- 2017年1月14日
例年は、開成の問題は2月2日ころには解いていますが、今年は、教材作成とWEBサイトの手直しを重視し、2月10日まで入試問題を見ませんでした。
10日たち、2月11日ということで解くことにしました。
他の学校も、まだまだいろいろなものに追われていますが、そろそろ1日1校か、2日で1校くらいのペースで解いていきたいと思っています。
今年の開成は難しかったです。
1・2番がいきなり難しく、3番は面倒だけど、作業すれば出来、4番はまた難しい問題でした。
とは言いましても、解けないくらい難しいということもありませんが、あまり書くべきことではありませんが、努力も必要ですが、素質やセンスが無いと歯が立たない問題だと思います。
例えば、外国のスポーツカーで例えますと、ポルシェだったらGT3じゃなければ、無理すればなんとか手が届くかな?(ローンの金利も低いし)と思っても、フェラーリやランボルギーニやマクラーレンは別世界と思う人が多いと思います。
この開成の問題はポルシェではなく、フェラーリという高嶺の花のような印象で、普通の人を寄せ付けないオーラが漂っていました。
問題の構成は、速さ、速さ、場合の数、立体図形で、日頃、「男子難関中は、数系と立体図形と速さ」と口癖のように言っていますが、まさにど真ん中のストライクで、さらに、最近は「立体の切断はブームが去り、対策してもそんなに出ませんよ。いまは陰です」と言っていますが、それもぴったりでした。
ついでに3番の問題は昔の慶応中等部の問題の類題で、その問題は私が開成対策として教材に入れているものです。
やや1番と2番が同じ系統の問題に感じましたが、レベルの高い男子難関中の良問と言えます。
下の基準で問題レベルを判定します。
A:ほとんどの人が出来る
B:取りこぼしたらややまずい
C:合格のためには取りたい
D:できたらアドバンテージ
E:できる人はごく僅か
1D
1~2分に逆転していることから縦の1めもりは15㎝と決まります。
0~1分は「1・2」か「4・1」です。
1~2分は45㎝と0㎝しかありえないので、0~2分は「12・23」か「42・13」です。
2~3分後は「1・3」か「3・4」で、0~3分は「121・233」「123・234」「421・133」「423・134」です。
3~4分後は2人が同じならばよくて、4~5分後は「4・1」です。「121□4・233□1」「123□4・234□1」「421□4・133□1」「423□4・134□1」
というように順々に調べて行きます。
1は2回まで、その他は1回までなので、不成立のものを消していきます。
AとBはどちらが速くてもいいです
これを標準的な問題という講師もいそうですが、D判定としました。
2
(1)B・(2)C
Pが出発してからを時系列に並べていきます。
12分後…Bと出会う
20分後…Bと別れる(20分でBは120度進む)
32分後…Cと出会う(32分でQは64度進む)
ここから、Pが出発するとき、BとCは56度離れていると考えます。
Bは6度/分で、Cは2度/分で、Bが56度うしろになるので、304÷4=76分後です。
(3)E
PがCと別れるとき、BがCより72度遅れていなければいけません。
288÷4=72分後?と思いますが、BとCが出発するときの時間で、上記の時系列にすると、108分後にPはCと出会います。
その次の72+360÷4=162分後にPとCは別れます。
Pは、174分後にBと出会い、182分後にBと別れ、194分後にAに戻ります。
ここまでの動いた距離を求めます。
昨年あたりから、速さの解説では、時系列を書くようにしていますが、それが生きる問題だと思います。
Eにしてはやや易しいかもしれませんが、Dではないなと思いました。
3
(1)アA・イB
アは4年生レベルです。
イは1円玉を持ってくるのは3枚か8枚なので、つるかめ算で、3枚持ってきた人31人、8枚持ってきた人9人と求めます。
(2)①~⑥A・⑦C・⑧D
②は100・50・10・10・10・10・5・1・1・1・1で199円です。
③~⑥は10円玉、5円玉、1円玉の和が5枚、4枚、3枚、2枚、1枚になるものをそれぞれ調べます。5円玉が1枚か0枚なので、調べやすいです。
⑦と⑧は、例えば、4円は4枚ですが、それを利用すると、54円は5枚、104円は5枚、154円は6枚などと分かり、254円や954円までに何通りできるかを考えていきます。
4枚でできる9通りは、すべて4円と同じようになります。
このように地道に調べていくと、答えまでたどり着けます。
作業力の求められる問題です。
4E
床の影から、太陽は南西方向で太陽高度45度と分かります。
少しは楽です。
穴2でうしろの壁と、右側面の壁、穴1で右の側面に日が差します。
うしろの壁は、真横から見た図と真正面から見た図で対処できます。
右側面の壁は、穴1からは、真正面から見た図と左から見た図、穴2からは真正面から見た図と左から見た図で対処できます。
しかし、最後、作図するところで、展開図なので向きを変えるのも目が回りそうになります。
今年は読み取りが大変な問題がなく良かったです。
読み取りが大変な問題があると、すぐに、この学校では読解力のある生徒に来て欲しいと思っているとか、時代の流れで読解力(なぜか国語力になっている)が求められていると断定する人がいますが、上手い問題文を作れる先生が作問したということでしょう。
平均点は出ていると思いますが、合格者平均点は、3番をきちんと取って、1、4番は部分点を取っていると考えて、半分の45点くらいと予測しました。
いま見ましたら、合格者平均点49.5点でした。
Eがもう少し正解がいるのか、途中点を予想以上に稼げるのかもしれません。
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