- 2018年3月17日
私は、この数年、各塾の合格実績数にはほとんど興味がありませんでした。
どれくらい金銭や時間の負担を軽くして、学力を高められるカリキュラム、教材、テストを提供している塾なのかにしか興味がありませんでした。
しかし、今年は早稲田アカデミー大躍進という文字がこの時期に目にする機会が多いので、軽く、早稲田アカデミーとサピックスの合格実績数を見くらべてみました。
サピックス
学校 | 2024年 2月4日 |
2023年 同時期 |
増減数 | 増減率 |
開成 | 236 | 239 | -3 | -1.3% |
麻布 | 168 | 193 | -25 | -13.0% |
武蔵 | 52 | 59 | -7 | -11.9% |
桜蔭 | 188 | 197 | -9 | -4.6% |
女子学院 | 129 | 140 | -11 | -7.9% |
雙葉 | 45 | 50 | -5 | -10.0% |
渋幕 | 379 | 411 | -32 | -7.8% |
渋渋 | 183 | 207 | -24 | -11.6% |
早稲田実業 | 47 | 35 | +12 | +34.3% |
聖光学院 | 154 | 168 | -14 | -8.3% |
駒場東邦 | 167 | 170 | -3 | -1.8% |
早稲田 | 117 | 121 | -4 | -3.3% |
海城 | 85 | 87 | -2 | -2.3% |
豊島岡 | 228 | 225 | +3 | +1.3% |
洗足 | 95 | 95 | 0 | 0.0% |
フェリス | 63 | 79 | -16 | -20.3% |
吉祥女子 | 153 | 144 | +9 | +6.3% |
浦和明の星 | 415 | 451 | -36 | -8.0% |
早稲田アカデミー
学校 | 2024年 2月4日 |
2023年 同時期 |
増減数 | 増減率 |
開成 | 132 | 104 | +28 | +26.9% |
麻布 | 101 | 87 | +14 | +16.1% |
武蔵 | 71 | 59 | +12 | +20.3% |
桜蔭 | 69 | 65 | +4 | +6.2% |
女子学院 | 94 | 64 | +30 | +46.9% |
雙葉 | 58 | 49 | +9 | +18.4% |
渋幕 | 217 | 197 | +20 | +10.2% |
渋渋 | 69 | 56 | +13 | +23.2% |
早稲田実業 | 69 | 81 | -12 | -14.8% |
聖光学院 | 52 | 66 | -14 | -21.2% |
駒場東邦 | 57 | 48 | +9 | +18.8% |
早稲田 | 110 | 95 | +15 | +15.8% |
海城 | 42 | 44 | -2 | -4.5% |
豊島岡 | 117 | 93 | +24 | +25.8% |
洗足 | 79 | 52 | +27 | +51.9% |
フェリス | 4 | 5 | -1 | -20.0% |
吉祥女子 | 90 | 58 | +32 | +55.2% |
浦和明の星 | 307 | 261 | +46 | +17.6% |
2/4時点のサピックス・早稲アカ合格者数と前年同時期との比較
(引用先ブログ:https://gosanke-juken.com/?p=12891)
この理由を書かないと意味がありません。
あくまでも個人の私見です。
多くの人がそれぞれ私見を述べていると思いますので、様々な私見を見くらべて、どういう背景があるのかを納得してくだされば良いと思います。
まず、私は2010年頃から、最近の保護者の采配力は目を見張るものがあり、進学塾の講師よりも優れた分析力、作戦の立て方をする人が多くなったと言い始めました。
「そんな馬鹿な~」と元塾の同僚に言われました。
その当時は、素人の親はできるだけ口を出さないで欲しいという風潮でした。
日能研は第一志望校はご家庭で自由に決めて良いけど、第二志望校以降は塾で決めるという方針でしたし、他の塾はもっと自由に受けられなかったと思います。
志望校選びで塾と決裂し、退塾するという話はよくあったと思います。
いまも古い講師はその考え方を持っているかもしれません。
そして、私は2013年に開業したときから、御三家だって塾無しで受かると言いました。
他の講師に「それは無理」と鼻で笑われました。
また、2015年から家庭教師はオンライン指導で十分に事足りると言いましたが、それも、他の家庭教師からは「オンラインで学力が伸びるはずがない」と強く否定されました。
そのとき否定していた家庭教師もオンラインに切り替えているか、いまも頑なに対面じゃなければダメと言っているか分かれます。
自分で言うのもおこがましいですが、業界の他の人よりは少し先を見ていると思っています。
余談ですが、いま強く思っているのは「小学4年生は家で勉強し、小学5年生から通塾開始」が新スタンダードになるのでは?ということです。
受験勉強自体は、5年生開始ではなく3~4年生開始だけど、通塾開始は5年生がちょうど良いと思っています。
オンラインがある時代に、小学4~5年生が週3日も4日も塾に行ったり、夕食は弁当で家で食べられないなんて、歪な世界だと思います。
そして、塾選びについては、実は、2013年から早稲田アカデミーを薦めています。
理由は、4科セットでの入塾だけでなく、単科で入塾できるという柔軟性があったからです。
年々予習シリーズが難しくなり、2021年(小4開始)にとどめを刺すかのように難化したため早稲田アカデミーを薦めるのは躊躇しましたが、もう、塾にお任せで、保護者はお弁当の用意と情報収集だけという時代ではないので、親は勉強面では口を出さないで欲しいという塾は時代遅れだと思っています。
今回の早稲田アカデミーの合格実績数大躍進は上記の理由に関係があると思っています。
まとめますと、次の3点になると思います。
- 保護者の入試合格に対する采配力が大幅向上していること
- 采配するためには柔軟な塾の方が利用しやすいこと
- 塾なし(通信や近場の個人塾なども含める)で5年生までや6年生夏まで進め、最後はNNで仕上げるという流れができていること
番外編として、早稲田アカデミーのコロナ対策は他の大手塾よりも早めで且つしっかりしていたので、2020年から数年間、意識の高い保護者に選ばれやすい点もあるかもしれません。
冒頭でも書きましたが、私は合格実績数にあまり拘りがありませんので、今後、サピックスがどうなるとか早稲田アカデミーがどうなるとかは占うつもりはありません。
しかし、いまの流れは止められませんので、中小塾は独自路線で構いませんが、業界を動かす力のある大手塾には、
- 生徒の囲い込みをやめ、部分的に利用できるシステムの導入
- オンラインの積極的活用
- 自学自習で学習しやすい教材の活用
- 行事や授業の営業はせず、時間的負担、金銭的負担を自由に選べるようにする
というような柔軟な誰でも利用しやすいスタイルに移行して欲しいと思います。
あくまでも受験は、勝利を目指すものではなく、子供の成長のための環境選びですので、スポーツチームの絶対日本一!のように、塾が「絶対合格!」とか「必勝!」と介入する姿は、中小塾ならともかく、大手塾がそれをやるのは健全ではないと思っています。