- 2017年10月26日
スカイプ指導で、今年の生徒さんではありませんが、小6の生徒さんに継子立ての問題をやったときに、スタンダードの問題で、枚数が100枚の問題のとき、軽々と(100-64)×2=72と答えてくれました。
「ハイ!正解!身についているね。じゃ、次の問題に行こう!」などと言うわけがありません。
正解ではありますが、「100-64ってどういう意味?」「2をかけたのはどうして?」と聞きます。
ご想像通りですが、答えられません。
また、長方形の内部に、正方形のマス目が縦に10個、横に30個あり、対角線をひいたら、何個のマス目が切られますか?という問題で、「10+30-1=39個です」と答えてくれた生徒さんもいました。
これは間違っていますが、「-1って何?」と聞いたら、答えられませんでした。
戦国時代の三大武将で、「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」「鳴かぬなら鳴かせてみせようホトトギス」「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」という3人の性格を表した狂歌があります。
塾講師もそれと似ているものがあります。
- 「理解できなくても、式だけ覚えよう」
- 「理解できなければ、飛ばしていいよ」
- 「理解できなければ、書き出そう」
リズミカルには表せませんが、大きく分けて、このような対応の講師に分かれます。
私は、問題によりますが、基本的には3です。
3でできない問題は2を選びます。
円の面積なら渋々1になりますが(時間に余裕があったら、毎回、長方形をかいてもらってもいいですが)、他は極力1にはしません。
でも、多くの塾講師はたやすく1にすると思います。
1にしないとテストで点数を取れず、クラス平均偏差値が下がるからです。
講師が悪いと言っても、塾のピースとして働いているので、仕方のない面もあります。
しかし、式だけでも覚えておこうと言われ続ける生徒さんの立場に立つと、とんでもないことです。
理解することが基本なので、基本無しで、式だけ覚えて解いたところで、工夫もできない、アレンジもできない、応用もできない、他の問題にその考えを流用できないの、できないづくしです。
基本というのは、簡単な問題ではなく、考え方、仕組みのことです。
解き方だけ覚えて簡単な問題はその式に当てはめてできても、基本ができているとは言いません。
4・5年生までは、塾のペースで良いと思います。
式だけを教わったとしても、自力で仕組みが理解できるかもしれません。
しかし、6年生になって、算数が徐々に下がってきている兆候がありましたら、それは、学習の質が低い、覚えるだけの算数になっていた可能性が高いです。