悪い解き方を改めることが正解とは限らない

私がまだ若いころ、私のクラスに入ってきた生徒さんが、次第に頭角を現しました。

私の指導が…ということではなく、たまたまなのですが、他の曜日を担当していたベテラン講師に「○○君、できますよね?」と確認してみたことがあります。

その講師は、「あいつはどんな問題でも必ず答えまで辿り着くからな~」と答えました。

よく、サッカーでシュートで終わるのが良いと言われますが、それと同じように、正解・不正解に関わらず、答えを出して終わることが素晴らしいということです。

 

そのときは、その言葉をあまり重く受け止めませんでしたが、年数を重ねるごとに、それはとても大切なことで最大級の評価ということが分かりました。

解き方が分からないのに答えを出すということは、とても足腰が強く、そこにちょっとしたテクニックが加われば、鬼に金棒になるからです。

優秀な生徒さんのスカイプ指導をしていると、一言、伝えただけで、「あとは自分でできます!」と返ってきます。

 

その姿を理想とするのであれば、4・5年生の保護者様は、お子様が解き方が分からなくて苦戦しているときも、粘り強く答えを出すように導いていくことが大切です。

「勘」では意味がありませんが、「あてはめ」は有効です。

 

先日のブログでも書きましたが、中学では面積図や天秤は使わないから、算数でも方程式で解きたいと思われている方がいると思います。

それと遠からず、近からずといった行為で、模範解答通りに解かせたいというものがあります。

塾の講師が工夫して書いた解説なので、それをそっくりそのまま吸収したいということで、意識としては間違ってはいませんが、その姿勢は、知らない問題に接したときのパフォーマンスの低下に繋がる恐れがあります。

簡単に言うと、模範解答通り以外では解けなくなるということです。

社会に出ると、マニュアル人間は使えないと言われることがありますが、それと似ている話です。

 

もちろん、目に余るときは「こうした方が良いよ」「それじゃ駄目!」となりますが、その度が過ぎると逆効果というわけです。

「自己流」と「解説通り」の間に正解があるということです。

その正解を目指すためには声かけも絶妙なさじ加減が必要です。

 

今年1月に放映された下剋上受験は役に立つ部分はありませんでしたが、何年も前に放映された受験の神様はいろいろ役に立つ要素がありました。

日能研が監修だからでしょう。

以前のブログにも書いたと思いますが、模試でテストが終了しても、なぜかひとりで残り、夕方までずっとフィボナッチ数列を樹形図で一心不乱に書き出していった生徒さんが、そこでスランプを脱したというシーンがありました。

その子は開成レベルだったけど、模範解答を暗記することばかりで知らないことに立ち向かう姿勢がなくスランプに陥っていたのが、そのテストをきっかけに姿勢が変わり、無事開成に受かったというような流れでした。

実際のところ、樹形図で書き出すくらいではなかなか変わりませんが、言わんとすることは伝わります。

 

私の持論として、「速さ」をマスターすることは、算数の力をつけ、「場合の数」をマスターすることは、算数のセンスを上げることというものがあります。

場合の数は最短距離に解く方法もありますが、その最短距離は思いつきにくく、地道に解く泥臭い解き方をしがちです。

その泥臭く解く過程がセンスを上げることに繋がります。

良い解説を聴くだけでは、なかなかセンスは上がりません。

上手い解き方、下手な解き方をして経験値を上げ、センスを上げていきます。

 

サピックスの6年生夏期講習の場合の数で、

サイコロを何回か投げて和が8になるのは□通り?

という問題がありました。

これの最短距離に解く方法は、2×2×2×2×2×2×2-(1+2)=125通りだと思いますが、この解き方で解く生徒さんが何%くらいいるでしょうか?

1%もいないと思います。

地道に2回で8になる場合、3回で8になる場合、……というように調べていくと思います。

 

どっちが良い解き方かと言えば、最短距離に解く方法ですが、どっちが力がつくかと言えば地道な方だと思います。

仮に解説に最短距離に解く方法が載っていたとしても、それを真似することが良い学習だとは思いません。

解説には地道な方法が載っていましたが、全員がそれを真似する必要もありません。

解説は、自分の解き方とくらべるもので、参考になる部分があったら、それを取り入れる程度の扱いで良いと思います。

 

算数教材塾・探求の教材は、集中シリーズは、解説は簡潔に分かりやすく書いていますので評判もまずまずですが、どちらかというと、問題をたくさん解いて欲しいという教材です。

対話式算数などは、どうしてわざわざ対話型にしているかといえば、解法を真似して欲しいというより、思考の流れを育成したいからです。

「こういう順に考えていくと上手く解ける」という体験をしてもらうことで、論理的に考え、理解力を高め、解法力を上げていく狙いです。

 

模範解答を真似することが模範的な行動ではないという姿勢で行くと良いと思います。

6年生ならば、あまり悠長なことは言っていられませんが、4・5年生なら無駄な解き方、効率の悪い解き方が、案外、力をつけているというようにとらえても良いと思います。

 

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