- 2018年6月12日
最近どこかで見ましたが、
ブログを書くときやプレゼンテーションするときは、数字を使って説得力を上げようというものです。
これは初めて聞いたことではありません。
よく聞きます。
仕事とはまったく関係のない知り合いで、自身の書いているブログのPV数を気にしている人がいます。
以前、「タイトルに数字を入れると、PV数が増えるんだよ」などと嬉しそうに語っていました。
中身じゃなくて、タイトルでPV数を増やそうというのは邪道ということは置いておいて、
数字の説得力、興味関心をひきつける力というのは想像以上にあるのでしょう。
そう言えば、AKBグループの総選挙が最近ありました。
一期生が活躍しているときは、少々詳しい方でしたが、最近は、メンバーを20人くらいしか分かりません。
総選挙のテレビの視聴率は良かったようです。
スポーツ新聞などの見出しで17.6%と書いてありました。
いまの時代、この視聴率は大したものです。
過年度からの推移は
2012年 18.7%
2013年 20.3%
2014年 16.2%
2015年 18.8%
2016年 17.6%
少々山や谷がありますが、この5年間は人気は維持しているようです。
AKBはまだまだ人気健在だ!ブームは去っていない!トレンドだ!
こう思わせることが作戦のようです。
実際は、かなりの細工をしています。
細工無し(加重平均)なら
2012年 18.7%
2013年 16.3%
2014年 13.7%
2015年 12.3%
2016年 10.0%
そして面白いことに、番組時間は2013年と2014年は4時間40分でしたが、2015年は3時間24分になり、2016年は2時間54分になっていました。
(データはすべて某掲示板より)
2014年で人気が低迷したことが分かり、2015年と2016年は細工して視聴率の数字は整えましたが、
スポンサーの問題か、番組の時間は短縮せざるを得なかったのでしょう。
人気を知るための数字は視聴率ではなく、番組時間ということになります。
AKBネタが長くなりすぎましたが、塾の話に移ります。
進学塾の数字としては、合格実績、授業料、校舎数(塾生数)、拘束時間
このあたりが気になるところです。
塾選びの決め手になるのは主に合格実績と授業料です。
まず授業料から述べていきます。
大手塾は授業料を安く見せるのが本当に上手いです。
月額に違いがあっても、トータル費用を見ると、一部高額塾を除けば、ほぼ同じになります。
大手塾を選ぶのであれば値段を決め手にするのは難しいような気がします。
バイト講師が多くても、それほど安くならないのが不思議です。
授業料を安くするためにバイトを使っているわけではないのでしょう。
いろいろな塾のHPを見ると、個人塾や小規模塾の一部で、本当に安いところがあります。
以前塾をつくろうとしていたので、授業料と、講師の年収の関係はだいたい把握しています。
本当に安い塾は、人件費が安いか、金額設定を間違えているのだと思います。
どちらにしても、消費者にとってはお得な話です。
リーズナブルに中学受験をしたいのならば、自宅学習が1番ですが、
通塾で尚且つリーズナブルが希望ならば、
小規模塾からの選択になりますが、しっかり数字を見ていけばいろいろあります。
結論としては、
大手塾なら、金額は気にしても意味がなく、リーズナブルな通塾は一部の小規模塾なら可能ということになります。
表示されている金額につい惑わされがちですが。
次は、合格実績についてです。
2月の合格実績が出揃ったころに、塾関係者と話をすると、私の実績の良い悪いという印象と、他の人でずれている場合があります。
良い悪いの基準というよりも、見ているポイントが違うのだと思います。
どこをポイントにしているかというのは、書くとダラダラ感が出ますので割愛しますが、
同じ数字を見ても見方によって評価が変わります。
そして、本当に知りたい情報はなかなか分かりません。
知りたい情報というのを具体的に挙げます。
- 第1志望の人数・第2志望の人数
- 合格者の進学率
- 共学は男女比
- 志望校対策講座のみの生徒の割合
- 進学者の4・5・6年のときのそれぞれの偏差値の分布
- 進学者の入塾時期の分布
- 進学者の学習時間の分布
このくらいのデータが分かれば、塾選びの基準になりますし、立ち位置から志望校を検討しやすくなると思います。
どうしてそういうデータを見られないのでしょうか?
希望をなくして退塾して欲しくないからという残念な理由かもしれません。
要するに、数字は集客の手段ということでしょう。
消費者の感覚とズレがあるような気がします。
某塾では、自塾の合格実績で、外部向けの評価と、内部(社内)向けの評価は異なるらしいです。
外部向けは評価Aと宣伝し、内部向けには評価Bとして反省を促し、場合によっては査定にも影響するかもしれません。
今年は凄い実績ですよ!と宣伝する一方で、来年もこんな実績だったら許さん!となっているわけです。
怖い話ですね。
塾選びだけでなく様々なところで数字を見かけ、それをもとに検討することが多いと思いますが、
数字を出す方は、選んでもらえるように都合の良い数字を出しているわけです。
そして本当に知りたい数字というのは外部には出ないものです。
数字で判断したい場合は、どういう数字が重要かを考えて、直接それを教えてもらうしかありません。
サピックスの開成合格実績が261名→245名→251名と推移しているデータを見ても
本当はなにも意味がありません。
そういえば、前職でも、合格実績の推移を広告に出すときに、何年前からを載せるか悩んでいました。
伸びている感を出したいからですが、姑息と片付けてはいけないのかもしれません。
レストランや居酒屋でもメニューに記載する順番はとても重要と言っていますし。
数字ではなく、文章や言葉から信頼したり、判断することが望ましいのは間違いありません。
家庭教師や個別指導にしても、
偏差値20上げるとか、偏差値50から70に上げるノウハウとか華やかな文字がならびますが、出鱈目な数字です。
異様なPV数を誇る某講師のブログで、2月頃にあった合格実績一覧表の作り方は面白かったです。
瞬間最大風速ならば、算数教材塾・探求のスカイプ指導でも全員偏差値15以上アップと言えます。
でも、毎回上下しますし、範囲の決まっているテスト・いないテストを混ぜても意味がありませんし、
範囲の決まっているテストでも単元によって変わるのはあたりまえですし、
そんなことを宣伝する気もありません。(商才がないのかな…)
○○中に対応できるようになってきたかきていないか、それしか考えていません。
これからの時期、数字でグラッとしやすいですが、冷静な判断で進んで欲しいです。