対話式算数第73話:底辺比と面積比1

割合と比の文章題が第52話から第72話まで続き、今週から、ひさしぶりに図形です。

まずは5週間かけて重要な平面図形と比を学習します。

今週の第73話は公式通りに面積を求める問題で平面図形と比の基礎の土台を固め、来週の第74話はいろいろなテーマの問題を扱います。

そして、第75話と第76話で相似、第77話が正多角形で、ここで比は終了し、第78話は線対称と点対称と続く予定です。

平面図形と比や、速さの問題は、つかみ所がない単元だと思いますが、可能な限り単純な分類で、解くための一歩を踏み出せるような導き方をしています。

相似を使わない平面図形と比は、第73話のメインテーマの「公式通りに面積を求める」か、第74話で出てくる「底辺比と面積比が等しい」のどちらかで解けます(どちらを使っても良い問題も多いです)

他の方法でも解けますが、この2本柱をしっかり固めた方が応用に繋がっていくと思います。

一般的には「底辺比と面積比が等しい」解法が主流です。

「公式通り」の解き方をほとんど使わない指導方針もあります。

その場合は補助線が必要となり、それなりに慣れていないと、正解まで辿り着くのは難しいです。

算数教材塾・探求では、補助線不要の「公式通り」の方が、生徒さんには身につきやすく、使いこなしやすいと考えています。

そのため、タイサンでは、まず、「公式通り」の解き方を身につけることから始めたいと考え、このような配列となっています。

 

興味のある方はこちらにどうぞ

 

第73話:底辺比と面積比①の概要

 

73・1

公式通りなので、導入の説明が一言で十分です。

このくらい簡潔な導入の方が、身につきやすくなります。

台形や平行四辺形は高さを2にすることがポイントです。

たいした技ではないので企業秘密と言うほどではありませんが、そのように教えてから、見違えるように生徒さん達の正解率が上がりました。

 

73・2

面積と底辺が分かっているときは、逆算して、高さを求めてもいいですが、計算が分かりにくくなります。

73・1のように、高さを2にして面積を求め、比例配分などで、面積を決めます。

あまり言われていないことだと思いますが、「底辺」「高さ」「面積」のうち、2つは決めて、残りの1つは計算で求めるという感覚を身につけることが、平面図形と比のマスターの第一歩だと思います。

 

73・3

底辺や高さを、比をもとに決め、面積を計算で求めます。

平行四辺形などのように向かい合う辺の長さが等しい場合は、それを考慮して底辺を決めます。

実際の面積が、その何倍かを考えます。

 

73・4

73・3の逆算バージョンです。

実際の面積と、縦か横の長さを使って、残りの辺の長さを求めます。

慣れていれば、逆にしただけだよと軽く言えますが、生徒さんにとっては簡単なことではないようです。

少々分数になる恐れもありますが、公式通りにぐいぐい解き進めましょう。

 

73・5

三角形の問題です。

三角形も公式通りに解いた方が身につきやすいです。

三角形の場合は、どこを底辺にするか、どこを高さにするかを最初に明確に決める必要があります。

 

練習問題

 

番号 講評
1 A 高さを2にしましょう。
2 A 底辺を4、高さを2にしましょう。
3 B 正方形の横の長さを決めます。正方形とはいえ、縦と横が等しくなくてもできますので、縦は2にします。
4 A 高さを2にして、㋐と㋑の面積を求めましょう。
5 A 高さを2にして、AとBとCの面積を求めましょう。
6 C ㋒の上底や下底の長さは、全体の面積から、全体の底辺を使って求めましょう。慣れていないと、案外、難しいです。
7 B 縦と横を決めて、公式通りに、全体の長方形と、2つの三角形を求めます。
8 B 底辺と高さを決めて、公式通りに、全体の平行四辺形と、3つの三角形を求めます。
9 B 底辺と高さを決めて、公式通りに、全体の平行四辺形と、4つの三角形を求めます。
10 B 面積を使って、適当に縦と横の長さを決めましょう。
11 B 10番と同様に、適当に縦と横の長さを決めましょう。
12 B 縦の長さは3にして、横の長さは、面積を利用して求めましょう。
13 A 斜線と三角形ABCの面積を、ともに公式通りに求めます。
14 A 三角形ABDと三角形EDCと全体の三角形ABCの面積を公式通りに求めましょう。
15 B 4つの三角形に分かれていますが、直接求めたり、ひいたりすると、どこも面積を求めることができます。

「難」は難度は以下の基準です。
A:確実に解けるようにしたい問題
B:サピックス偏差値50以上を目指す人向けの問題
C:サピックス偏差値60以上を目指す人向けの問題
D:特に難しい問題

※「要」は重要度で以下の基準です(B・C・Dのみ表記)。
ゼ:絶対に解けるようにしたい重要な問題
テ:よく出る典型題
ヒ:捻りのある問題
サ:地道な作業が必要な問題

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