解き方を忘れることは恐れなくて良い

しっかり勉強して身につけたと思った問題が数ヶ月後に出てきたときに、解き方を思い出せなくてできないことはよくあることだと思います。

「あれだけしっかりやって身につけたのに、覚えていないの!」と思いたくなる保護者が多いと思います。

また、今後はいまよりも忘れにくくなるように、もっと反復回数を増やそうと考えるかもしれません。

しかし、そのとらえ方は間違っていると思います。

解き方の手順しか覚えていなかったことが判明して、むしろ良かったと思います。

 

私事ですが、何年か前に、健康診断で大腸ポリープの疑いがあると診断されました。

軽い痔なので、その出血だったのかもしれませんが、病院に行って調べたら、直径1.5㎝くらいのポリープと、とても小さいポリープが見つかりました。

切除して、1年後に再検査して何も無かったので、いまは問題ないと思っていますが、もし、その健康診断をしなかったらどうなっていたことでしょう?

ここ数年、友人や知人が何人か大腸癌で亡くなっていますが、私もその仲間入りをしていたかもしれません。

 

解き方を忘れてできないというのは、大腸の検査と同じようなもので、よくない勉強をしているという検査結果に過ぎません。

忘れることは悪だから、忘れないようにしようではなく、根本のところから改善した方が良いです。

 

忘れているというのは2つあります。

1つ目は、「面積図で解けるよ」など、一言のヒントで思い出して、できる場合です。

それなら今後このようなことがないか、もう数回あるかくらいで、自力で解けるようになります。

テストではできなかったとしても、忘れているに分類しなくて良いです。

忘れていると分類して、改善するようにとプレッシャーをかけないことがポイントです。

プレッシャーがかかると、悪い形で覚えようとして台無しになってしまう恐れもあります。

2つ目は、一言のヒントでできない場合です。

これは解き方の手順を覚えていただけで、記憶から残っていない状態です。

忘れたという事象により、改善しなければならない取り組み方が判明できたと考えた方がいいです。

 

解き方の手順を覚えない学習というのは、どうしてそういうことをするのかを納得して行くことです。

納得なしで手順さえ覚えていく学習は、1週間くらいは覚えていてできますが、その後、反復しないとエビングハウスの忘却曲線のように忘れてしまいます。

そこで反復がたりないと考えたら危険です。

解き方の手順を覚える学習になっているからダメと捉えて、その状況から脱出した方が良いです。

エビングハウスの忘却曲線は、電話番号のような数字の羅列の暗記の話だったと思うので、算数とはまったく違うのにと思っていましたが、解き方の手順を覚える学習は、数字の羅列の暗記に近いような気がします。

エビングハウスの忘却曲線の話が出てくる時点で、悪い学習になっていると言えます。

 

反復しないから身につかないではなく、身につけず覚えているだけだから反復しなくてはいけないと考えて、反復は必要最小限にして、解法の手順を納得していくことを心がけると良いと思います。

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