サピックス5年生へ「深く理解できていますか?」

タイトル通りです。

サピックスの5年生への心配事です。

現在、デイリーサピックスの解説を書いて、ご希望の方のみにお渡ししておりますが、

510-33の平面図形(2)は、A4で39枚に及ぶ大作です。

自慢とか宣伝ではありません。

この分量を1週間でしっかり理解できるのでしょうか?

 

サピックスは数値替え文化です。

あまり言われていないのが不思議ですが、それがサピックス算数の最大の特徴です。

問題文はそのままで数値だけ替えた問題を反復するというものです。

 

塾によってはその数値替えを否定しています。

少し文章を変えたり捻りを入れている類題文化です。

 

私は多感な時期にサピックスで働いたこともあり、数値替えは大肯定です。

前職にその文化を持ち込みました。

その行動は間違えていないといまでも思っていますが、

前職の上司は数値替えを否定していました。

「これじゃ応用力つかないよ!」

サピックスの文化に対して、よくそういう的外れなことを言えるなあと感心したものです。

「サピックスの真似しているんですが」と言わなかったからかもしれませんが、

ワイン通の人にブラインドテストをしたら、安いワインを指して「これが高級!」と言うような感じかもしれません。

 

しかし、その数値替え問題を反復して解くという行為で、

理解力が深まり、応用力がつくお子様もいますが、

式にあてはめて終わりという浅い理解で終わるお子様もいます。

 

タチが悪いことに、5年生のマンスリーテストではその学習姿勢の違いが表れません。

6年生になって徐々に結果となって表れ、6年後期になると決定的になります。

 

塾講師は気楽です。

塾生はたくさんいるので、できる生徒もいればできない生徒もいる

できる生徒は難関校に行く、できない生徒は中堅~下位校に行く

それだけのことです。

クラスが下がっても、平然と「これで理解できるクラスに行きましたね♪」と言い出しかねません。

 

少々言い過ぎましたが、塾講師のメイン業務は、

できる生徒を満足させる授業をすることで、それが大変なのです。

 

数値替えで深い理解ができているか、浅い理解のままかは、マンスリーテストでは分かりにくいと書きましたが

分かる方法があります。

随分前に学習した問題を解かせます。

忘れていて解けないかもしれません。

それが問題ではありません。

それを解説など読んで再び思い出したときに、

どうしてそういう計算をすれば解けるかを口頭で説明できるかどうかです。

 

その際に筋道がしっかりしていれば深い理解です。

ところどころ省かれていて厳しい目で見ると、つながっていなかったとしても、何とか及第点です。

論理が破綻していれば、浅い理解です。

浅い理解は、この先、必ず窮地が訪れます。

 

こんなもんで大丈夫かな?サピックスは難関校にかなり受かっているし~

 

と甘い目で見られている保護者様もいらっしゃると思いますが、

ひと学年5000人で1000人が難関校に行くとしたら、4000人が難関校に行けないわけです。

難関校に受かる子は深い理解ができていると考えた方がいいです。

 

現在偏差値60台でも深い理解ができていなければ徐々に下がるでしょう。

50近辺まで下がってもおかしくありません。

現在50くらいなら深い理解ができていれば60にもなりますし、そうでなければ40台前半でしょう。

来年のいまごろの状況は、いまの学習の鏡です。

 

深い理解をするのにはどうしたらよいでしょうか?

数値替え問題だけで深い理解ができるお子様もいるわけですが、

そうはなっていないということは、この先も数値替えの練習では深い理解は難しいでしょう。

 

では、他塾のように類題文化も取り入れたらどうでしょうか?

2つの文化を融合させるのは、かなり大変です。

処理能力が問われます。

 

では転塾で、類題文化の塾?

私は数値替えを肯定していますのは、類題は解説をなぞるだけの低品質な勉強になりがちだからです。

類題を解ければ良いと思いますが、解けずに解説を見る機会が多くなると、深い理解は難しいと思います。

それができるくらいなら、いまの環境でも深い理解になると思います。

 

数値替え問題を解いても深い理解ができなければ、書物をしっかり読んで理解していくことが最有力です。

 

冒頭でご紹介しましたデイリーサピックスの解説書(正式名称:対話式算数TypeS、通称:タイサピ)は、

サピックスで配付されている解説とは内容も分量もまったく異なります。

㊟サピックスとは全く関係のない個人が作成し、解説がメインの解説書です。

例えるならばゲームの攻略本みたいなものです。

 

510-33は39ページで15000字です。

このブログがいま1700字ですので、これの9倍ほどです。

深く理解できることを念頭にかなり細かいことまで記述しています。

授業でここまで説明されていないでしょう。

説明していたら、授業時間が何時間にもなってしまいます。

 

そういったものを常に読んでいく学習スタイルを提案いたします。

数値替えの反復回数が少々減ったところで、まったく問題ありません。

深く理解できていることが大切です。

毎回39ページというわけではありませんが、だいたい10000字超えです。

1週間に3回ずつ読んで、さらに数週間後にも再度読んでというくらいしつこく活用してくだされば、

深い理解になること間違いありません。

 

目先の点数も大切ですが、深い理解をしないと今後の荒波に飲まれるという視点も大切です。

まだタイサピをご覧になったことのない方は、是非ご利用なさり、深く理解していくことをお勧めいたします。

 

ここからは書き辛いことなのですが、現在、サピックス生をスカイプで数名教えておりますが、

タイサピをしっかり読んでいれば…

と思うことが多いです。

逆に言えば、その気持ちが強いので、現在の4、5年生には、いままで以上にタイサピを勧めたいと思っております。

 

塾の論理の「できる人が受かれば良い」と、保護者様の想いは異なるはずです。

タイサピで深く理解して、6年生後期になったときには、

「大器晩成の子だったんだ!」と思われるようになって欲しいと思います。

 

1月になりましたら、6年用のサンプルを2回分お渡しいたしますが、

その前に5年用の教材(バックナンバー含め)を熟読して欲しいと思います。

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