地頭についての私見

素質がある・ない

塾講師時代、ほぼ毎年3年生の応用コースを担当していました。

難関校に合格するご家庭は3年生から入塾というケースが多かったので、自塾の難関校合格者の3年生の状況を知っていました。

3年生の教材は、私が作った教材で、現在と同様に作業系中心でした。

普通の市販の教材のようなものだと、先取り学習をしていたり、保護者が教えていたりすると、よく解けて優秀な生徒という印象になりがちですが、作業系は素質がよく分かります。

先行逃げ切り型で、最後、失速して受験で上手くいかなかったというお子様は、 振り返ってみると、その教材で苦戦していたといったケースも複数ありました。

地頭という単語も使われますが、私は学問の素質と同じ意味だと捉えています。

中学受験界の素質といえば、頭の良さのことになりますので、わざわざ地頭という単語を使わなくても良いと思います。

地頭が良いとか素質があると一言で言いますが、例えば「お金持ち」といっしょで、

  • 年収いくらからお金持ちというのか? 
  • 資産いくらからお金持ちというのか?

というようなものです。

素質が「ある」「ない」というデジタル式に判断することは滑稽なことです。

筑駒悠々合格の素質、 開成ギリギリ合格の素質、開成の合格可能性は低いけれど、海城なら合格の可能性が高い素質というように、素質といってもいろいろあるわけです。

素質とは?

素質というものを簡単な言葉に言い換えると、私は「仕組みを理解する力」だと考えています。

仕組みを理解する能力に長けているから、少しヒントを聞いただけでからくりが分かり、自力で問題が解けるのだと思います。

また、仕組みが理解する力があるからこそ、初見の難問に接したときに、その問題の本質をつかみ、今までの経験を活かすこともでき、いきなり解いて周りを驚かせることがあるのではないかと思います。

3年生の段階で素質はだいたい分かります。

しかし、仕組みを理解する力を素質とするならば、磨いていなければ仕組みを理解できません。

同じ練習をすれば、素質が高い人の方が仕組みをよく理解できて、テストで活躍できます。

素質は伸びる?

ここまでの流れは、至って普通のことだと思います。

塾で指導を重ねていきますと、素質が磨かれずに、あるときから頑張り始めたけど、伸びがもう一歩というケースがあったり、逆に素質がなかったけど、いつの間にか仕組みを理解できる力がついてきたというケースがあったりします。

環境で素質が変化するのか、人間の精神年齢の成長とともに素質も変化するのか、よく分かりませんが、素質も変化します。

中学受験で上手くいかなかった子が、 高校受験に切り替えて、中1でトップクラスで、その勢いで高校受験成功となった事例もよくあります。

小4~6の環境が良く、精神年齢も成長して、素質が上がったことになります。

勉強から離れるとイメージしやすいです。

例えば、ピアノが好きで毎日弾いていたら、超一流にはなれずとも、素質があるように見えてくると思います。

スポーツでも水泳などは練習するほど上達すると思います。

好きこそものの上手なれというものです。

素質を伸ばす1つのご提案

ピアノや水泳、あるいはイラスト描写など、好きで練習すればするほど上手くなりますが、勉強はなかなかそうはなりにくいと思います。

勉強は素質が上がりにくいことになりますが、それは、他の素質が上がりやすいものに比べて、手作業や体を動かさないからではないでしょうか。

野球も野球部に入っていても、たいして上手くなりません。

バットを振り続けたり、ボールを投げ続けたりして、体幹ができて上達します。

算数に当てはめますと、短時間で多量の計算の答えを書いていく、数字を書き出す、図を書き出す、というような書き出す練習が素質を上げるのに必要な作業のような気がします。

手をたくさん動かすような学習を取り入れることがポイントだと思います。

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