- 2017年12月29日
最近、いろいろな家庭教師のブログで、家庭教師の学歴や合格実績は嘘つき放題だから信用できないという文面をよく見ます。
きっと心当たりがあるのかと思います。
この業界の人ならば、ブログの内容が浅ければその家庭教師の実力が無いということがすぐに分かりますが、成績を上げるために藁をもつかむ心境になっている保護者だと、冷静な判断ができない場合もあります。
こんな浅い内容のブログを書いている人に、こんな高額を払う人いる?という感想しか持たないものでも、これで成績が上がるのならと無駄金を使っている人もいることでしょう。
そういうお金を払ってしまう人がいると、それにつけ込んでくる業者や個人もいるということだと思います。
今回のブログの本題は、それと少し近い内容ですが、関係が無いと言えば無い内容です。
6年生で、成績に困っている人がいるとします。
その人たちに、「5年生のときに何をやっていたんですか?」と聞きたくなる場合もありますが、案外、5年生のときもしっかり勉強しています。
しっかり勉強していても、学力が上がらなかったということになります。
例えば、平面図形の教材で、いろいろな形や長さの三角形が、いろいろ向きを変えて大量に載っていて、それの面積を求める問題集があるとします。
それを大量に解いて、力がつくでしょうか?
計算力しかつかないと思います。
つまり、そういう問題集はやっても無駄ということになります。
クラスが下だから、簡単な問題集をやるという考え方は間違いの元です。
模試や入試の問題を解くことにつながる問題集なのか、そうでないのかが判断のポイントです。
タイトルに「中学受験」と書いてあっても、大手塾でお墨付きをもらっているものでも無駄な問題集はあります。
力がつく問題集だけ書店に並ぶわけではありません。
大手塾の指示通りに学習しても伸びていない塾生が大量にいることから、「塾で勧められるものだから効果がある」とは言えません。
具体的に「○○の問題集は無駄」と書くことは割愛しますが、そう言いたくなるものはたくさんあります。
特に、割合や速さにそのような問題集が多いのではないでしょうか。
時期的に、大手塾に通う5年生は割合を学習する頃かと思います。
簡単すぎる割合の問題集を取り組むように指示されることがあります。
上位クラスは免除され、中堅クラスや下位クラスだけ指示されることが多いと思います。
中堅クラスで、それをしっかり取り組み「上位クラスの生徒に割合では負けない!」というように力をつけた生徒さんはいるのでしょうか?
塾講師時代、そのような簡単すぎる割合や速さの問題集を使用しませんでしたが、なにひとつ後悔したことがありません。
勉強時間が無駄に増え、それを取り組んでも出来るようにならない教材だと思います。
なぜ、大手塾でそのような無駄と思える課題が出し続けられるかと言いますと、どうしたら中堅や下位の子が伸びるかの研究不足、ノウハウ不足と、教材の売上げのためだと思います。
あるいは教材や授業が難しいという理由で退塾を検討しているご家庭への引き留め策のひとつという面もあります。
算数教材塾・探求の教材に小5集中割合というオプション教材があります(全20回、A8題、B8題の320問)。
Aが基本にあたりますが、そのレベルが力をつけていくために必要な最低レベルで、それ以上低いものをやっても、学力はつかないと判断しています。
もしも、それは難しすぎて無理と相談されましたら、使う時期を遅らせましょうという提案をします。
さすがに6年生になれば、小5集中割合Aは取り組めます。
5年生のときに簡単すぎる問題集をやってもやらなくても、小5集中割合Aを使う時期に影響しないと思います。
効果がないのならば、簡単すぎる割合の問題集をやらずに、割合を含まない特殊算、角度、面積、体積、規則性あたりをしっかりやった方がいいと思います。
耳の痛い話ばかりになってしまいましたが、保護者は、お子様が勉強をしていれば安心しがちだと思います。
しかし、簡単すぎる問題集を勉強していても結果につながりません。
スポーツに当てはめてみれば簡単に分かります。
跳び箱の練習で、5段くらい飛べる子に、1段を飛ぶ練習ばかりやるような感じです。
こんなの手を使わなくても飛べるよというものでは、跳び箱の練習にはなりません。
四谷偏差値50以上の生徒さんならば、偏差値は上昇しなくてもみんなと同じように学力がついていると言うこともできますが、それ以下の生徒さんは、みんなと同じように伸び悩んでいると言ってもいいです。
勉強しないで伸び悩んでいるのなら、それは仕方がありませんが、勉強しても伸びていないのは教材が悪いからです。
これをやったら本当に力がつくのか?という視点で、厳しい目で教材を吟味すると良いと思います。
塾で勧められるものにも、効果を疑うべきだと思います。