4年生から塾に行くべきか

受験勉強は4年スタートが常識

昭和から平成に移ったころから台頭してきたサピックスは4年開始でした。

四谷大塚が5年開始で、その方針の違いもあり、四谷大塚からサピックスに多くの生徒さんが流れました。

四谷大塚の5年開始の時代に、時間講師でしたが算数を教えていまして、毎週のカリキュラムを消化するのが大変でした。

いまとなっては笑い話ですが、初めて授業を担当したとき、しっかり教えられたと満足していたら、もうひとつの単元はどうしてやらないんですか?というクレームをいただきました。

1週間でまさか2つの重い単元をやるとは思っていませんでした。

5年開始では窮屈すぎて上手くまわらないという経験から、受験勉強は4年生開始、この考え方がブレることはありません。

もちろん、能力が高く吸収力の高い子でしたら5年生から始めても、さらに力があれば6年生から始めてもトップレベルまで行けると思います。

そういう特別な話をしましても意味がありませんので、多くの生徒さんに当てはまる話で進めてまいります。

 

通塾開始≠受験勉強開始

受験勉強開始=通塾開始と短絡的に考えてはいけません。

2020年はコロナウィルスの影響で、通塾ができず、そのかわりに塾のZoom授業をご自宅で見られました。

4年生の授業はいかがでしょうか?

なんとか授業の形態が保てれば、それで及第点で、お子様がぐいぐい理解していくという授業にはなっていなかったのではないでしょうか?

例年、4年生の保護者様は、お子様のフォローをとても熱心に行います。

塾講師で4年生を担当すると分かりますが、生徒さんが休むと、次週の確認テストでは、休んだ生徒さんの方が良い点数を取ります。

特に理科と社会が顕著ですが、算数もよくあることでした。

休むとなぜか良い点数が取れるという怪奇現象が起きているわけではありません。

休んだ分を保護者様が必死にフォローすると、通塾するよりも学習効果が高かったというわけです。

ということは、4年生で中学受験勉強のロケットスタートを切って、先行逃げ切りの理想的な展開に持ち込むためには、通塾しない方が実現しやすいのではないでしょうか?

塾講師や、塾と繋がりのある人はそう思っていても絶対に言いませんし、集団塾で働いたことがない人は分からないと思いますが、受験勉強の必勝法は、4年生は塾に行かないことです。

塾に行かずに、高額な家庭教師をつけてという意味ではありません(もちろんその方が効果が高いとは思いますが、現実的ではありません)。

良い教材を入手して、保護者様がしっかりお子様をフォローすることが、必勝法となります。

 

通塾のフォローは実は大変

上の章で反論があるかもしれません。

「欠席した週は必死にやったから結果が出たけど、それを毎週なんてできない」と言われそうです。

それはそうです。

学習時間が短くなっているからです。

欠席している間に勉強できないというハンディキャップがあるからです。

塾で1時間、家のフォロー1時間をやっていた方ならば、家で2時間のフォローに切り替えれば学習効率は上がります。

とは言いましても、2時間フォローなんてあり得ない!と思われます方は、通塾の選択が無難です。

算数は、塾教材を使うとなかなかフォローは難しいです。

他教科も同じですが、算数は塾の授業で理解できてきたこと前提の教材で、塾の授業を受けていないと、他教科以上にフォローが厳しいです。

では、話を変えます。

塾に行ってもフォローしなくてはなりません。

塾でどんな解法を教わってきたか、お子様のノートを見てもよく分からないと思います。

それが4年生というものです。

塾で配付されている解説と、実際に担当講師が教えている解き方が異なる場合はよくあります。

それが担当講師が悪いのではなく、塾で配付されている解説の内容が悪いのです。

そんな解説では身につかないからということで、講師が独自に工夫して教えているのです。

保護者様は、どっちを取りますか?

お子様が授業で教わっていない分かりにくい塾から配付された解説書で一から教え直すことと、塾の解説書より分かりやすい解法だろうけど、ノートを見ても、あまり解読できない解き方。

どっちも苦しいはずです。

そんなフォローしにくい環境よりも、塾とは関係ない良い教材を入手して、その教え方をしっかり理解して、それに導かれてフォローした方が良いと思いませんか?

