塾の授業では学力が上がらない理由

授業ではどうして身につかないか

ここのところ、HPを大きく変更し、その作業に力を注いできました。

ようやく方向性が定まり、一段落しました。

こちらのWEBサイトがメインで、ブログも頻繁に更新していきます。

今日の未明、トップページの文面を変えましたが、その文面の補足のブログとなります。

タイトル通りです。

塾に行って長い時間授業を聞いているのに、学力が上がっている実感がない場合がとても多いです

スカイプ指導で生徒さんを見ても、本当に授業を受けているの?と思ってしまう場合がとても多いです。

解ける解けないの問題だけでは無く、解ける形を書く意思がないのです。

式をちょこちょこ書いて、結局、解けないという状態です。

これでは1から構築しなければとなりますが、本音を言いますと、そちらの方がやりやすい面はあります。

塾講師の中には「みんな一緒に学力が上がっているから、成績が上がっているように感じないのです」と詭弁をいう講師もいますが、上記のように、授業を受けている効果を感じられない生徒さんがいる以上、それもそういう子が特殊では無く、むしろ多いと思いますので、やり方次第では成績が上がっていきます。

授業のどこに問題があるかといいますと、説明を聞くだけだからです。

問題を解く時間を与えられていたとしても、ちょうど良いレベルで、何かを得られて解いている生徒さんはとても少ないと思います。

例えばサッカーの練習のシーンを見ることがあります。

コーチも一緒になって走り回り、何回も笛を吹いては選手を止めて、問題点を指摘しているシーンを目の当たりにします。

そういう動きが無く、1時間、自由に選手に練習させ、その後、座学で1時間みっちり問題点を指摘し、はい!練習終了!とくらべてどうでしょう。

くらべてどっちが良いか検討するまでのことも無く、コーチは走り回っているわけです。

サッカーはまだ座学を1時間行っても効果があると思います。

それは自分がいまプレーしているとイメージできて、コーチの言葉を自分のプレーに重ねられるからです。

このサッカーの練習理論が勉強にも当てはまると思います。

自分の解法をもう1回思い描いて、それに講師の説明を重ねられる生徒は、塾の集団授業でも学力が高まっていくと思います。

そういう意識が無く、ただ、映画館の観客のように授業を見ているだけでは、なるほど!で終わりでしょう。

なるほど!だけでは、面白くて良い授業かもしれませんが、学力は高まりません。

そして、そういう生徒の方が圧倒的に多いと思います。

授業が身につかない状態で家で勉強すると

塾で教わってきて、家で問題を解いてみると、ゾッとするほど解けないという光景はよくあることだと思います。

4年生ならば、家で親が教え込むというケースも良くあることだと思います。

5年生以降になると、内容も濃くなるので、親は手を放し、解説を頼りに練習問題を解いていくことが増えると思います。

そのときに質の低い覚える暗記の算数になる恐れがあります。

「結局は、この式で答えが出るんだね」となってしまいがちだとしたら、とても危険です。

暗記の算数になってしまうことは、特別にこの子がダメということではなく、授業を聞くいまのスタイルである以上、特別に出来る子供以外は必然性があるということです。

エビングハウスの忘却曲線

エビングハウスの忘却曲線の話は、私はあまり好きではありませんが、半分は当たっています。

まず、半分は違うのですが、方法論で身につけたものは、そんな簡単には忘れません。

例えば、駅から目的地までの行き方を「3つ目の信号を左に曲がって100m歩いたら角に郵便局があってそこを右に曲がる」と身につけて1回行けば、1年ぶりに行っても行けるはずです。

せいぜい3つ目の信号だよねと確認する程度です。

24時間でほとんど忘れるなんてことはありません。

その話は電話番号のような意味の無い数字の羅列の一時記憶についてです。

しかし、半分は当たっていると言いますのは、授業で聞いて、まだその残像が残っている内に問題を解けば、講師の説明と自分で解くことが重なり合います。

授業でたくさんの種類の問題を扱ったり、授業後に他の科目があったり、時間がたったりすると、残像はどんどん薄れていきます。

算数の授業後1時間くらいまでが残像の残っている時間だと思います。

その残像の残り方がエビングハウスの忘却曲線と似ています。

エビングハウスの忘却曲線では24時間でほとんど忘れるので、出来れば当日、遅くても翌日に復習というのが、スタンダードな考え方だと思いますが、よく「うちの子は当日だって怪しい」と言われます。

これは意味の無い数字の一時記憶の話では無く、残像の問題だからだと思います。

解きながら身につける

ではどうしたらいいでしょうか?

もう答えは出ているようなものです。

解きながら知識を吸収することが大切です。

サッカーでプレーして、失敗したらすぐに笛を吹かれて指導を受けるような感覚です。

サッカーのことを書きすぎましたが、例えば料理にしてもクルマの整備にしても、YouTubeを見たり、本を見たりしただけでは、ほとんど役に立ちません。

既にスキルが十分の人は、YouTubeや本をちょっと見たら、あっ、こういう隠し技ねと理解できると思いますが、素人は、まず実行です。

躓いたら、動画や本を再度見て、そしてまた進むといった感じになります。

本来は、勉強も同じ進み方をするしかないはずです。

解きながら、何かを参考にするとき、解き方を覚えようという姿勢では無く、どうしてこの解き方で出来るのかと考えることがポイントです。

ベストは、親やプロ家庭教師が隣について、問題点があったり、混乱したら、理由や方法論などの適切なアドバイスをして、一応、自力で答えまで行き、その後すぐに、また似ている問題を解いて、いま身につけた方法論で解けることを確認する学習です。

指導スキルを親が身につけるか、高額なプロ家庭教師を雇うかということになり、どちらもハードルが高いです。

勉強時間の大半とは言わなくても、半分くらいを親が寄り添ったり、プロ家庭教師が隣にいることは物理的に難しいと思います。

そこで、お勧めしますのは「問題」と「理由の書いてある解説」をセットで取り組める教材です。

その教材が、解きながら知識を身につけていけるかどうかです。

解き方を真似する教材では暗記の算数になる恐れがあります。

解きながら理由を身につけられる教材か、解き方を覚えることになりそうな教材かを判断基準にすると良いと思います。

その視点に立っても、対話式算数を自信を持ってお勧めいたします。

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