- 2018年7月31日
勉強と聞くと「ノート」と連想するくらい勉強にはノートは欠かせません。
授業中にノートを持参しない生徒さんはいないことでしょう。
まだ塾に慣れていない生徒さんが青ざめた顔で
「ノートを忘れてしまいました」
という光景は毎年のようにあります。
しかし、授業から帰ってきて、ノートをしっかり取ってあったり、まったく取っていなかったりということがあります。
これは、講師の指示によるものです。
指示に背いた行動を取っているわけではありません。
講師によってノートの扱いが違う
講師によってノートの重視度はまったく異なります。
とても大切だと思っている講師から、取る必要なしと言い切る講師までいます。
どっちが正しいというものはありません。
スタイルの違いです。
ノートで講師の授業スタイルを分別すると以下のものがあります。
- 自由にノートを取って良い
- 説明中はノートを取らせずに、ノートを取る時間を十分に与える
- 説明中はノートを取らせずに、ノートを取る時間も少なめ
- その他
ノート重視派は1か2でしょう。
ノート不要派は3か4でしょう。
1はあまり良い講師でない可能性もあります。
押さえが効かず緊張感がなく、だらだら授業になっている恐れがあります。
それで良い授業をしている講師もいますが、お子様の担当講師が1の場合は気をつけた方が良いと思います。
授業中にノートを取る時間が無い?
2は難しいです。
授業時間内でノートを取らせる時間を作ることがです。
とにかくしっかり説明を聴かせたいとはどの講師も考えてはいますが、
そうすると、ノートを取りながらだと難しいです。
優秀なお子様で、授業中ずっと下を向いていても、とても良く聞いているというタイプもいますが、
普通のお子様では難しいでしょう。
そこで説明中は「手は膝」などと言って、話を聴かせ、説明後にノートを取るとなりますが、
ノートを取る時間を十分には取りにくいです。
最上位クラスは標準問題はすべて「おうちで♪」ということにして、
授業中に扱う問題を減らし、その分ノートを取る時間を多めに取ることは可能です。
最上位クラスならば、説明のスピードはとても速いので、如何様にも組み立てられます。
逆に最下位クラスは、「基礎に専念!」ということにできるので、
授業中に扱う問題を減らし、その分ノートを取る時間を多めにできます。
しかし、正規分布のボリュームゾーンの生徒さんたちのクラスでそういうことは難しいです。
扱う問題は減らしたくないし、授業中に丁寧に説明するだけではなく、問題を解かしたいので、
ノートを取る時間の優先順位が低いからです。
そうすると、自然と3になってしまいますが、それはクレームの温床になります。
ノートを取ってこない場合
ノートには、担当講師の授業力が反映されているというイメージをお持ちの方もたくさんいると思います。
ノートを取る時間が少ない→生徒は大して書かない→保護者様は悪い講師だと評価する
この流れができます。
授業力が反映とは考えていなくても、現実問題として、授業で理解が十分ではなく家で問題を解けないと、ノートを頼ることになります。
ノートを見て、塾講師と同じような解き方を保護者様がお子様に教えることが目的です。
しかしノートにあまり書かれていないと、それすらできずに困ってしまいます。
ノートを取っていないことに対する不満点は、教えることができないからの方が強いと思います。
配付される解説がノート代わり?
授業を良く聴いて、さらに家で問題が解けないときのバイブルということで、
講師がノート代わりとなる解説を配るという方法もありますが、大手塾ではそれはあまり望まれません。
禁止にしている塾もあると思います。
どうしてかおわかりでしょうか?
紙代、コピー代のコストの問題もありますが、1番はサービスの均一化が崩れるからです。
あの講師は解説を配っているのに、なんで自分の担当講師は配らないの?
というクレームを恐れています。
納得できるようなできないような理由ですが、そういうことになっています。
4は様々ですが、生徒を信じるところが源泉になっています。
原則は説明中はノートを取らないけど、重要と思ったこととか知らなかったことだけノートに取りなさいというものです。
ちなみに私は、前職は解説を配付して良い塾だったので、配付し、授業中は
「板書しないことを書きなさい」
としました。
ときどき、「こんな大切なことは当然書いているよね?」と確認したりもしましたが、
ノートを取っていなくても、解説も配っているので特に問題なしというわけです。
案外、説明を聴くことに集中し過ぎて、何も取っていないというお子様も多いです。
役に立つノートとは
では、3のパターンで、授業中にノートを取れずに、家で宿題ができないという場合はどうすれば良いでしょう?
上記の通り、ノートを取れないのは、お子様の問題ではありません。
担当講師の授業スタイルによるものです。
しかし、ノートを取っていれば、好転するという問題では無いと思います。
ノートを取ったら理解が深まるというわけではありません。
お子様が授業中にノートを取って、家で宿題をやるときに少々やりやすくなるかもしれませんが、
そこまで役に立つものでは無いような気がします。
授業中の説明の時間にノートを取ることは、月並み意見ですが、マイナスです。
どんな視点で見てもプラスとは言えません。
塾で配られる解説を参考にすれば良いと思うのですが、担当講師の解説と異なる場合は多々あります。
塾講師に相談しても、解決策を提案してくれない場合があります。
「不安だけど、それでも良いのかな…」とつい思ってしまいがちですが、保護者様の不安の感覚が正解です。
そろそろ解決策を書いて閉めたいと思います。
上記の通り、私の以前の方針をベストとします。
つまり、授業中の理解力、ノート、配付される解説の三位一体の合わせ技で問題を解くというものです。
解説に載っていることをノートにとっても意味が無いと考えて、心に余裕を持ちましょう。
ここだけ覚えておけば、この問題は解けるだろうというポイントを意識して、それをノートに記しましょう。
ポイントを意識すると、授業の受け方にメリハリが出て、理解力が深まることも期待できます。
例えば、初めての道を通るとき、メモ帳に、曲がる交差点の特徴とどっちに曲がるかだけを書いて、辿り着くという感覚です。
良い解説を探す
その三位一体で上手く行かない場合は、どこか改善しなければなりません。
授業の理解力は簡単には上げられません。
ノートにワンポイント書いてもダメなら、もっと書こうとすると深みにはまります。
すると、やはり良い解説を仕入れることです。
そもそも塾で配付されている解説は、クレーム対策が目的かどうか分かりませんが、
理解できていないお子様向けではありません。
理解できているお子様の計算ミスを見つけるくらいの用途だと思います。
良い解説書を探し求めることが、状況を良くする最良の作戦だと思います。
家でのノートの使い方は次のブログで
世間で言うノートの取り方の指南書は、大抵、授業中ではなく、家でのノートの取り方の話です。
良いことも書いてあるときもありますが、算数はまとめるよりも、整えて書いて解くことが大切ですので、
あまり、「こういうノートの書き方が良い」という情報を仕入れても意味があるとは思えません。
マス目があった方が整えて書きやすいので、ノートを使用した方が良いと思いますが、
こだわったりすることなく、使い捨てで問題ないと思います。