- 2018年9月5日
模試の季節到来
まもなく9月を迎えます。
私が塾講師をしていた時代は、模試は9月からがメインで、1学期は1回か2回ある程度でした。
そのため、9月になると、いよいよ模試の季節がきた!とテンションが上がるわけですが、いまの時代は、受験生は1学期から模試を受けていますので、どうなのでしょう。
それでも、全範囲が終了した段階のテストで合格の判定が出るとなると、1学期とは意識がまるで違うのではないでしょうか。
大手塾に通塾している通塾生でしたら、自塾で模試が開催されると思います。
中小塾に通塾していましたら、「その塾自ら作っている」「いくつかの塾で連携して作っている」「大手塾の模試を利用するように指示される」のうちの1つ、または2つ、または全部だったりすると思います。
今回のブログのテーマは、塾から指示はされていないけど、任意で、他の塾の模試を受けた方がいいか?というご相談に答えていきます(実際のご相談です)。
模試の受け方
まず、模試の受け方を挙げていきます。
- 自塾の総合模試だけを受ける
- 自塾の総合模試にプラスして、他の大手塾の総合模試を各塾1回ずつ受ける
- 自塾の総合模試にプラスして、他の大手塾の総合模試を1つターゲットを絞り、その塾の模試のみを受ける
- 可能な限り受ける
- 上記の1~4のいずれかに加え、学校別模試を可能な限り受ける
- 上記の1~4のいずれかに加え、学校別模試をどうしても受けたいものだけを受ける
1か3,そして5の方が多いような気がします。
模試のメリットデメリットを考えてみたいと思います。
メリット
模試のメリットを考えてみます。
- 立ち位置が分かる
- 得意単元、苦手単元が分かる
- 集中して受けることで、体力がつく
- 新しい面が見える
まず、メリットの1ですが、個人的には、立ち位置は分からなくても良いと考えています。
入試にさえ通用すれば良いのですから。
例えば、栄光学園や駒場東邦のように、解く時間に十分余裕のある学校を目指している場合、模試で時間に追われ点数が低かったという状況ならば、あまり参考になりません。
受ける学校が模試のようなオーソドックスタイプなら立ち位置が分かることはマイナスではありませんが、プラスはあまりないような気もします。
しかし、心理的なことまで考慮しますと、数字がないと不安になります。
その不安を解消するために、立ち位置を知る目的で、上の模試の受け方の2や5や6を選択しても良いと思います。
上り調子で成績がぐんぐん上がっていて成績を見るのが楽しくて仕方がないという状況ならば、逆に積極的に模試を受けて、常に立ち位置を確認してニンマリしてモチベーションアップという手もあります。
2は正答率をチェックして、こういうところをもっと強化した方が良いと捉え、その後の学習に生かされるのであれば効果的です。
3は必要なものですが、月一くらいで十分だと思います。
4は1にも通じます。
自塾の模試はだいたい同じスタッフが作問していると思います。
他塾の模試もそうなのですが、作問者が異なりますので、少々傾向が変わります。
難しい問題になればなるほど、作問者の出題の仕方の違いがはっきり出ます。
相性が良い悪いがあります。
話が少々逸れますが、「入試問題は学校の顔」「こういう生徒にきて欲しいという学校のメッセージ」と言われることがありますが、そうではなく、作問者の個性です。
こういう問題を作れる先生がその学校に所属しているということです。
大リーグのエンゼルスは、投手は強烈な打力があるのではなく、大谷選手がエンゼルスに所属しているだけのことです。
この塾の模試とは相性が良いけど、この塾の模試とは相性が悪いという話はよく聞きます。
「どちらが重要ですか?」と聞かれる場合もありますが、「入試の作問者と相性が良いことが重要です」と月並みな回答をしています。
4はやや重視して、他のいくつかの塾の模試を受けて、いままで見られなかった要素があるかもしれないと考えても良いと思います。
想像以上の好成績を取って、やる気アップに繋がる可能性もあります。
デメリット
デメリットも考えてみます。
- 実際に受ける志望校の入試問題と異なる
- 時間が奪われる
- お金もかかる
- 体調不良になる場合がある
1はその通りですが、相対的には、学力の高い子は模試の結果も良くなりますし、入試問題も高得点がとれます。
模試と過去問の状況が一致しない場合は、レアケースとして捉えると良いと思います。
その場合は、どうして一致しないのかを分析すると、作戦の立て方が見つかりやすいと思います。
模試を重視して、その成績を上げていくことを目標の50%くらいに想定していく方針でも問題はないと思います。
2は大きいと思います。
家であまり集中して勉強をせず、テストのときが唯一の集中して取り組むという状況以外では時間のロスは気にしたいと思います。
6年生後半ならば、家ではあまり集中しないはあてはまらないような気もしますが、受験生もいろいろだと思います。
3はメリットが少ない場合のデメリットだと思います。
4は今年の場合は、コロナ感染が気になりますので、敢えて書きました。
まとめ
メリットデメリットを考えますと、あまり模試が多いのは、時間のロスにつながり、良くないと思います。
したがいまして、総合模試は自塾だけで十分です。
しかし、「もう少し立ち位置は上では?」と思われる場合は、他の大手塾の模試を1回ずつ受けていくことをお勧めします。
逆に石橋をたたいて渡る考え方でも、もう少し立ち位置は下ではと考える必要はありません。
模試と同じくらい、過去問も重要と考えれば良いと思います。
また、学校別模試も、立ち位置を知ることが目的となります。
上記の通り、作問者の個性が発揮されますので、現役○○中の作問者が、模試作成スタッフに加入というようなあり得ない状況でなければ、「○○塾の△△中風テスト」です。
問題の構成、答案用紙の配置など、ハード面は同じようになっていても、肝心の問題の味付けは「違うね」となっています。
したがいまして、難関校を目指す場合、その学校に最もたくさん受かっている塾の学校別模試だけで良いと思います。
それが自塾にあてはまらない場合も同じ意見ですが、この先、志望校の面談などをしていきますと、受けておいた方が良いということになるような気がします。
普通の人で月2、模試を受けるメリットが大きい人で月3くらいになると思いますが、受ければ受けるほど、過去問を受ける時間がなくなることを常に天秤にかけると良いと思います。
小学校の通学の扱いも、模試の回数、過去問の回数に影響しますので、そのあたりを考慮する必要もあります。
立ち位置を知ることは、上記の通り、精神的な問題ともいえますので、過去問とは異なり、自塾の模試も含めて受けなければならないものではありません。
メリットデメリットを理解した上で、計画を練ると良いと思います。