捨て問を考察する

入試本番では、難しい問題を飛ばすのは鉄則です。

解けない問題に時間をかけていたら、合格が遠のいてしまいます。

飛ばす問題のことを、一般的に捨て問と呼ばれます。

試験開始の合図のあと、真っ先に、問題全体を見て、解けそうな問題から始めなさいというような指示をする塾講師もいると思います。

そして、解けそうもない捨て問は手を付けてはいけないというアドバイスもよく聞くと思います。

「○○中入試の○○の単元は捨てなさい」などとプロらしいアドバイスもときどき見かけます。

 

しかし、そのようなアドバイスに、私は首を傾げます。

テストは1番からやるものだと思っています。

「時間がかかりそう」「解き方が思いつかない」「ひらめかない」などの理由で、後回しにすることは全く構いませんが、解く順番を大幅に変えることにメリットはあるようには思いませんし、単元名で捨てる捨てないの判断は危険です。

基本的には、入試問題は易しい順に並んでいるので、1番から始めた方が理にかなっています。

作問者が難度の読み違いで、難しい問題が前半にくることがありますが、だからといって、シャッフルして解いた方が良いとはなりません。

どの問題を解いて、どの問題を捨てるかという判断は、合格の重要な要素になりますが、それは単元名や第一印象では決められないものです。

その良い例として、1題引用します。

 

やや古い問題ですが、渋谷教育学園渋谷の2009年の問題です。

(2)下のような順に数を並べました。

1、1、2、1、1、2、3、2、1、1、2、3、4、3、2、1、1、2、3、4、5、4、3、2、1、……

後略

(3)(2)と同じ並べ方をしたときの2400番目から2600番目までの数をすべて加えるといくつになりますか。

 

(3)は、テストのラストの問題ということもあり、また、2400番目や2600番目というゾッとする数字も登場していることから、ターミネーター級の算数人間の御用達問題で、一般受験生が手を付けてはいけない問題のような気がします。

これぞ捨て問!と思う受験生は多いことでしょう。

 

これは群数列と呼ばれていて、

  • 第1群「1」…ここまで1個
  • 第2群「1、2、1」…ここまで4個
  • 第3群「1、2、3、2、1」…ここまで9個
  • 第4群「1、2、3、4、3、2、1」…ここまで16個
  • 第5群「1、2、3、4、5、4、3、2、1」…ここまで25個

というように考えます。

「ここまで○個」の○は必ず平方数になりますので、2400や2600に近いものを探します。

50×50=2500がすぐに思い浮かびます。

試しに1減らしてみると、49×49=2401になります。

ビンゴ!ではありませんが、極めて近いです。

試しに1増やしてみると、51×51=2601になります。

これまたビンゴ!ではありませんが、極めて近いです。

よくよく考えると、平方数は、差が2ずつ広がるので、2401→2500ならば、次は101離れて2601になります。

  • 第49群「……、1」…ここまで2401個
  • 第50群「……、1」…ここまで2500個
  • 第51群「……、1」…ここまで2601個

このようになるということです。

ここまで分かれば、この問題を捨て問認定する必要がありません。

2400~2600番目の数は、第49群のラスト2つ(2と1)と、第50群まるまると、第51群のラスト1つ(1)だけを除いたものです。

第50群の総和は50×50=2500になり、第51群の総和は51×51=2601になり、この部分は難しくないはずです。

つまり、答えは、2+1+2500+2601-1=5103です。

第一印象では、断崖絶壁を登るかのように難しく感じ、捨て問だと思うかもしれませんが、実際に解き進めてみると、平坦な道をスイスイ進めます。

 

私は、過去問指導のときは、ひらめきは入試本番では期待できないから飛ばしてもいいけど、面倒な作業の問題はできるだけ飛ばさないこととよく言っています。

今回の問題のように、ものすごく面倒な解き方をイメージする問題でも、実際解いていくと見立て違いだったと思うことがよくあるはずです。

解き方の糸口が比較的容易に分かる問題を、直感で捨て問と判断することは避けたいです。

本当に捨てるべき問題を捨てるためには、ある程度、解いていかないと判断できないということです。

捨て問に対する意識を少し変えた方が良いという受験生はたくさんいると思います。

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