- 2017年5月25日
算数の王道
算数は積み重ねの科目です。
これを否定する人はいないと思います。
重ねていく順番がかなり重要です。
これも否定する人はいないと思います。
王道で進んでいくとしたら、下記の順番が理想的だと私は考えています。
人によって若干異なるかもしれませんが、だいたいこんな具合だと思います。
- 5年生前半のうちに和と差のある程度難しい問題まで身につける
- 5年生夏に割合と比のある程度難しい問題まで身につける
- 5年生後半に平面図形と比を豊富に練習する
- 5年生冬頃から速さを豊富に練習する
- 6年生前半に立体図形を豊富に練習する
- 6年生夏~秋にかけて平面図形と比、速さと比、立体図形、数の性質の難問に取り組む
- 全分野、難問までバランス良く取り組む
- 4年生から継続的に場合の数を常に練習する
優秀な生徒さんは、これよりももっと早く進められると思います。
王道通りに進んだらアップアップの子も多いと思います。
学年通りの学習は厳しい
今回は、王道通りに進められない子は、5年生後期に和と差の問題をしっかりやった方が良い理由を書いていきます。
王道の通り「和と差の問題」は5年生前半までに終わらせて、5年生後期は「比のいろいろな問題」でしょ?と思う人もいるかもしれませんが、終わらせられなかったのだから仕方がありません。
冒頭で書きました順番通りに積み重なっていなければ、ここで割合と比を勉強しても、湿地に豪華な家を建てようとする学習になります。
家を建てたら傾くというよりも、そもそも豪華な家は建てられません。
新6年生で算数が苦手という子をスカイプ指導を始める場合、「君、何が出来るの?」と様子を見ますと、残念ながら、多くの生徒さんが、きちんとできるものがありません。
書き方が悪く、理解せずに解いている勉強が染みついてしまっている子が多いようです。
理由は、一部の優秀な子を除いては、中学受験の算数が難しすぎるからです。
4年生のときは、4年生の内容が難しすぎ、5年生のときは5年生の内容が難しすぎ、結局、理解不十分で覚えていく勉強で、ここまできてしまったというわけです。
それを解決するのは簡単です。
5年生で4年生の勉強をすればいいのです。
和と差の問題は割合と比に通じる
4年生のときにあまり身につかなかった和と差の問題を「5年生の間にしっかり固めましょう」と私は思います。
1つでもきちんと理解する単元をつくることと、正しい勉強をする姿勢をつくることが目的ですが、簡単な分野ならなんでもいいわけではなくて、中学受験の骨格となる和と差の問題がふさわしいと考えています。
割合と比で、抽象的な概念に触れるいると、「個数を揃えたらどうなるか」「たしたら何が求まるか」「ひいたら何が求まるか」と具体的にイメージして求めていく和と差の問題が、より一層くっきりします。
そして、和と差の問題をいままで以上にきちんと見ることができれば、割合の問題も、比を使っているけど、考え方は同じだと感じ取れると思います。
割合と比に全力投球するよりも、結果的に割合と比が身につくと思います。
勉強はバランスと積み重ねが大事だからです。
割合と比を、分数ばかりでイメージできない解き方だと、和と差の問題との接点を見つけにくいと思いますが、それは、割合と比の解き方次第です。
いま何をやると効果的か
何をやらなければいけないかではなく、いま何をやったら最も効果があるかを考えていくことが長期戦には必要です。
目の前の敵を倒す!というのはフレーズ的には勇敢で美しいですが、実態は覚える算数になって、後に「いままでの内容が身についていないね」と評されるのであれば、まるで美しくありません。
5年生のいま、半年後に何を残せるのかを考えますと、最適な学習というものが見えてくると思います。
クラスアップしたい、クラスダウンは阻止したいという気持ちも大切ですが、6年生になってずるずるクラスが下がったという声も少なくはありません。
言葉を悪くすれば「あの頑張りは虚構だったの?」となってしまいます。
お金は、例えば、節約して我慢してでも毎月5万円ずつ貯金していけば、1年間に確実に60万円貯まります。
しかし、クラスが下がらないように必死に食らいつく勉強は、貯金と違い1年後に何も貯まっていないどころか、質の低い勉強が染みついてしまうというマイナスの概念さえあります。
最後になりますが、学力を伸ばす作戦や方法論は1通りではありません。
お子様に合う作戦を選んで行くことがポイントです。
現在、算数が苦手という場合、いままで取ってきた作戦が外れだったと言ってもいいと思います。
この塾に通っていたら作戦はこれだけという考えでしたら、浮上の可能性は低いです。
セオリーは押さえた上で、学習スタンスを変化させないと、成績も変化しないと思います。
良い作戦をとって、算数教材塾・探求の電話番号の下4桁の1234のように、じわじわと成績を上げていく状況をつくって欲しいと思います。