- 2021年1月7日
毎年、スカイプ指導は6年生中心ですが、今年はなぜか5年生が最も多いです。
5年生なので、塾のカリキュラムに沿っての指導が多いです。
最近、気になりますのは、食塩水や売買損益算が1週間の授業で終わってしまうことです。
私は以前サピックスで働いておりまして、そのカリキュラムをベースに、前職で働いていたときにオリジナルのカリキュラムを作り学習を進めていました。
やっていくうちに、やりにくい部分を改良し続け、数年かけて完成に近づきました。
いまの対話式算数のカリキュラムは前職でのカリキュラムと8割以上は同じです(さらに改良しています)。
食塩水や売買損益算はそれぞれ80分×3=240分の授業でちょうど良いと判断しました。
四谷大塚やサピックスでは1週間で終わるので、四谷大塚なら2回の授業で、サピックスはA授業で復習もやると考えると実質1.2回くらいの授業で終了となります。
対話式算数のカリキュラムと比べて、四谷大塚は1.5倍のスピードで、サピックスは2.5倍のスピードで消化します。
「大手塾は凄いな~」「さすが、サピックス!」となるわけではありません。
産業構造と似ているかもしれません。
大手企業の親会社の意向で、下請け会社のノルマが厳しくなり疲弊しているかのようです。
スカイプ指導をやっている私もフォローが大変なくらいですので、算数をみている保護者もとても大変ではないでしょうか?
下請け会社がどんなに大変だろうと、どこ吹く風で、大手塾では「これくらい普通です」「毎年やっています」という姿勢でカリキュラムを変えずにずっときています。
能力の高い子、必死に食らいついている子以外は、このあたりから脱落が始まるのではないでしょうか?
ふるいにかけているといえば、少々聞こえは良くなるのかもしれませんが、はっきり言えば無神経です。
大手塾の言うことを又聞きしますと、ときどき何も分かっていないなと思うことがあります。
仕事柄、家庭での苦労が分からないのが当たり前と言えば当たり前です。
文句を言っていても始まりません。
自衛するしかありません。
対話式算数のカリキュラムも、四谷大塚やサピックスと同じように2年間で全単元が終了します。
食塩水や売買損益算に時間を取れるということは、大手塾の方が対話式算数よりも時間をかけている部分があるということです。
お互い様ということではありません。
大手塾の時間をかけている部分は、各講習で復習が多いのと、4年生のカリキュラムがゆったりしすぎているからです。
その歪みが5年生にきているというわけです。
よく、5年生の2学期は大変と言われますが、それはいまの理由がそのまま当てはまります。
長期的視野に立つと、理解が不十分なものは、塾では終わっても、引き続き学習した方がいいと思います。
あまり分かっていない状態で、「夏にもう1回出てきますから」という言葉を鵜呑みにしてしまうと、夏に出てきたときには、さらに忘れている状態で学習することになります。
螺旋階段式というともっともらしく聞こえますが、1回目に出てきたときにそれなりに理解できなくては螺旋階段の優位さはありません。
重要単元とは何を指すかは人によって異なると思いますが、重要単元は後回しにしない方がいいと思います。
脅かすわけではありませんが、スカイプ指導でみている子達は、信じられないくらい売買損益算が分かっていませんでした。
理解が怪しいと思いましたら、問題演習で解決するよりも、根本的に再度教わることが大切です。
深く理解できていないのに問題を解いていくのは、田んぼに家を建てようというようなものです。
これから6年生になるまで、理解が怪しい単元は、こんな感じでも、やがてなんとかなるのかな~と考えずに慎重に扱うと良いと思います。