- 2016年2月9日
似たようなブログを何回か書いた記憶があるような気がしますが、タイトル通りの内容になります。
あまりひねりも入れずにストレートな濃厚な内容になると思います。
通塾をすると、良い講師に教わりたいとだれでも願うことでしょう。
良い講師の条件はいろいろありますが、
そのうちの1つが、「スマートな解法でその問題をやさしく解ける」ように見せかけることです。
集団授業をしていると、生徒さんの反応は
- 普通に理解してついてきている
- 感動している
- 分かったような気分になる
- しっくりこない
もっといろいろなタイプがいると思いますが、主にはこの4タイプで良いと思います。
良い講師に教わると、「しっくりこない」が減り、「感動している」「分かったような気分になる」が増えます。
器用な生徒さんであれば、コピーをするかのように再生し、家でも復習が滞りなくできるかもしれません。
しかし、どうしてこうするのだろうということが抜け落ちている可能性があります。
トップを行く生徒さんや、隙のない生徒さんは何故に拘ると思いますが、ほとんどの生徒さんは「できたから終わり」となると思います。
スカイプ指導でもできている生徒さんに、粗を探すように、「何故?」「どうして?」と聞いていくと、とても嫌そうな雰囲気を醸し出します。
「できているんだから良いでしょ」となってしまうのは致し方ないことだと思います。
しかし、応用力を付けたり、初見の問題を解いたりする力はそれでは物足りません。
自分で地図を描いて完成させるためには、仕組みをしっかり理解していないといけません。
例えば、円の外側を回る問題は、回転数は「+1」をし、円の内側を回る問題は、回転数は「-1」しますが、
「どうして+1をするの?」とか、「どうして-1をするの?」と聞くと、
「それでできますよね」と返ってきます。
「それでできるのは分かっているんですが、理由が分かりません」という返答がベストだと思いますが、
なかなかベストにはいきません。
授業の上手い講師に教わると、喉ごしの良いうどんのようにつるんと入っていくと思いますが、
シビアに見ていくと「どうしてそうしているのか」ということが抜け落ちている場合があります。
塾の集団授業で上位一握りにいるようでしたら、つるんと入りながら且つしっかり理由も理解しているのかもしれませんが、
そうでなければ、仮にそのような理由の説明があったとしても吸収はしないと思います。
そういった理由をクドクドと説明すると流れが悪くなりますので、授業の上手い講師は、難しいことも端的に説明していくというわけです。
むしろ授業のあまり上手くない講師に教わっていると、講師の説明を聴きながら、自分だったらこうするのに~
ということで能動的な頭の使い方をして、プラス面もあるかもしれません。
対話式算数の解説は、極力省略をしないようにしています。
特に規則性は、省略するために計算をするのですが、対話式算数では計算をした上で、省略せずに書きます。
パソコンのソフト上ではコピーするのが簡単だから出来る芸当であって、黒板の授業ではそういうことはできません。
生徒さんに、「式」と「すべて省略せずに書いたもの」を見くらべて欲しいのです。
この多量に書いたものが、この式と同じことを表しているということが実感できれば、視界が開けます。
式だけ詳しく書いてもダメです。
式と同等のものでイメージしやすい鮮明なものを並べないとその効果が表れません。
対話式算数を執筆し始めたのは2012年で、前回のロンドン五輪のころですが、
そのときは、通塾には到底かなわないけど、他の通信教育の教材よりは上のものを作ろうと考えていました。
しかし、書面に工夫して解説を書くことを考え続けていますと、どう考えても塾の授業を受けるよりも効果が大きいのではないかと思います。
改めて理由を書きますと、「分かった気になって浅い学習にならない」「極力省略しないので式の意味を実感しやすい」
この2点はとてつもなく大きいです。
もちろん生徒さんが問題を解くときは、式だけで、思いっきり省略をするわけですが、
問題集の解説がその見本ではいけないと私は考えています。
これがこの式になるんだと分かれば、見本などはいらないと思っています。
見本しかなければ大問題です。
算数を磨くにはこの式でどういうことをしているのかを実感していくことが必要で、
それは授業で自然と身につく優秀な生徒さんもいますが、
そうでない多くの生徒さんの場合は、授業の上手い講師に教わってもそれが身につくとは思えません。
余裕を持ってじっくり式に向かい合って身につく場合もあるかもしれませんが、
参考書で、式は何の代用になっているのかを鮮明にして理解してくことが良いと思います。
解いていくだけで力をグングン付けられる生徒さんには素晴らしい以外の言葉はありませんが、
そうでなくて苦戦している生徒さんには、塾での質問、動画授業、個別指導、家庭教師のどのアイテムよりも
解説書をじっくり読んで式の意味を理解することが大切だと思います。