親が本気なら、何をするべきか

中学受験をするのならば、できるだけ行きたい学校に進学したいとは、保護者であれば誰でも思っていることだと思います。

とても優秀な受験生は、きっと自発的にバリバリ問題を解いて、学力を高めて、良い成績を取って、良い学校に合格して進学するイメージがありますが、実はそうではありません。

あくまでも相関性があると言うに留まると思いますが、優秀な受験生の保護者の方が熱心です。

「子供の成績が悪い理由は、保護者が熱心じゃないから」とは限りませんので、そういうことを言いたい訳ではありませんが、優秀な受験生の保護者は想像以上に熱心です。

偏差値の高い難関校合格には、保護者の本気が欠かせないと言っても過言ではないと思います。

 

重要なことは、熱心でも、やっているベクトルが違う方向に向かっていたら、プラスに進みません。

熱心とはどういうことかというと、いろいろとあるとは思いますが、単純明快に書きますと、お子様が問題を解けるようにすることです。

この一語に尽きます。

 

問題を解けるようにというと、1回やった問題も反復して解き直す必要があると思われますが、塾に通っていますと、大抵は山のような課題が出ます。

塾側としては、問題が少なすぎると言われるのは拙いと思っているようで、とにかく量を重視します。

秋田県のおもてなしのようなものだと思います。

 

そうしましたら、1回解けなかった問題をその場でしっかり解けるようにしたら、それで終わりにするしかありません。

やがて、また似たような問題が出てきますので、それができれば良いと考えます。

常に目の前にある問題を解いて、解けなければ解けるようにしていくというのが、保護者の本気ということです。

 

しかし、問題を解いて、解けなければ解けるようにして、反復学習無しで、必ず学力が高まるのでしょうか?

必ずというと、身も蓋もない答えになりますがNOです。

YESとは言えません。

反復しないからではありません。

複数の分野を線で繋げるような体系立てた学習で身につけられないからです。

自然とそういうことができるお子様が学力が高まり、上位クラスをキープでき、難関校に合格できます。

1問1問、結果論のような納得で取り組んでいく場合は、体系立てた学習にならないので、上位クラスは難しく、難関校に合格できません。

保護者が本気を出しても、あとは、その期待に応えてくれるかどうかを見守るしかないということになります。

 

塾としては、一部の生徒が難関校に合格できれば良いので、いまの学習スタイルを変える必要は無いと思っていると思います。

大量の問題を与え、本気になっているご家庭の子の一部が、体系立てた学習が自然とでき、学力を高めれば良いというわけです。

そのためには、難しい問題を与えることが命題となります。

四谷大塚の予習シリーズや、改訂版のサピックスの新教材はまさにそのような感じです。

良い言葉で言えば、バラエティに富んでいて解くのが楽しいとなりますが、悪い言葉で言えば、体系立てられていないので、繋がっていないとなります。

 

当教材の対話式算数はがっちりカリキュラムで固められた集団塾ではありませんので、1つのテーマを理解して終了してから次のテーマに進むという学習になります。

先日、「仕事算(全体を決める)」という教材で、生徒さんから質問があったときに、「この問題は全体を決めるんだよ。タイトル通りだよね。そういう問題を集めて、その練習を目的としているんだから」と言いました。

かなり力をつけたら、ランダムにいろいろな問題を与えたいところですが、まず、仕事算は、「全体を決める問題」をマスターし、その後、「能力(1日の仕事量)の比が分かっている問題」→「能力を1にする問題」→「能力を逆比を利用して決める問題」に進んでいきます。

1つのテーマが身についたら、次のテーマに進んでいって、体系立てた学習を目指しています。

塾と異なり、大量の問題を与えるのは難しいので(競争しにくい環境なので)、反復学習が必要になります。

練習問題は15問の編成ですが、反復のときはその1/3の5問を取り組むという形で、短時間で効果的な反復を目指します。

 

通塾しても、対話式算数で学習しても、保護者の本気として求められるものは同じで、問題を解けるようにすることです。

対話式算数の場合は、体系的に問題が並んでいて、反復学習が必須なので、学力が高められやすくはなっていますが、「すべて解けるようにする!」という姿勢が必要なことは確かです。

これをやると必ず学力が上がる魔法の教材があるわけではなく、保護者が本気を出すならば、対話式算数に限りませんが、体系立てられた教材に全力を注いだ方が見返りがあると捉えて欲しいと思います。

 

お子様が解けないときは、保護者のヒント、説明、指示によって、定着の度合いが変わりますが、それを保護者に求めるのは、酷です。

取り組んだ問題をすべてできるようにするといっても、その捉え方は人それぞれ強弱があると思います。

保護者の本気とは、より完璧に近づけるように強く捉えていくことだと思います。

 

今回は、やや抽象的な内容になりましたが、少しでもお役に立つ部分がございましたら、すぐ下の「にほんブログ」のボタンをクリックをお願いいたします。

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