5年生の夏は背伸びした方が良い

講師の力量とは

何回か過去のブログで書いていますが、塾講師時代、小さい塾だったので、毎年同じような合格実績だったわけではありません。

とても高い実績を上げた年もあれば、そうでもなかった年もあります。

はっきり申しますと、講師の指導力次第でした。

指導力というのは、具体的に書きますと、以下の力です。

  1. 授業で分かりやすく説明する力
  2. 良い解き方を提示する力
  3. 授業でどの問題を扱うか取捨選択する力
  4. 復習をしっかり取り組むシステムを整える力

意外かもしれませんが、1番が1番影響が弱いような気がします。

2>4>3>1

が妥当だと思いますが、2と4と3は接近していて、1も不要なわけではありません。

初代が真髄?

ちょっと話が変わりますが、外車のスポーツカーのロータスというメーカーですが、最後のガソリン車を開発し、日本でも来年早々にも発売するそうです。

本当にガソリンエンジンは無くなるかなど今後の動向も気になりますし、ロータスはスポーツカー好きの憧れるクルマですので、興味がないわけではありません。

ロータス車の好きな人に話を聞くと、どの車種も数年ごとにバージョンアップしていくのですが、初代が1番、その車の真髄を味わえるそうです。

ちなみに今のメインのロータスエリーゼの初代は1995年頃発売で、エアコンも無く、雨漏りもあり、故障前提(故障箇所を一通り直した3年落ちくらいの中古が1番お得という人もいました)のようですが、真髄はここにありといったモデルらしいです。

年々、一般人が乗りやすいクルマに変更していくと、開発当初の想いが消えていくということだと思います。

5年生で難しいことを学習した結果

受験ブログに話を戻します。

私が塾のテキストをつくったのが2003年で、そのときは名称に「2003-2004」と入れ、2年間で1冊を使うというものでした(単元により、分冊にはしていました)。

つまり、クラスによって、5・6年生の2年間で、それぞれの問題をいつ使ってもいいよというものです。

しかし、それが上手く伝わらなかったのか、5年生で、6年生向けの問題をどんどん扱う中の上のクラスがありました。

講師は失敗を繰り返して成長していく面がありますので、それを否定することなく、様子見としました。

ところが、蓋を開けてみると、その学年の受験の結果がとても良かったのです。

いろいろな要素があると思いますが、5年生のときにクレイジーなほど難しい問題を扱ったことの効果が大きかったと思いました。

良質な典型題ならば、5年生でどんどん扱っても効果があるという経験ができました。

その2年間の教材は、講師次第で自由に活用できますが、活用が難しいため、2006年からは、5年生用・6年生用とレベルを分けた教材に変更しました。

変更後は、講師も使いやすく、おそらく生徒さんも学習しやすかったと思いますが、2年間で1冊の教材という狙いは、ロータス車のように開発者の思いが詰まっています。

四谷大塚の夏期テキストは難しい

このようなことをふと思い出してしまいましたのは、四谷大塚の5年生の夏期講習の教材が難しいからです。

サピックスよりもはるかに難しいことを学んでいます。

関西圏はよく分かりませんが、四谷大塚の教材を取り組んでいる人は、首都圏随一の難しい教材に取り組んでいるという自覚をした方が良いと思います。

そう考えましたら、問題の取捨選択もしやすいと思います。

気になるところは、四谷大塚の教材を使用した受験生の合格実績が素晴らしいものとなるかです。

この四谷大塚の5年夏期講習テキストで、私の経験した「5年生で難問を扱った学年は合格実績が良い」が再現するには、以下の点が鍵を握ると思います。

  1. 私の教材のような典型題で構成された教材か
  2. 確認テスト漬けなどで、できるようにしなければならないというプレッシャーがかかっているか
  3. 教える講師ができるようにさせようと情熱を持って教え込んでいるか

これができていれば、例の1回の事例ですが、効果は大きいと思います。

2と3は欠かせない要素だと思いますが、1は典型題オンリーの教材ではなく、捻りのある入試問題のような問題でも効果があるのかもしれません。

典型題と非典型題での比較はしたことはないので分かりませんが、個人的には、やるなら典型題だといまは思っています。

可能な限りハードルを高くした方が良い

ちなみにスカイプ指導では、4年生でも5年生でも、できる子ならば、どんどん進めています。

4年生でも割合の締めの売買損益算や仕事算あたりまで進んでいます。

5年生も塾よりは数か月先を行っています。

これは、私の教材は先取りしても効果があるという実績をもとに自信を持って進めているわけです。

個々の生徒さんに合わせ、この教材は向いていないかな?と思うときは軌道修正しますので、問題ありだと思わないときは、どんな教材でも、行けるまでは突き進んでいきたいと思っています。

自分が未体験だからという理由で「5年生はこれをしたら駄目!」と決めつけず、講師もアップデートが必要ですので、問題点が表れるまではチャレンジしてみようという感覚を持っていないといけないと思っています。

予習シリーズの教材を頑張って取り組んだら、どういう学習効果が表れるか楽しみです。

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