- 2021年10月11日
円とおうぎ形の面積です。
2019年版までは三角形や四角形の面積も混在しましたが、すっきりするように分けました。
円とおうぎ形は第15・16話で出てきましたが、今回は、それに比べて、かなり実戦的です。
「こういう場合はこうする」というようなテクニック的な解法もいくつか登場します。
全体的に難しく感じるかもしれませんが、ここで解法の基本パターンを身につけて、いろいろな問題を解いて、4年生の間に図形を得意にして欲しいと思います。
興味のある方はこちらにどうぞ
第31話:円とおうぎ形③の概要
31・1
円周率の計算は最後に1回にしましょうということを伝える単元です。
3.14と書くと、つい計算してしまうので、数学のように記号を使うことをお勧めしています。
パイでもいいですが、小学生らしく「円」です。
数学ではパイを使い、算数では3.14を使う理由を書きましたが、その理由に触れる講師はあまりいないと思います。
お勧め通りに「円」と書いて解いている生徒さんは、あきらかに3.14と書く生徒さんよりも正解率が上がっていると感じます。
31・2
斜線部分を移動させる問題です。
斜線部分が複数あったら、移動させてくっつけることが最有力です。
特に、お皿の形をした図形は移動する可能性が高いです。
移動すると楽になりますし、3.14の計算さえなくなる場合があります。
そこに喜びを感じると、図形が楽しく得意になるような気がします。
31・3
ヒポクラテスの三日月です。
どうして等しくなるかを説明しようすると、三平方の定理を避けて通るわけにはいきません。
三平方の定理の証明まではしませんでしたが、少しだけ触れました。
半円の円周角は直角になることを軽く触れました。
図形は、その場で類題が解けるかよりも、時間を空けたときに、その解法を使えるかどうかが大事です。
特にヒポクラテスの三日月は、いきなり登場したとき、利用することができるかどうかです。
31・4
正方形の中にピッタリはまる葉っぱのような図形は、正方形の0.57倍になります。
0.57=円周÷2-1ということまで軽く触れています。
それに付随して、0.785倍や、0.215倍なども覚えさせる算数講師もいますが、対話式算数では4・5年生の間は、この0.57倍までと思っています。
逆に、0.57倍を毛嫌いする算数講師もいますが、0.57倍を使うことによる弊害は無いと思っています。
葉っぱ型の0.57倍のことを「イモ率」と呼ぶ人もいますので、それに合わせて今回の画像はサツマイモにしました。
31・5
円やおうぎ形の問題で、半径の分からない場合があります。
そういう場合は、半径×半径を求めますが、レベルの高い問題になります。
対話式算数では、半径を1辺、または対角線とする正方形をかこうというようにしています。
一朝一夕には身につかない問題ですので、とにかく練習あるのみです。
練習問題
番号 | 難 | 要 | 講評 |
1 | A | 円周率の計算は最後に1回にしましょう。 | |
2 | A | 円周率の計算は最後に1回にしましょう。 | |
3 | A | 円周率の計算は最後に1回にしましょう。 | |
4 | A | 移動させると、とても簡単な形になります。 | |
5 | A | お皿型の移動の典型題です。 | |
6 | C | テ | 1つを求めて3倍するという解き方がいいと思います。1つを求めるときも移動はあります。 |
7 | A | ヒポクラテスの三日月です。構えていると思うので、軽く求められますね。 | |
8 | B | テ | これもよく見ればヒポクラテスの三日月です。 |
9 | C | テ | ヒポクラテスの三日月や、移動で、綺麗な形になります。 |
10 | A | 周りの長さは、四分円の弧が○本分と考えます。葉っぱ4枚の面積の和を求めればいいですが、1枚の巨大な葉っぱにもできます。 | |
11 | B | テ | 葉っぱ型16枚です。0.57倍を使うと楽に求められると思います。 |
12 | C | テ | 葉っぱ型で求めることも可能ですが、葉っぱ型の1/4の面積を求めるようにした方が、イメージしやすいです。 |
13 | B | ゼ | ここから、半径の分からない円の問題です。半径を1辺とする正方形をかきましょう。 |
14 | B | ゼ | これは半径を対角線とする正方形をかきます。 |
15 | B | ゼ | 半径を対角線とする正方形をかきます。葉っぱ型でもできますが、半径の分からないおうぎ形として捉えたい問題です。 |
※「難」は難度は以下の基準です。
A:確実に解けるようにしたい問題
B:サピックス偏差値50以上を目指す人向けの問題
C:サピックス偏差値60以上を目指す人向けの問題
D:特に難しい問題
※「要」は重要度で以下の基準です(B・C・Dのみ表記)。
ゼ:絶対に解けるようにしたい重要な問題
テ:よく出る典型題
ヒ:捻りのある問題
サ:地道な作業が必要な問題