- 2021年10月13日
骨太の解き方
このブログでも、スカイプ指導でも、解き方に対するこだわりをとても強く持っています。
ブログでも何回か、解き方を具体的に書きましたが、なかなか解き方が改善する子どもはいないと思います。
今回は、理想の解き方を提示するのではなく、どうしたら、解き方を変えられるのかに焦点を当てたいと思います。
私は、スカイプ指導で自らの解き方を「骨太の解き方」と呼ぶことがありますが、それは、できるだけ多くの問題で使える解き方だからです。
何でそんなことを言えるのかというと、試行錯誤の末、解き方を築いたからです。
その問題にふさわしい解き方を考えるというより、問題を解き方に合わせるという姿勢です。
「こうすればいつもの形になるよ」というアドバイスが多いです。
何回もそういう指導を受けますと、「○○すれば~」と言いかけたところで、「あっ、あれですね」と返されますが、それならば、自力でその境地まで行けるのでは?とも思いますが、もう少しの辛抱かもしれません。
先日の指導で生徒さんに
- 解けないと言っていいほど解きにくいときもある解き方
- 簡単に解けるときもあるけど、分数になって違和感があるときもある解き方
- 楽にもならないけど、安定して違和感もなく解ける解き方
「3番がいいような気がするよ?」「2番がよければ2番でもいいけど」「1番は避けた方が良いと思うよ」
初め、1番のような形で書こうとして、すぐに挫折して、その後、3番のような形で書こうとしていたので、3番を勧めるようなアドバイスにしました。
個人的には2番も良いと思いますが、生徒さんとの相性で、そのあたりは柔軟に決めています。
複数の種類の問題にも対応できましたので、3番の解き方が固まったと思います。
ちなみに、その子は初め1番の形で解いたのは、塾で1番の解き方を教わったからだそうですが、指導者の考え方の違いだと思います。
この3番のような考え方も骨太の解き方に含まれます。
安定して、多くの単元、捻りに通用しやすい解き方を骨太の解き方といいます。
解けないときに成長する
ところが、生徒さんによっては、あまり解き方を教えない場合もあります。
基本的に解けないときにしっかり伝えるスタイルにしているからです。
自力で正解にしているときには、裏技のような簡単に解ける解き方ならば「それ良い!」と喜んで使ってくれる場合がありますが、私の解き方は、1問1問のベストを追求するというよりは、できるだけ少ない種類の解き方で、多岐にわたる問題で、しかも応用まで通用する方向を目指していますので、涎が出るような美味しそうな解き方には思えないと思います。
商売的にはポピュリズムの要素を入れた方が良いのかもしれませんが、学力向上最優先でやっていますので、面白い裏技的な考え方や解き方は、余談で触れる程度で、そこに食いつく生徒さんにはもう少し詳しく伝える程度にしています。
もし、本当はもっと私の解き方を教わりたいというスカイプ指導の生徒さんがいましたら、出来ていて、「次に行こうか?」と言われたときに、「解説してください!」と伝えてくだされば、もちろん教えます。
あくまでも生徒さんが教えて欲しいという希望が強い場合は、それは有効です。
スタンダードなスタイルでしたら、出来なかったときに、私の解法でしっかりと教えます。
「これのメリットは~」などと尾ひれをつけて伝えます。
そういうときに、とても優秀な生徒さんは、他の問題もそのスタイルの解き方を使ってみます。
その解き方が使えない問題に使って困っていたら、「今回は○○だから、あの解法は使えないよ」と伝えますが、そういうことが数回あれば、十分、私の解き方を吸収して使いこなします。
ここに、優秀な秘密といいますか、成績向上の秘訣があるような気がします。
まず、正解になっているときは不問で良いですが、出来なかったときに、どう解けば解けるかを身につけます。
そこで「この問題もう解ける!」で終わったら、意味がありません。
その身につけた解き方で、すぐに、他の問題を解くことをお勧めします。
指導者がついていたら、初見の問題でも良いですが、自学のときは、解き慣れた問題をその身につけた解き方を使って解いてみると良いと思います。
下の効能があります。
- 違った視点を身につけられる
- 解法のレパートリーが増える
- その解法の本質を掴める
- 良い解き方を身につけられる
解き方を変える
出来なかった問題というのは、難しい問題のことが多いと思います。
自力ではできなくても、講師の解説を聞いたり、解説などを見て、解き方が理解できたとします。
その解き方というのは、難しい問題に通用する解き方というわけです。
その難しい問題に通用する解き方を、いままで解けていた問題に使うことで、いままで解けていた問題の解き方が良くなるという流れです。
例えば、過不足算の簡単な問題を、いままで「あまりと不足をたして、くばる個数の差で割ったら、ハイ!人数!」鼻歌交じりに式だけで解いていたとします。
ところが、○人に△個、残りの人に◇個というように、途中からくばる個数が変化する問題などは、上記の式だけの解き方ではなかなか通用しません。
そこで、表で解くことを教わって理解できたとします。
その後、いままで式だけで解いていた過不足算も表で解いてみたら、しっくりくると思います。
結局、簡単な問題は、いままでと変わらない解き方のままかもしれませんが、表に示すことができれば、応用が利きやすくなります。
簡単な問題を表で解いてみることで、どういうときは表が必要で、どういうときは、式だけでも解けるというさじ加減が掴めるようになれば、学習の質が上がったことになります。
いままでなんとか解けていたものが、きちんと自分のものとして解けるようになるとはこのようなことだと思います。
過不足算の例えは、5年生向けですが、難しい話になると、イメージしにくいと思いましたので、過不足算を例にしました。
これを実現させるには、6年生であれば、これからがチャンスです。
過去問演習や志望校対策講座や複数受ける模試などで、難しい問題を解けないという機会は増えると思います。
それを解ける解き方を身につけたあとで、その解き方を、自力で解ける問題に使ってみるといった丁寧な学習を行えば、解き方の質の改善が見込めます。
前回のブログでは、問題数は減らしても丁寧な勉強が大切と書きましたが、それと同じ流れになります。
出来なかった問題の復習のときに、そこまで奥深く扱っていくことをお勧めします。
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