- 2018年9月7日
ときどきインターエデュをはじめ、いろいろな掲示板で次のようなことを書く人がいます。
「頑張って勉強して身の丈に合わない学校に入ってしまうと中学・高校でキツい」
「ギリギリで受かると中学・高校で深海魚になる」
「余裕の学校に入れば、中学・高校が充実し、良い大学に入れる」
こういうことを書く人は、どういう世代の人がどういう顔をして書いているのでしょう。
中学受験に何も関わりのない人が暇つぶしかストレス発散で書いているか、受験勉強でストレスが大きくなってしまった保護者だと思います。
インターエデュの掲示板は、全体の1割くらいは良い情報や良い体験談だったりしますが、3割くらいは自慢話(嘘も多い)で、6割くらいは嘘や出鱈目というような比率だと思っています。
その1割を求めて掲示板を見るのもいいと思いますが、どれが良い情報や良い体験談か判断できない場合があります。
いったい誰のための掲示板なんだろうと思っています。
中学受験を経験した生徒さんは、大学受験に強いと言われます。
これは様々な要因がありますので、理由を1つというわけにはいきませんが、中学受験で競争を経験したからというのも大きいと思います。
小学校受験をした人は、中学受験で強いと言う塾講師もいます。
公立小、公立中育ちでも、良い競争をしてきた子もいると思います。
幼少期から将来のオリンピック出場などを視野にスポーツに励んできた子などは別として、中学受験が、人生最初の本格的な競争となる子が多いと思います。
競争というと、「○○君に勝ちたい」「○○中の合格を勝ち取りたい」「偏差値60以上を取りたい」というような数値の目標がイメージされますが、勉強を頑張り抜きたいというものも競争に入ると思います。
前者の数値目標でも、後者の純粋な努力目標でも同じようなものですが、ゆとり教育では前者を否定し、後者を求めていたと思います。
前者の方が単純なので取り組みやすいはずですが、それを否定したら、スムーズに進行していかないのは誰でも分かることだと思うのですが、国の偉いと言われている人は分からなかったか、別の思惑があるのでしょう。
公立小学校のことはよく分かりませんが、外野からは、負けたら可哀想だから競争はなくそうというような姿勢に映りました。
個人情報保護法と騒がれてから、勝ち負けも個人情報だから隠そう、競争自体をなくそうというとんでもない方向に行っている場合もあるような気がします。
中学受験をする人は、せっかく中学受験というやり甲斐のあるものに出会っているわけなので、競争に勝つ姿勢を育みたいところです。
「競争の刺激」「勝ったときの達成感」「負けたときの闘志」を大事にしたいです。
競争というと、負けたらダメという意気込みでとらえる方が多いと思いますが、私は、競争に負けても良いと思います。
競争に勝ち続けることなどはできないので、負けたときの対処法が大切です。
競争することによって成長していくことが大切だと思います。
そして、その競争は中学入試で終わりではなく、中学、高校、大学、そして社会人になっても様々な形となって競争が続きます。
そこをお子様に上手く伝えられないと、上記のような深海魚という危険性が出てきます。
どんなに上位で受かろうが、下位で受かろうが、中学に進学して、競争する姿勢が失われれば、誰でも低迷すると思います。
人間に限らず、すべての生き物は競争の中で生きています。
親の力で競争とは無縁に生きている人間もいますが。
中学受験の勉強は、その競争に勝つ力を磨くためだととらえると、有効性が鮮明になるような気がします。
競争に勝つためには、読解力、知識、洞察力、推理力、空間把握力など脳をフル稼働させる必要があるので、ゲームで勝つなどとは比べられないほど良質です。
ほどほどに頑張って身の丈にあう環境でという教育スタイルもあることはありますが、そのような中途半端な姿勢よりは、最大限に頑張って競争を体験した方が今後につながると個人的には思います。
合格よりも競争をしているということが大事なことだと思っています。
しかし、気になるのは、競争するのは受験生本人ということです。
保護者の競争になっているご家庭も多いような気がします。
保護者様の役割としては、競争心をさりげなく育てることが大切です。
「さりげなく」が重要です。
塾によっても、競争競争と煽るところがありますが、私はそれは良いとは思っていません。
その煽り以上に生徒さんが競争心を持っていれば良いですが、そうでなければ、落ち着いてしっかり学習を取り組むことができないような気がします。