- 2023年11月11日
小学3年生や4年生を対象とした対話式算数・基礎編です。
2022年5月にスタートしました。
自転車操業的ではありますが、日々、執筆しています。
第5話から文章題が始まり、第5話は和差算、第6話は線分図で解く問題、そして、第7話はつるかめ算です。
つるかめ算は面積図の方が解きやすいです。
いま何を求めているのかが把握しやすいからです。
また、個数ではなく、時間や水量、距離などになって、小数や分数が出てきても、問題なく対応できます。
マイナスが出てくるものは、面積図で対応することは得策ではありませんが、普通のつるかめ算は面積図、マイナスが出てくるものは面積図をかかないという姿勢が良いと思います。
ところが、今回は、基礎ということで、面積図は使いません。
面積図は終盤の第39話に登場します(予定です)。
面積図は解きやすいですが、「縦は○○、横は□□で解きましょう!」という覚える算数になりがちで、いま何を求めているかは把握はできますが、それも、どうして縦を○○にして、横を□□にしてということが分かっていないと、把握できたとは言えません。
基礎段階としては、表の方がふさわしいと判断しました。
表の場合は、もし、全部ツルならばと考え、例えば、合計20匹のときは「ツル20・カメ0」のときの足の数を40本と求め、「ツル19・カメ1」のときの足の数を42本と求め、どうして2本増えたのかを理解できれば、この規則で答えになるまで書いていきます(理解できていれば計算でもいいです)
この一連の流れが、面積図よりも実感しながら解いていることになっていると思います。
つるかめ算は、大手塾では4年生の前半で出てきます。
和差算や平均算や消去算は、自分は何を求めているのか把握しやすいですが、つるかめ算は、面積図の書き方を覚えて解くという感覚になりやすいです。
つまり、つるかめ算から「解き方を覚えて点数を取る」という勉強の習慣になる子が多くなると思います。
岐路の分岐点と言ってもいいかもしれません。
覚える算数になる前に、どうしてこういう解き方で求められるのかを実感して欲しいと思います。
7・1
あてはめから始まります。
あてはめはイメージを湧かすために重要だという位置づけですので、それを具現化しています。
即席で問題を5問くらい作って、練習しても良いと思います。
子供の性格にもよりますが、時間を計って取り組むのも、センスアップに繋がると思います。
7・2
表を書く練習です。
省略しないで全部書くことで、作業力をつけたいです。
どうして差が一定なのか理解できなくても、しっかり書いていけば、特に問題はありません。
書いていく練習を続けていけば、やがては理解できると思います。
7・3
つるかめ算を表で解きます。
初め、0にするのはどちらでも良いですが、必ず0から始めます。
ここでもどうしてその差になったのかを考えるようにしましょう。
7・4
弁償する問題です。
面積図で解くような流れならば、扱いませんが、表で解くような流れなので、ここで扱うことにしました。
30円もらえると50円支払うの差は80円になりますが、これはマイナスの概念を利用するので、少々ハードルが高いです。
機械的に「もらえるときと支払うときの差は、たす!」という覚える算数は避けたいです。
表にして計算して、その結果から、やっぱりたすのかと納得することを続けていけば、だんだん、たすことが差になるというのが分かってくると思います。
そのためには、こういう問題をある程度数多くこなして、納得する回数を増やすことが大切です。
7・5
最後は、不定方程式です。
つるかめ算とは、数学では連立一次方程式のことで、これは個数が分からないので答えが定まらないことから、不定方程式と呼ばれます。
答えが定まらないので、あてはめて解きます。
次元の高い単元ですが、あてはめを重視している対話式算数・基礎にはぴったりくる単元です。
個数という条件がないので、条件不足のつるかめ算とも呼ばれていることから、対象は3・4年生ということを考慮して、この単元名にしています。
面積図から入ると、これを扱うか迷いますが、表から入る場合は、違和感なく扱えます。
まず1つ目を見つけたら、表にして、2つ目、3つ目を見つけていきますが、このとき、規則性があります。
規則性があるから次々と見つけられるので、これを芋づる式に見つかるということで、芋づる算とも呼ばれます。
どういう規則で答えが見つかるかは、6年生ならば、相手の係数を利用しますが、3・4年生にはそのようなテクニックは、覚える算数になるだけだと考えて触れていません。
書きながら「こういう規則がある!」と分かるくらいでいいと思います。
精神年齢が高く学力の高い子ならば、その規則の理由が、説明されなくても分かると思います。
興味がございましたら、こちらにどうぞ
覚える算数になりにくい教材ですので、「うちの子、文系かな?」と思われる方に最も使って欲しいです。
ご検討の程、よろしくお願いいたします。