家で算数を教えるときのよくある誤解

今回のブログは1つのテーマを取り上げるだけですので、ライト仕様になると思います。

教えるときの注意点のような内容はあまり書いてきませんでしたが、ご要望が多ければシリーズ化したいと思います。

ご要望の数は、にほんブログ村のアウトポイントで判断したいと思いますので、「こういうブログを待っていた」「今後もいろいろ書いて欲しい」と思われた方は、お手数をおかけしますが、にほんブログ村のバナーをクリック願います。

 

算数は、低学年のときは指で数えるから始まります。

算数教材塾・探求では小3の算数は書き出しを最重要テーマとしています。

小4からは本格的な受験勉強になりますが、算数はイメージを湧かして解く必要があります。

中学になって算数から数学になりますと、イメージしにくい問題が増えます。

イメージを湧かす力がないと公式にあてはめるだけの苦しい勉強になり、それで進めていくと、高校数学になると、もうお手上げで文系!となりがちです。

 

私は算数を教えているくらいなので、数学よりも算数の方が好きです。

ときどき、インターエデュで、中学受験の算数を教えている人は、数学ができないからと揶揄する人がいますが、好き嫌いの問題です。

中学受験の算数を教えている人は、ほとんどが算数の方が数学よりも好きだろうと思います。

好きな理由は上で述べましたように、イメージできることが楽しいという訳です。

逆に、数学の方が算数よりも好きという人は、イメージよりも合理的に突き進んで答えを求めることが好きなんだろうと思います。

 

ブログタイトルとズレているような気がするかもしれませんが、ズレていません。

子供は成長とともに変わります。

最初は「数える・書き出す」、徐々に「イメージして計算」、やがては「イメージしにくいことも公式化して計算」

このように移り変わっていきます。

成長の度合いはお子様によって異なります。

 

例えば、「十二角形の対角線の本数の求め方を教えて欲しい」と言われたとします。

「公式があるよ。N(N-3)/2で解けるよ。」などと教えている講師を見たことがありますが、私はそれは良くないと思っています。

 

私の場合は、七角形を描いてみます。

1つの頂点から対角線が4本ひけることを確認します。

すべての頂点から対角線をひいたら28本ひけることを確認します。

必ず2本の対角線があることを確認します。

この考え方で十二角形を考えてごらんと言います。

計算式を身につけることよりも、「見る・数える」を重視しています。

それを経て公式が身につきます。

 

そのあと質問した生徒さんが十二角形の対角線を求めるとき、「十二角形を描く」、「12-3=9本、9×12÷2と計算で求める」という2つのタイプに分かれます。

これを優劣をつけてはいけないと思っています。

生徒さんの成長の度合いの問題です。

 

あるいは、生徒さんが、対角線の公式を使わずにいまの方法で求めていたとします。

その子が優秀ならば、「公式あるけど知っている?」と聞きます。

普通の子ならば、それで良いとします。

成長の度合いを無視して公式を教えないということをモットーとしています。

例えば、答えが三角数になるときであれば、「三角数で求める方法もあるよ」と教えずに、せいぜい「答えは三角数になっているね」くらいにしておきます。

そこに食いついてきたら、三角数で解ける理由を説明しますが、その確率はあまり高くありません。

 

さて、本題に照らし合わせていきます。

同じ内容の方が分かりやすいと思いますので、十二角形の対角線の問題ができなかったとします。

解説には「(12-3)×12÷2=54本」と載っているとします。

もう少し、丁寧な解説だと「自分と隣には対角線は引けないので、1つの頂点から12-3=9本引ける、12個の頂点から9本引いていくとダブるので9×12÷2=54本」というくらいでしょうか。

これを見たときに、お子様にどう教えるかです。

 

解説を追って、「3を引く意味は分かる?」「12をかける意味は分かる?」「2で割る意味は分かる?」

このような教え方はよくありません。

「イメージする段階」という考え方がベースにないといけません。

十二角形を描くのは大変なので、五角形か七角形くらいを描いて、それで教えるべきです。

解説にはそんなことは書いていないかもしれませんが、それが必要です。

小さな数字、簡単な図で教えるという基本姿勢です。

 

その問題と異なる図でイメージが湧き、その後、お子様自身の力で十二角形の対角線の本数が求められたら、いきなり十二角形の対角線の本数を教わるよりも、ずっと身につきます。

達成感が違いますし、能動的な行為になります。

解説を解説するのではなく、書き出す、調べる、試すという姿勢が大切です。

 

逆に、この問題を(12-3)×12÷2=54本で正解にできているときが心配です。

どうしてこうやって解けたの?と聞いて、イメージできているか確認した方が良いと思います。

イメージする段階を踏んでいまに至っているかどうかが重要です。

そのときに公式しか言えなければ、問題ありです。

 

「解説があれば親は教えやすい」と考えられている方が多いと思いますが、解説をそのまま使うと大きな落とし穴があります。

対角線の一例しか書きませんでしたが、ご参考になりましたら「にほんブログ村のバナーのクリック」をお願いいたします。

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ライト仕様のつもりでしたが、2262字の力作になりました。

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