思考力問題を考える時間は何分まで?

思考力をつけたいと考えている人は多いと思います。

教わるだけで思考力が身につくと思っている人はいないと思います。

しっかり考えることを継続して、徐々に思考力がつくと考えている人が多いと思います。

では、どのくらい考えればいいのでしょう?

最近、いろいろなところで、それについての意見を見るような気がします。

いまの入試には思考力が重要ということが周知されてきたのだと思います。

しかし、塾関係者、家庭教師、受験終了の保護者、みな、言うことがバラバラだと思います。

つまり、模範回答はないようです。

しかし、明らかな間違いもかなりあります。

小学4・5年生は、時間が十分あるから30分という人は案外多いです。

しかし、私は、以前、塾講師のときに1問に20分考えさせたことがありましたが、まるで無駄でした。

試験的に、無料補習のときに試しました。

こんなことを書くのもどうかと思いますが、ゾッとする光景でした。

30分と提案している方は、そういう経験がきっと無いのでしょう。

なんとなく長い時間考えた方が良いからという理由で、30分くらい考えようというアドバイスなのでしょう。

塾講師や家庭教師はいろいろな経験に裏付けされてアドバイスされている印象をお持ちかと思いますが、そうでもないような気がします。

何分考えたらいいかは、お子様を見ていれば、すぐに分かると思います。

基本的にはほぼゼロです。

呆れてしまうかもしれませんが、間違いありません。

お子様が手を動かしていたり、「もう少しでできそう」と言ってまだまだ解き続けたいというときは見守り、そうでないときは終了で良いと思います。

スカイプ指導のときも、生徒さんが怖い声で「できそうだから、考える時間を下さい!」と鬼気に迫るときがありますが、そういうときは、もちろん時間を与えます。

それが延長のサインです。

そうならないときは、題意を読み取って、ちょっとやってみて、ダメなら終わりで良いです。

時間でいうとせいぜい3~5分です。

お子様によっては30分でも飽きることのない破天荒な子もいるかもしれません。

つまり、時間のルールで決めるのではなく、問題とお子様の資質で決まります。

考える時間の長い子は、そのまま放っておくと、他教科の勉強ができなくなるので、算数を最後にしましょう。

しかし、これで「はい。そうします。」と納得されてしまいますと、お子様は思考力はつかないでしょう。

考える下地ができていないからといって、どんどん飛ばし、考えなければ思考力はつきません。

それならば、やはり考える時間を与えたいということで、頑張らせても効率が悪く効果はないと思います。

「思考力向上は諦めてください」と言っているわけではありません。

優しさに満ち溢れた算数教材塾・探求のブログで、そんなことを書くわけがありません。

対案のない主張はしないことにしています。

時間ではないところで工夫をします。

前回のブログで少し触れましたが、お子様は、面倒な作業をすることはあまり嫌がりません(親の前ではどうかは分かりませんが)。

しかし、解けない問題を考えることは嫌がり、思考が停止します。

このような特性から、面倒な作業も含め具体的な指示をして、その指示で駄目ならば諦めるという手が最善の策です。

具体的な指示というのは、「書き出して答えを出したら?」「当てはめて答えを探したら?」のいずれかです。

思考力問題の多くは、それで答えが出ます。

正解にならなくても、答えに近づいていくだけで思考力がついていきます。

割合や和差や速さの問題は、当てはめで答えを出しても物足りませんが、飛ばすよりも力がつきます。

この問題は、書き出しでも当てはめでもできないという問題は飛ばしていいです。

少々雑に書きすぎましたので、もう1回書き直します。

4・5年生の間は、書き出せば解ける問題が多いです。

「書き出したら?」のアドバイスが通用しやすいです。

6年生の問題になると、そういうわけにはいかなくなります。

もう少し気の効いた指示をしないとなりません。

もちろん、いきなり保護者様がベストの指示を出すことは難しいです。

「書き出してみたり、当てはめたりしたら?それでできなければ諦めるしかないね」

この指示だけでもある程度の効果は見込めます。

しかし、さらにもう一歩上を目指したいところです。

そこで役に立つのが、対話型の解説です。

「これは書き出しだ!」「これは整理して式を並べるんだ!」「これは偶数・奇数を考えるんだ!」「これは最小公倍数で全体を決めるんだ!」「これは小さい数字で練習して仕組みを見抜くんだ!」

こういうことが分かりましたら、お子様に「偶数・奇数がポイントみたいよ?それでできなければ諦めようね」というようなアドバイスができます。

一歩どころではなく三歩くらい上に行ったと思います。

「算数が分かっている家庭教師をつける」「親が算数マイスターになる」のいずれも難しい場合は「対話型の解説を使う」ことがベターです。

改めて書くことでもありませんが、思考力問題をしっかり取り組まなければ思考力はつきません。

入試報告会では耳にタコができるくらい聞かされますが、難関校は思考力次第です。

塾の1週間の学習を振り返ってみまして、思考力問題を取り組んでいますでしょうか?

難関校を目指している方でも「NO…」という方が多いと思います。

みんなも同じような状況のはずだから、これでいいのかな?と考えがちですが、そう考えると難関校は難しいです。

典型題の復習も重要ですが、それと同じくらい思考力問題に触れることも重要です。

対話型の解説の「小4グランプリ算数」「小5グランプリ算数」「小6対話式算数・難問編

考えることが大好きなお子様用の教材として、解説無しでじっくり考える「小5応用力をつける

上記4点のいずれかをお勧めします。

難関校を目指しているお子様全員にお勧めしたいです。

上記4点の教材に代わるものは市販では見かけないと思います。

是非ご検討ください。

「応用力をつける」は昨年度作成し自信満々の教材でしたが、今年度は2年目ということもあり、細部まで見直しています。

その結果、大幅とまでは言えませんが、かなり書き換えて改良しています。

満足度の高い仕上がりになっていますので、特にお勧めしたい教材です。

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