- 2019年2月2日
概要
今年の渋幕は難しい…昨年以上かも…
解けない問題もあります(レベルが高すぎて)
よくぞ、ここまで難問をならべましたと感心してしまいます。
作問の先生たちがだれが1番難しいのをつくれるのか競っているのかな…
場合の数、立体図形、グラフ、平面図形など、出題傾向は例年通りです。
このあと、問題ごとに難易度A~Eをつけますが、Bはなかったです。
算数が得意な子はBとCで確実に稼いでいくので、
「やや易しい」~「普通」くらいが最も得意科目が生きる難易度だと思います。
算数で稼ぎたい!と考えていた人は、Dが解ける力があれば…という感想です。
問題レベルは渋幕受験者にとって、
A:超簡単
B:簡単
C:標準
D:難しい
E:ほとんど解けない
また、今後の教材で、ぜひ使用したい問題は★で表し、どこで使用するかも載せています。
1
(1)A
A+B=69、A+C=57とすると、B-C=12と決まるので、BとCの和は偶数の36になります。
(2)C
大きい順から、ABCDとすると、
A+B=95、A+C=85、B-C=10、
BとCの和は偶数になるので、A+D=83が決定です。
これで、B-D=12、C-D=2まで決まります。
奇数と偶数に注目すると、アは偶数で、残りの奇数で1番小さい37がA-Bです。
典型題+αでシンプルだけど、なかなか面白い問題です。こういう問題が好きです。
ここまでは好印象。
★「小5グランプリ算数」に収録予定
2
(1)C
ADFが同じチームです。3人チームだと4回必要です。
BCEが同じチームです。3人チームなので、これも4回必要です。
これで、この問題を解いていく方針を築けないと苦しいでしょう。
(2)D
(3)と同じように最短以外はありえません。
3人チームだけ席替えです。6C3=20通りですが、
ABCの3人チームのときは、2通りのならび方があるので、20×2=40通りです。
(3)E
これの正答率なんて1%未満じゃないですか?と言いたくなるくらいの難問です。
でも、これがこのテストの最大値じゃないところが凄い…
2人チームを2つつくるか、5人チームをつくるかの場合分けをします。
2人チームを2つつくる方は、3C2×4C2=90通りですが、同人数のチームなので、90÷2=45通りです。
5人チームは、ABCDEのとき、
Aの席にくるのは4通り、Bの席にくるのは3通り、……となるので、4×3×2×1=24通りで、
全部で、24×6=144通りになります。
答えは45+144=189通りです。
解説が難しく感じると思いますが、解くともっと難しいと思います。
★「入試対策(学校別-開成・麻布・栄光)」に収録予定
3
(1)A
平行四辺形ABCDの高さはすぐに3㎝と分かります。
6秒後の進んだ距離を③、①として、その差が2㎝になります。
(2)D
48秒後までになります。Pは20、40秒後に向きを変えます。
同じ向きのときは、1秒で面積差は2㎠変化し、
反対方向のときは、1秒で面積差は1㎠変化することが分かれば、
それほど苦しまないでしょう。解き方によって難易度が変わります。
(3)C
(2)まで行けば、これはスイスイできるはずです。
★「入試対策(学校別-開成・桜蔭)」に収録予定
4
(1)A
正方形の1辺を⑮とすれば簡単にできるでしょう。
(2)D
この問題は個人的には大っ嫌いです。
理由は、三角形の三平方の定理を使えば、難易度がAだからです。
三平方の定理で教えるのか、算数で教えるのか判断に迷います。
こういう問題は、出題者は何を考えているのでしょう?
三平方の定理を使って欲しいのか、使って欲しくないのか…
三平方の定理を使うとすれば、JC:IC=3:5なので、IJの2乗は、3×3+5×5=34です。
面積比は、(3×5÷2):34=7.5:34となります。
三平方の定理を使わないと、計算がかなり複雑になります。
こういう問題を見ると、小学生もしっかり三平方の定理を学習すべきだと思ってしまいます。
5
シンプルな構成の問題ですが、超難問です。
(1)C
問題の図にあと1個くっつけると考えます。
左の図には3通りの方法があって、右の図には5通りの方法があります。
(2)E
この問題は恥ずかしながら、間違えてしまいました。ミスではなく、力負けです。
2個たりませんでした。
あと2個と分かったあとは、すぐに見つかりましたが、一発で正解にするのは至難の業です。
どういうやり方がいいのかは分かりません。ひたすら頭を柔らかくして数えていくだけだと思います。
先ほど書いた最大値とはもちろんこれのことです。
こういう問題を例にして、「低学年は積み木をさわると良い」という塾関係者もいますが、
積み木をさわっても、こういう問題はできるようにはなりません。
海で遊ぶのが好きな子が、水泳の県大会で入賞レベルに行けるかという話に近いと思います。
さすがに、これは特殊な能力が問われる問題だと思います。
それがない人は、解かないという道を選択するしかありません。
いま、特殊な能力とかきましたが、それは生まれ持ったものではありません。
私も正解ではないので、あまり大きなことは言えませんが、あと2個なら惜しかったと言ってもいいと思います。
しかし、私が中学受験のころなら、まったく分からなかったことでしょう。
それが、日々、問題を解いて、どうやってとらえたらスマートに解けるかを考え続けて、
このレベルまで成長したと思います。
年令とともに衰えもありますが、
成長>衰え
だと思うので、再来年くらいなら、このレベルの問題もギリギリ解けるかもしれません(苦笑)
センスがあるかないかと考える前に、スマートな解き方を考えて欲しいものです。
あまりの難しさに、オーバーヒートというか、ちょっと熱くなってしまいました(苦笑)