平面図形と比の2回目です。
タイトルは「底辺比と面積比②」にしていますが、今回は公式通りに面積を求められる問題オンリーにしています。
一般の参考書では、相似を使わない平面図形と比の問題は、底辺比と面積比を使うことが多いですが、補助線をひいてまでして、使うこともないと思っています。
第73話のような補助線をひかないで「底辺比と面積比が等しい」を使える問題は使い、補助線が必要な問題は、補助線をひかずに公式通りに解いていくことにしています。
「底辺比と面積比が等しい」と「公式通りに面積を求める」の2本柱として捉えています。
この方がすっきりして、早く深く身につくことは、スカイプ指導で実証しています。
興味のある方はこちらにどうぞ
第74話:底辺比と面積比②の概要
74・1
台形や平行四辺形は高さを2にすることがポイントです。
たいした技ではないので企業秘密と言うほどではありませんが、そのように教えてから、見違えるように生徒さん達の正解率が上がりました。
74・2
2辺をかけたら面積比になるという問題です。
その2辺はそれぞれ同じ直線上だったり、平行だったりすれば、底辺と高さのつもりで、2辺をかけたら面積の比になります。
74・3
かどの三角形の割合と呼んでいますが(予習シリーズもまったく同じフレーズでした)、2辺の比をかけて、全体の何分のいくつかを求める解き方です。
全体の三角形は使う2辺を変えると、面積が変わりますので、かどの三角形の面積を求めるごとに、全体も求め、全体に対しての割合を考えます。
74・4
正方形や長方形やひし形や台形で、公式通りに面積を求めていく問題です。
平行四辺形などのように向かい合う辺の長さが等しい場合は、それを考慮して底辺や高さを決めます。
比をそろえることさえやれば、単純に公式通りに解けるので、簡単だと思います。
74・5
等しい面積に区切る問題です。
2019年版までは「底辺比と面積比は等しい」を使って、「1:1」「1:2」「1:3」「1:4」を書き入れていく解き方でしたが、公式通りに解くスタイルに変更しました。
解説を書いた限りでは、慣れればこちらの方が正答率が上がると思いました。
練習問題
問題番号 | 難 | 講評 |
1 | A | 高さを2にしましょう。 |
2 | A | 底辺を3、高さを2にしましょう。 |
3 | A | 高さを2にして、㋐と㋑の面積を求めましょう。 |
4 | A | 高さを2にして、AとBとCの面積を求めましょう。 |
5 | C | ㋒の上底や下底の長さは、全体の面積から、全体の底辺を使って求めましょう。慣れていないと、案外、難しいです。 |
6 | A | 2辺をかけます。 |
7 | B | 底辺比と面積比を使ってもできますし、2辺をかけてもできます。 |
8 | A | 中の三角形の辺がどこも1めもりなので、深く理解しなくてもできますが、連比を使っていることを意識しましょう。 |
9 | C | 中の三角形の辺を同じ長さにしないと簡単にはできません。比をそろえて、中の三角形の1辺を2にします。 |
10 | A | かどの三角形の割合です。かどの三角形を分数で求めたら、整数比に直しましょう。 |
11 | A | 2つの角の三角形の割合を求め、全体からひきます。 |
12 | A | 3つの角の三角形の割合を求め、全体からひきます。 |
13 | B | Pと全体を公式通りに求めたら、Qも分かります。 |
14 | A | 正方形の横の長さを決めます。正方形とはいえ、縦と横が等しくなくてもできますので、縦は2にします。 |
15 | B | 計算しやすいように、上底と下底の長さを決めましょう。 |
16 | B | 底辺と高さを決め、全体の平行四辺形とかどの3つの三角形の面積を公式通りに求めます。上で出てきた「かどの三角形の割合」を考えてもできますが、公式通りに求めた方が簡単だと思います。 |
17 | B | 底辺と高さを決めて、公式通りに、全体の平行四辺形と、4つの三角形を求めます。 |
18 | C | 面積を使って逆算で底辺を求めます。その底辺を使って公式通りに面積を求めます。 |
19 | C | 「面積÷底辺」と「面積÷高さ」を交互に計算して、高さと底辺を交互に求めます。 |
20 | C | 19番の類題です。BDとEFをそれぞれ、1辺の何分のいくつかを求めると、比が分かり求めやすいと思います。 |
※難度は以下の基準です。
A:確実に解けるようにしたい問題
B:サピックス偏差値50以上を目指す人向けの問題
C:サピックス偏差値60以上を目指す人向けの問題
D:特に難しい問題