質問したらできるようになるのか

「質問しなさい」という言葉をよく聞きます。

塾講師がいう場合があります。

「分からなかったら質問してください」

というものです。

それは、挨拶のようなもので、本気で言っているわけではありません。

仮に、全員が質問にきたらパンクしてしまいます。

そういう体制が整っているとしても、サービスの良さを売りにするセールストークです。

 

保護者様からもよく聞きます。

「うちの子、質問しないんですが、先生から声かけてもらえませんか?」

というものです。

分からないところが分かるようになれば、もちろん学力が上がりますが、質問で学力が上がるところまではなかなか行きません。

それが可能ならば、授業を聞いただけで十分なはずです。

また、受験勉強も6年生から開始でも大丈夫となります。

 

ここで、私の立ち位置をお伝えしておきます。

質問をしたら学力が上がるということはありません。

宿題ができて、誰からも非難されない、完成させてすっきりするという効果はあります。

 

まず、塾の授業を聞いていたとして、あるいは、発展的な課題が出ていてそれを質問する場合でも、事前に解説を見て理解できていないと思います。

できていない問題は、時期尚早の可能性が高く、先送りした方が良い場合が多いです。

勉強は横一線にやる必要はなく、適度な負荷をかけるべきです。

負荷がかかりすぎるものは、効果がないばかりか、逆効果です。

例えば、私が量子力学の専門家のところに行って質問をしても、全く理解できずに帰ってくると思います。

バックボーンがまるでないからです。

 

そういう私ですが、塾講師時代は、他のどの講師よりも質問を多く受けたと思います。

上司に扱っている問題が難しすぎると批判されましたが、それで結果が出ているので、聞く耳を持ちませんでした。

そういうことがいろいろ重なって会社を辞めたわけですが、いま思えば、生徒ファーストでやっていたと思います。

 

誰よりも質問を受けていながら学力が上がらないというのは、どういうことかと申しますと、私に質問する生徒さんは、学力が上がる子が多かったけど、それは特例だと思っているからです。

教え方が上手かったから特例だったわけではありません。

生徒さんに目的意識があったからです。

よく、「どこまでできて、どこから分かりませんというように質問をしなさい」と言われます。

これは間違えではありませんが、正解でもありません。

 

大事なことは何のために質問にきているかです。

  1. 宿題を完成させるため
  2. 親に言われたから
  3. 仲の良い友達の付き添い
  4. テストで良い点数を取りたいから
  5. この分野を得意になりたいから

明らかにダメなものもありますが、この5個はどれもダメです。

 

4番目は邪道だからという理由ではありませんし、5番目もダメです。

私の中での唯一の正解は、「この問題を絶対に解けるようにするため」です。

その気持ちがあれば、上記の「どこまで分かっているけど、どこから分かりません」は有効ですし、その気持ちが不足していれば、形式的にどこから分かりませんと言っても、言わされているセリフのようなものです。

授業を休んだり、転塾をして、その分野を教わっていないから質問という場合は除きますが、授業を聞いたところの質問や、宿題からの質問の場合は、この問題を解けるようにするためという思いが強くない限り、質問の効果は無いです。

 

私の塾講師時代は、豊富な数値替えテストでプレッシャーをかけていき、できない場合は慰めること無く、努力不足としました。

質問に来たのにできなかった生徒さんへも、大事なのは結果ではなく経過だから、これでいいよなどと言うこともありませんでした。

質問に来るだけでできるようになるんだったら、みんな一流の学校に入れるよ、君は甘いよと言いました。

 

そして、賢い生徒さん、特に女子は可愛く「これはいつでも3で割れば良いんですか?♪」などと楽な道に誘導してくるのです。

世渡りが上手いなと思いつつ、「自分で考えることを、考える前に聞いたら手品の種明かしみたいに面白くないでしょ?」としました。

口の達者な生徒さんは、友達の必死な交渉を見て、「この先生がそういうの教えてくれるわけないよ」と言っていました。

 

そんなやりとりもありましたが、生徒さんは、とにかく正解にしたいの気持ちが強く、私は、とにかく頭を使わせたい気持ちが強く、その融合があって、学力が上がっていったと思います。

宿題を片付けるため、親に言われたからという理由の質問で、このような態度になるとは思えません。

テストでこの問題が出ると決まっていたら、テストで良い点数を取るために、真剣に質問することもありますが、テストで出るかどうか分からない問題にそこまでエネルギーを注げないと思います。

私のテストは、出る問題がすべて決まっていての数値替えなので、解けるようになれば、点数につながります。

そこが大きく異なるところです。

 

このような特殊な環境での質問でない場合は、やはり、授業中、楽しく真剣に授業を受けている子が伸びますし、そういう子が効果的な質問をします。

授業中にそういう態度でない生徒さんを質問から変えていくことはできません。

 

いまのは一例ですが、絶対にこの問題を解けるようにするという環境さえ作ることができれば、質問の効果は上がります。

質問に行くように促すよりも、環境作りを目指す方が大切です。

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