野球のフォーム矯正の話と、先ほどのスカイプ指導の難しいという話が共通します。

プロ野球のフォーム矯正が、受験生では解き方の矯正になります。

一からすべて解き方を矯正していくと、それが理想のようですが、現実は理想ではありません。

パソコンソフトのバージョンアップというようにはいきません。

 

お子様が解き方の矯正の必要性を感じて、どういう解き方をすれば良いのか迷っているときに手をさしのべるという状況をつくるか、裏技的に簡単に解ける方法を伝えるかでないと解き方矯正は難しいです。

後者の裏技的なものは、算数の応用力育成の面でマイナスが多いので慎重な指導が必要です。

(あまりそういうことを考えずに裏技披露が大好きな算数講師もいますが)

前者でベストタイミングで解き方の矯正をすることが学力向上の鍵を握ります。

そのタイミングを見抜くのが難しいのです。

攻めるタイミングと、待つタイミングを意識するということです。

スカイプだから難しいというわけではなく、家庭教師でも個別指導でも同様に難しいはずです。

塾の集団授業はそういう仕事は業務ではないので、その難しさはないと思います。

 

タイミングが訪れやすいのが、模試の後というわけです。

不本意な結果に終わると、なんとかしなければいけないという気持ちが誰でも湧き起こります。

それが良い解き方を吸収する態勢になったタイミングです。

「後悔しても仕方ない、次回!次回!」というのは潔い爽やかな体育会系のような接し方ですが、模試を受けた価値がほとんどありません。

今後ヤル気になれば、まだマシですが、しっかり分析して解き方の矯正をすることとは比べものになりません。

 

ポイントは、お子様が「解き方が分かった!」となるのではなく、「こう解けば解ける!」となって締めることです。

正答率10%未満の問題は思考系の問題が多く、このように締めることは難しいですが、それよりも高い問題はほとんどがそのように締めることができます。

「上手く書いて解けば偏差値が上がる」と実感できれば、模試代5000円を充分回収できたことになります。

逆に言えば、ここまでしなければ、模試を受けなくてもいいということにもなります。

 

模試で正解になっている問題まで矯正しようとするのは難しいです。

単純なミスで間違えた問題も矯正はできないかもしれません。

できなかった問題、できたとしても時間のかかりすぎた問題を矯正することを目指します。

 

そうすると、ある程度間違えてくれないといけないということになります。

つまり、偏差値は45~55くらいが最も模試を受けている価値があると言えます。

不本意で残念な気持ちになったときが、実は最も美味しい状況です。

それを生かさない手はないと捉えると良いと思います。

保護者がカッとなって親子喧嘩とは、美味しい状況を理解していたなら有り得ない光景です。

 

まず、どうして解けなかったのかゆっくり話し合い、解き方が良くないから解けなかったという結論に持っていくことがベストです。

解ける解き方を教えることはもちろん簡単ではありません。

ご家庭で、難しい場合は、家庭教師や塾を利用するのが良いと思います。

塾で「質問」という場合は、「模試でできなかった問題を教えて欲しい」ではなく、「模試でできなかった問題で正しい解き方ができていない問題の解き方を教えて欲しい」とリクエストした方が良いと思います。

その僅かな言葉をつけ加えること、講師の心構えが大きく変わると思います。

 

模試を受けるごとに解き方が良くなることが実現できれば、この1年で大幅に偏差値が上がることになります。

言い方を換えると、偏差値を大幅に上げるためには、この手段しかないと言えます。

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