非受験学年の夏休みの学習

夏期講習まで1ヶ月を切ったころです。

6年生の夏期講習は特に重要です。

ここで力を飛躍的に伸ばすこともできますし、大幅にダウンする可能性もあります。

天王山とは違いますが、相当な意気込みで夏を迎えて欲しいです。

 

それに対して、4・5年生はどうでしょうか?

こんなことを言ってはとためらいますが、実はそれほど重要ではありません。

重要度はいつも通りです。

「行事がいろいろある」「授業料が高い」などの理由で、夏期講習を全欠したとしても、計画的に学習ができればビハインドになることはありません。

むしろ、机の上では学べない勉強をすることに力を入れた方が良いと思うくらいです。

 

特に、理科は自然に出ないと分からないことが多いです。

写真で見たことはあっても、実際の大きさやどういう環境でそれが実存するかを知らないということもあります。

お子様が計画を練るのは難しいと思います。

保護者様がテキストや参考書を見て、これを実体験させたいと計画を練るのがベストです。

私は理科を少々教えていた程度なので、理科を語るのは避けていますが、理科の講師は、こういうところに連れて行きたいというところはいろいろあるようです。

社会の講師もそうらしいです。

可能であれば、どんどん外出した方が良いと思います。

 

とは言え、4・5年生も机の上の勉強も重要です。

6年生ほど重要ではないというだけで、ここでテーマを決めて学習することがスケールの大きな受験生に成長させます。

既習単元の復習や、夏期講習の復習だけでは物足りません。

武器をつくるべきです。

 

お子様のレベルにもよりますが、スケールの大きな受験生に育てるには「場合の数」が一番です。

「場合分け」「計算か書き出しかの判断」「逆を求めるなど楽に解けるように上手く考える」

この3点は、算数の応用力に繋がります。

 

算数教材塾・探求では、集中シリーズと呼んでいますオプション教材があります。

小4は平面図形を強く勧め、小5は図形・割合を強く勧めていますが、それは万人向けのアドバイスです。

難関校を目指すために、力強さを育成するためには場合の数が必須とも言っていいほどです。

 

せっかく場合の数を学習するとしたのならば、解き方にこだわるかどうかで、学習効果が大きく異なります。

「書き出す順番」「整理して書く」

この2点を指導することが重要です。

図形の書き出しならば、実際に図を描いてみるなど、横着な解き方は避け、愚直に書いていった方が良いです。

 

余談ですが、私は学生時代は場合の数、確率・統計は得意ではありませんでした。

いまは、その分野を教えるのは少々自信がありますので、これを生徒さんが見たらビックリするかもしれません。

 

理由ははっきりしていて、現役時代は横着な解き方をしていたからです。

他の横着をしても解ける単元は普通にでき、得点が低いわけではなかったので、あまり指摘されずにずっと行ってしまいました。

なんで苦手なんだろうと思っていましたが、こんな低次元の原因が分からずに解決策が見つかりませんでした。

若気の至りと言えばそれまでですが、やはり子どもはきちんと指摘するところはしていくことが大切です。

同じ過ちを受験生にして欲しくないと思っています。

 

もう少ししっかり書いていきます。

場合の数は、何を数えているか、何を数えるための計算なのかをしっかりイメージしなくてはいけません。

 

例題を出します。

「A+B+C=24で、A<B<Cは何通り?」という問題です。

地道に書き出せば解けますが、計算で解きたい場合は、次のようになります。

  1. 3つの和が24になるのは、23C2=253通りです。
  2. 3つの数がすべて等しい場合は1通り
  3. 2つの数が等しい場合は、10×3=30通り
  4. すべて異なる場合は、253-(1+30)=222通り
  5. この222通りの中に、例えば7+8+9は、順番を変えたものを含めると6通りあります。
  6. どの式も6通りずつあるので、222÷6=37通りです。

 

頑張ればこのような計算になりますが、1・3・5・6はイメージできないと、ちんぷんかんぷんになるでしょう。

こういうときに、答えが出るためにはこの計算が必要ということで、計算式だけを覚えようとする生徒さんがいますが、それはまったく意味がありません。

言葉では説明できなかったとしても、イメージが湧いて、コンビネーションで何が求まるか、「×3」とはいったい何か、「÷6」とはいったい何か、ということがつかめないと、場合の数に強くなっていきません。

 

その有効な対策は、前述しましたように「書き出す順番」「整理して書く」習慣をつけることです。

そして、豊富な練習が不可欠です。

手を正しく動かす演習の量が重要です。

そうやって下地をつくることで、イメージ力が高まり、解説を聴いたり見たりしたときに、どうしてそれをするのかがつかめるようになります。

 

スケールの大きな受験生の育成を考えていましたら、夏休みからでもいいですし、いまを助走区間として少しずつ場合の数を始めることをお勧めします。

教材は市販のものでも塾教材でも構いませんが、場合の数の練習が豊富にできるのは、当教材の小4集中場合の数と小5集中場合の数しかないと思います。

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