中学受験をしたこともないし、教えられないと思われる保護者様も多いと思いますが、4年生のほとんどの保護者様は教えています。

皆様、ほぼ同条件です。

教えられる教えられないの問題ではなくて、教えないと下のクラスになってしまうから、必死に教えているというわけです。

 

良い教材とは

前章までの話は、あくまでも良い教材があればです。

良い教材が手元になければ、小4の学習と言えども、自宅でフォローするのは指導経験がないときついです。

一般的には四谷大塚の予習シリーズがベンチマークのように言われていますが、予習シリーズを自宅で保護者様のもとで学習していくのは厳しいです。

塾講師のとき、学生バイト講師が予習シリーズを使って授業ができるようになったと感じるまで3年くらいかかりました。

保護者様がどんなに熱心に予習シリーズを精読しても、お子様が受験が終わるまでは予習シリーズを教え込む形にはならないと思います。

良い教材として私の思っていることを4点挙げます。

  1. 良い教材とは、1ヶ月間でどれくらい学習すれば良いかというペースが分かる
  2. 解き方が分かる
  3. どうしてこういう解き方をするのか理由が分かる
  4. 練習問題や類題があり、定期的に反復練習ができる

予習シリーズは、3番のどうしてこういう解き方をするのかの理由が分かりません。

ここが、予習シリーズを教えられるまでに何年もかかると思う論拠です。

他はバッチリといえますが、最も重要と言っていい3番目がないと苦しいです。

教えるときに、説得力が無くなり「とにかく覚えなさい!」という禁句ワードをつい使ってしまうことになります。

私は上記4点が大切だと思っていますので、その4点をすべてまかなっている教材をつくりました。

それが当教材のメイン教材の対話式算数です。

対話式算数を学習したお客様が6年生や、受験が終わると、「下に子供がいたら、今度は4年生のときは塾に行かせない」とおっしゃってくださいます。

対話式算数を家で学習すれば、通塾するよりも学習効果が高いと予想されています。

お世辞も入っているはずでので、話半分で聞いていますが、全く思っていないことは言わないのではないかとも思います。

対話式算数に限らず、良い教材さえあれば、4年生は、通塾せずに、家で勉強した方が学力が高まります。

 

算数以外は?

算数は納得したけど、国理社は?

と思われる方もいらっしゃると思います。

国理社の方が、算数以上に家庭学習の効果が高いです。

理科・社会は、塾発行の教材を購入して、家でネットや動画なども併用して調べながら楽しく勉強した方が効果が高いです。

理科も社会も理解を伴う高度な内容は4年生では扱いません。

物理なんてやったことがないという保護者様でも、出てきませんので大丈夫です。

社会は地理からだと思いますので、もちろん大丈夫だと思います。

代講で、国語の先生が急遽、理科を教えているなんて、大手塾でもたまに見られる光景です。

どういうことかお分かりですね。

国語は、音読と、分かっていないだろうと思われる語彙を丁寧に身につけていくことが大切です。

音読ならば、家での学習の方がやりやすいはずです。

お子様の語句知識レベルは誰よりも保護者様が理解されていると思います。

これは、きっと分かっていないだろうなということを、スルーせずに確認していけば効果は大きいと思います。

漢字や語句知識や、理社の知識の確認テストを実施するという基本だけ外さなければ、家庭学習の方がむしろ英才教育です。

理解よりも覚えることが中心なので、教材は、算数ほどこだわらなくて大丈夫です。

 

まとめ

4年生の1年間で家でしっかり基礎学力をつけて、新5年生から通塾デビューというのが理想的だと思います。

他のページで改めて書きますが、基礎学力をつけられる教材でないと、大きな効果にはなりません。

覚えて解くだけなら、大したアドバンテージにはなりません。

費用が抑えられるくらいの効果です。

お子様のタイプによっては、もっと通塾を遅らせてもいい場合もありますが、小4のときは良い教材を使っての家庭学習、小5から通塾が、難関校に向けた王道スタイルというご提案をいたします。

異論反論はあるかもしれません。

しかし、みんなが小4から通塾して受験勉強を始めているから、我が家もそうしようと、それしか選択肢がないような意識で足並みをそろえることに警鐘を鳴らしたいと思います。

お子様やご家庭に合うスタイルが通塾ならば、それで良いと思います。

各ご家庭が、何がベストかを考えて選択するような時代になることを望んでいます。

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