5年生夏の割合の学習の仕方

大手塾だけでなく、中小の塾もオリジナルカリキュラムを作って学習しているところがあります。

予習シリーズを使っているけど、オリジナルカリキュラムという塾もあります。

私の前職も私がカリキュラムを決めて進行させていました。

しかし、その決めたカリキュラムは、基本的にはサピックスをより洗練させたもので、完全オリジナルという訳ではありませんでした。

 

中小塾の中には、大手塾と一線を画し、完全オリジナルのカリキュラムのところもありますが、私は基本的にはそれは肯定していません。

大手塾が何十年とかけて蓄積したカリキュラムを十分に理解した上で、より向上していくのなら良いですが、最初からオリジナルというのは、理に適っていなかったり、無理無駄になっている可能性があります。

私の前職でも、私が入社したときのカリキュラムは酷いものでした。

同じ単元を何ヶ月もやって身につけていくというスタイルでした。

大手塾の螺旋階段のカリキュラムに対抗してということですが、やりにくいことこの上ありませんでした。

 

本題に入ります。

大手塾では5年生の1学期に割合を学習し、夏や2学期に比を学習します。

私は、割合と比はタイムラグをあけるべきではないと考えていますが、大手塾ではタイムラグがあります。

すると、割合の問題を分数で解いていくことになります。

 

とても簡単な例題を書きます。

兄と弟は2人合わせて2800円のお金を持っています。

弟は、兄の4分の3を持っています。

兄はいくら持っていますか?

 

割合の初歩中の初歩の問題です。

これを分数で解いていくと、兄と弟の和は、1+3/4=7/4になります。

7/4が2800円なので、1に相当するのは2800÷7/4=1600円です。

兄は1600円です。

 

これを整数で解いていくと、兄は4等分できる数がいいので4にします。

弟は3になります。

2人合わせて4+3=7になりますが、本当は2800円なので、1は2800÷7=400円

兄は4なので、400×4=1600円です。

 

これは整数で解く方がはるかに理解しやすいです。

図をかいて考えれば、さらに差があります。

分数が抽象的で分かりにくいのに対し、整数はイメージしやすいからです。

分数で4分の7などの仮分数が出てくると、目をつぶって歩いているくらいやっていることが分かりにくくなります。

 

そのため、塾講師によっては、早めに整数で解く方法で教えると思います。

整数で解く方法とは、まさに比のことです。

比を教えるのが2学期であっても、1学期から比で解くような教え方をしているかもしれません。

 

時代をさかのぼってみます。

いまから30年くらい前は、中学受験の人口は少なく、優秀な子が私立中学に行きたいという時代でした。

いまは、平均値を取れば、明らかに公立中学に進学する生徒さんよりもレベルの高い人が私立中に行きますが、以前よりも裾野が広がったことは確かです。

 

割合や比の扱いは、30年前と変わりません。

当時は優秀な生徒さんが、抽象的な単元にも負けずに頑張って分数で身につけました。

いまもそれが通用するとは思えません。

 

優秀な生徒さんでも頑張って分数で身につけるよりも、すいすい整数で身につけた方が良いのではないでしょうか?

中堅の生徒さんであれば、分数で身につけるのは無理があると言っても良いと思います。

昔の名残でそうなっているだけです。

悪しき慣習と言っても良いと思います。

こう書くと、頭の固いベテランの算数講師に全否定されるかもしれませんが、しっかり身につけるためには、整数でイメージしていける考え方で理解することが大切だと思います。

なぜそれではダメかという例で、「分数に慣れない」というものがありますが、分数は分数の計算で慣れた方がいいです。

他の単元と絡めると二兎追う者は一兎をも得ずという状態になりがちです。

 

今回のブログの主題は、夏期講習で割合に苦戦したときは、分数ではなく、整数で対処しましょうということです。

2学期になれば、比を使いますので、一歩先を行くだけのことです。

 

○:○と言う必要もありませんし、比の値、前項・後項などの言葉を覚える必要はありません。

全体などの基準量を決めるときに、分母にしたり、分母の最小公倍数にするだけで良いです。

自然と比を使って解くことになります。

これは机上の空論ではなく、確証済みです。

四谷偏差値30台の生徒さんに、割合はこうやって解くんだよと教えたところ、「前の先生よりもよっぽど分かる」と言ってくれて身につけていきました。

塾で分数で解く方法を解説され、それがしっくりくる場合は、それで良いですが、そうでない場合は、分数は控えた方が良いと思います。

 

今回のブログは個人的主観が多くなりましたが、お役に立つ部分はございましたでしょうか?

もしございましたら、順位に反映されますように、にほんブログ村のバナーボタンをクリック願います。

昨日は僅差で2位でしたが、少し差を広げて1位に復帰しました。

と思っていましたら、いまは16ポイント差でかろうじて1位です。

差を広げて安全圏に行きたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

TOP